業界売上高トップ4
有価証券報告書 財務分析
<精密機器業界・・・第1回>
オリンパス株式会社(3月決算)
テルモ株式会社 (3月決算)
HOYA株式会社 (3月決算)
株式会社ニコン (3月決算)
第1回分析テーマ・・・経営規模
分析実績値:売上高推移
営業利益推移
総資産推移
従業員数推移
【売上高推移】
トップはオリンパスです。
直前期の売上高は、前期比117.6%の8,819億円となりました。
4期間を通じたトップであり、直近2期連続の増大です。
事業は次の3つのセグメントに分けられています。
▶ 内視鏡事業
直前期の売上高・・・前期比119.6%の5,518億円
▶ 治療機器事業
直前期の売上高・・・前期比115.5%の3,182億円
▶ その他事業
直前期の売上高・・・前期比91.6%の119億円
なお、2024年3月期から2026年3月期の3年間の財務ガイダンスとして、売上高成長率約5%を掲げています。
2番手はテルモです。
直前期の売上高は、前期比116.6%の8,202億円となりました。
2期連続での二桁成長で、トップに迫らん勢いです。
事業は次の3つのセグメントに分けられています。
全セグメントで前期を上回っています。
▶ 心臓血管カンパニー
直前期の売上高・・・前期比121.0%の4,806億円
▶ メディカルケアソリューションズカンパニー
直前期の売上高・・・前期比103.5%の1,917億円
▶ 血液・細胞テクノロジーカンパニー
直前期の売上高・・・前期比122.4%の1,476億円
なお、2021年12月に策定された5カ年計画において、売上高成長率一桁後半レベルを掲げています。
続いてHOYAです。
直前期の売上高は、前期比109.4%の7,236億円となりました。
2期連続で増大していますが、直前期の伸び率は4社の中では低めです。
事業は次の3つのセグメントに分けられています。
▶ ライフケア事業
直前期の売上高・・・前期比116.5%の4,746億円
▶ 情報・通信事業
直前期の売上高・・・前期比98.4%の2,443億円
▶ その他
直前期の売上高・・・前期比83.7%の46億円
最後はニコンです。
直前期の売上高は、前期比116.4%の6,281億円となりました。
2021決算期で大きく低下しましたが、その後2期連続で増大しています。
事業は次の5つのセグメントに分けられています。
▶ 映像事業
直前期の売上高・・・前期比127.4%の2,271億円
▶ 精機事業
直前期の売上高・・・前期比96.2%の2,033億円
▶ ヘルスケア事業
直前期の売上高・・・前期比135.7%の994億円
▶ コンポーネント事業
直前期の売上高・・・前期比132.0%の540億円
▶ 産業機器・その他
直前期の売上高・・・前期比123.1%の444億円
なお、中期経営計画における2025年のありたい姿として、売上高7,000億円を掲げています。
【営業利益推移】
トップはHOYAです。
※当社は「営業利益」のくくりを設けていないため、【連結包括利益計算書】をもとに「営業利益」を推定算出しています。
直前期の営業利益は、前期比104.7%の2,082億円となりました。
3期連続で着実に増大しています。
セグメントごとの実績は以下のとおりであり、セグメント利益として表記されています。
▶ ライフケア事業
直前期のセグメント利益・・・前期比109.3%の943億円
▶ 情報・通信事業
直前期のセグメント利益・・・前期比97.4%の1,197億円
▶ その他
直前期のセグメント利益・・・前期比31.4%の9億円
2番手はオリンパスです。
直前期の営業利益は、前期比127.7%の1,866億円となりました。
2期連続で4社中最大の度合いで増大しています。
セグメントごとの実績は以下のとおりです。
全セグメントで前期を上回っています。
▶ 内視鏡事業
直前期の営業利益・・・前期比114.7%の1,528億円
▶ 治療機器事業
直前期の営業利益・・・前期比104.7%の637億円
▶ その他事業
直前期の営業利益・・・前期20億円の損失に対して、損失9億円
※調整額(消去及び全社)として△289億円が加算されます。
続いてテルモです。
直前期の営業利益は、前期比101.2%の1,173億円となりました。
2期連続の増大ですが、直前期はほぼ横ばいです。
セグメントごとの実績は以下のとおりであり、調整後営業利益となっています。
▶ 心臓血管カンパニー
直前期の調整後営業利益・・・前期比120.3%の1,122億円
▶ メディカルケアソリューションズカンパニー
直前期の調整後営業利益・・・前期比62.9%の148億円
▶ 血液・細胞テクノロジーカンパニー
直前期の調整後営業利益・・・前期比53.6%の112億円
そしてニコンです。
直前期の営業利益は、前期比110.0%の549億円となりました。
2021決算期で大きく減少した後、2022決算でそれ以上に挽回し、直近も増大しています。
セグメントごとの実績は以下のとおりです。
▶ 映像事業
直前期の営業利益・・・前期比221.4%の422億円
▶ 精機事業
直前期の営業利益・・・前期比61.8%の244億円
▶ ヘルスケア事業
直前期の営業利益・・・前期比264.1%の116億円
▶ コンポーネント事業
直前期の営業利益・・・前期比115.3%の147億円
▶ 産業機器・その他
直前期の営業利益・・・前期比122.4%の36億円
※営業利益には、グループ内取引分が含まれています。
【総資産推移】
最大はテルモです。
3期連続で、約9%ずつ拡大しています。
2番手はオリンパスです。
当社も3期連続、しかも3期とも二桁増で拡大しています。
続いてニコンです。
1兆円前後で推移させているようであり、各期の変動は小幅な動きとなっています。
そしてHOYAです。
3期連続の拡大となっており、直近で1兆円超の規模になりました。
【従業員数推移】
最大はHOYAです。
過去2期では増員してきましたが、直近では比較的大きな減員となっており、4期間における最少人員数になっています。
2番手はオリンパスです。
減員傾向でしたが、直近では増やしています。
続いてテルモです。
3期連続の増員であり、売上高や総資産とともに経営規模を拡大しています。
そしてニコンです。
減員傾向でしたが、直近で若干増員しています。
今回の「経営規模」の順位による
比較レーダーチャートは以下のとおりです。
今回は以上です。
次回は「利益創出力」を見ていきましょう。
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