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COLUMNSブログ「論語と算盤」

精密機器業界-2

2023年10月26日

業界売上高トップ4

有価証券報告書 財務分析

 

<精密機器業界・・・第2回>

 

 

2回分析テーマ・・・利益創出力

分析指標値:総資本営業利益率

     売上高総利益率

      売上高営業利益率

       売上高当期純利益率

 

(各指標の説明はこちら

 

 

総資本営業利益率

〔総資本営業利益率=営業利益÷総資本(負債+純資産)〕

※ 4社とも経常利益の概念がないIFRS(国際会計基準)を採用しているため営業利益を用います。

 

 トップHOYAです。

3期連続の上昇となっています。

過去の18%台から、直近2期は20%台となっています。

※なお、前回も明示したように、当社の「営業利益」は連結包括利益計算書をもとに概算した推定値です。

 

 2番手はオリンパスです。

直近2期連続の上昇であり、二桁台に乗せてきました。

この2期は、特に営業利益の増大が貢献しています。

 

 続いてテルモです。

直近では低下しました。

直近3期連続で7%台と、2020決算期の約9%レベルを下回ったままです。

 

 そしてニコンです。

直近2期は2021決算期の営業欠損から挽回しています。

 

 

売上高総利益率

〔売上高総利益率(粗利益率)=売上総利益(粗利益)÷売上高〕

 

 トップHOYAです。

直近で1.5ポイント上昇しています。

4期間を通じて、概ね上昇傾向となっています。

 

 2番手はオリンパスです。

直近2期連続の上昇です。

直近の値は、2020決算期から4ポイント近く上昇しています。

 

 続いてテルモです。

3期連続の低下です。

売上高の大きな上昇と粗利益率の低下という、やや気がかりな状況です。

 

 そしてニコンです。

直近2期連続の上昇となっています。

 

 

売上高営業利益率

〔売上高営業利益率=営業利益÷売上高〕

 

 トップHOYAです。

過去2期連続で上昇していましたが、直近で低下しました。

直近で目立って増加した費用は、人件費で170億円強、その他費用で200億円弱となっています。

※当社の「営業利益」は概算の推定値です。

 

 2番手はオリンパスです。

直近2期連続の上昇です。

売上高や営業利益そのものの増大などから、近年における力強さが伝わってきます。

なお、2024年3月期から2026年3月期の3年間の財務ガイダンスとして、営業利益率約20%を掲げています。

 

 続いてテルモです。

2022決算期でやや盛り返しましたが、直近は低下しています。

この4期間の趨勢としては、概ね低下傾向になっています。

なお、2021年12月に策定された5カ年計画において、営業利益率20%以上を掲げています。

 

 そしてニコンです。

挽回してきている直近2期の値は、10%近くになっています。

なお、中期経営計画における2025年のありたい姿として、営業利益率10%以上を掲げています。

 

 

売上高当期純利益率

〔売上高当期純利益率=親会社の所有者に帰属する当期利益÷売上高〕

 

 トップHOYAです。

過去2期連続で相当大きく上昇していましたが、直近では低下しました。

 

 2番手はオリンパスです。

今回の他の指標と同様に2022決算で大きく伸ばし、さらに直近でも上昇しています。

 

 続いてテルモです。

営業利益率と同様、4期間の趨勢は低下傾向と映ります。

 

 そしてニコンです。

挽回してはいますが、直近でやや足踏みしている感があります。

ただし、直近2期の水準は決して低いものではありません。

 

 

 

今回、特に気になったのは

HOYA極めて高い収益性

オリンパス指標値向上の力強さ

そしてテルモの低下傾向です。

 

 

今回の「利益創出力」の順位による

比較レーダーチャートは以下のとおりです。

 

 

 

今回は以上です。

 

次回は、「稼ぐ力」を見ていきましょう。

 

 

 

 

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