業界売上高トップ4
有価証券報告書 財務分析
<精密機器業界・・・第2回>
第2回分析テーマ・・・利益創出力
分析指標値:総資本営業利益率
売上高総利益率
売上高営業利益率
売上高当期純利益率
(各指標の説明はこちら)
【総資本営業利益率】
〔総資本営業利益率=営業利益÷総資本(負債+純資産)〕
※ 4社とも経常利益の概念がないIFRS(国際会計基準)を採用しているため営業利益を用います。
トップはHOYAです。
3期連続の上昇となっています。
過去の18%台から、直近2期は20%台となっています。
※なお、前回も明示したように、当社の「営業利益」は連結包括利益計算書をもとに概算した推定値です。
2番手はオリンパスです。
直近2期連続の上昇であり、二桁台に乗せてきました。
この2期は、特に営業利益の増大が貢献しています。
続いてテルモです。
直近では低下しました。
直近3期連続で7%台と、2020決算期の約9%レベルを下回ったままです。
そしてニコンです。
直近2期は2021決算期の営業欠損から挽回しています。
【売上高総利益率】
〔売上高総利益率(粗利益率)=売上総利益(粗利益)÷売上高〕
トップはHOYAです。
直近で1.5ポイント上昇しています。
4期間を通じて、概ね上昇傾向となっています。
2番手はオリンパスです。
直近2期連続の上昇です。
直近の値は、2020決算期から4ポイント近く上昇しています。
続いてテルモです。
3期連続の低下です。
売上高の大きな上昇と粗利益率の低下という、やや気がかりな状況です。
そしてニコンです。
直近2期連続の上昇となっています。
【売上高営業利益率】
〔売上高営業利益率=営業利益÷売上高〕
トップはHOYAです。
過去2期連続で上昇していましたが、直近で低下しました。
直近で目立って増加した費用は、人件費で170億円強、その他費用で200億円弱となっています。
※当社の「営業利益」は概算の推定値です。
2番手はオリンパスです。
直近2期連続の上昇です。
売上高や営業利益そのものの増大などから、近年における力強さが伝わってきます。
なお、2024年3月期から2026年3月期の3年間の財務ガイダンスとして、営業利益率約20%を掲げています。
続いてテルモです。
2022決算期でやや盛り返しましたが、直近は低下しています。
この4期間の趨勢としては、概ね低下傾向になっています。
なお、2021年12月に策定された5カ年計画において、営業利益率20%以上を掲げています。
そしてニコンです。
挽回してきている直近2期の値は、10%近くになっています。
なお、中期経営計画における2025年のありたい姿として、営業利益率10%以上を掲げています。
【売上高当期純利益率】
〔売上高当期純利益率=親会社の所有者に帰属する当期利益÷売上高〕
トップはHOYAです。
過去2期連続で相当大きく上昇していましたが、直近では低下しました。
2番手はオリンパスです。
今回の他の指標と同様に2022決算で大きく伸ばし、さらに直近でも上昇しています。
続いてテルモです。
営業利益率と同様、4期間の趨勢は低下傾向と映ります。
そしてニコンです。
挽回してはいますが、直近でやや足踏みしている感があります。
ただし、直近2期の水準は決して低いものではありません。
今回、特に気になったのは
HOYAの極めて高い収益性
オリンパスの指標値向上の力強さ
そしてテルモの低下傾向です。
今回の「利益創出力」の順位による
比較レーダーチャートは以下のとおりです。
今回は以上です。
次回は、「稼ぐ力」を見ていきましょう。
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