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COLUMNSブログ「論語と算盤」

建設業界-2

2023年7月6日

業界売上高トップ4

有価証券報告書 財務分析

<建設業界・・・第2回>

 

 

2回分析テーマ・・・利益創出力

分析指標値:総資本経常利益率

     売上高総利益率

      売上高営業利益率

       売上高当期純利益率

 

(各指標の説明はこちら

 

 

総資本経常利益率

〔総資本経常利益率=経常利益÷総資本(負債+純資産)〕

 

 トップ鹿島建設です。

過去3期は6%台で安定していましたが、直前期ではやや低下しています。

直前期は経常利益も増大していますが、それ以上に有利子負債の増加を中心に総資本が拡大しています。

 

 2番手は大林組です。

2期連続で低下していましたが、直前期で上昇しました。

直前期は総資本が増えていますが、経常利益は前年の2倍以上に増大しています。

 

 続いて大成建設です。

3期連続で、概ね2ポイントずつ低下しています。

主因は、3期連続の経常利益の減少です。

 

 そして清水建設です。

3期連続の低下となっています。

直前期は、経常利益が前年比110%以上に増大しましたが、有利子負債の増加を中心に総資本がそれ以上に拡大しました。

なお「SHIMZ VISION 2030」における2030年度の連結経常利益目標を2,000億円以上としています。

 

 

売上高総利益率

〔売上高総利益率(粗利益率)=売上総利益(粗利益)÷売上高〕

 

 トップ鹿島建設です。

こちらの値も4社中で最も安定した推移となっています。

ただし、直前期は前年から1ポイント以上低下しました。

 

 2番手は大林組です。

2022期に5ポイント近くと大きく低下しましたが、直前期は3ポイント近く上昇させています。

 

 続いて大成建設です。

2期連続の低下であり、直前期の低下度合いはかなり大きくなっています。

何らかの影響が顕在化しているように感じられます。

 

 そして清水建設です。

3期連続の低下です。

この4期間は上昇する気配が感じられない状態です。

 

 

売上高営業利益率

〔売上高営業利益率=営業利益÷売上高〕

 

4社とも、粗利益率とほぼ同様の推移となっています。

 

 トップ鹿島建設です。

2期連続で低下しています。

 

 2番手は大林組です。

直前期は盛り返しました。

 

 続いて大成建設です。

3期連続で低下しています。

 

 そして清水建設です。

3期連続の低下となっています。

 

 

売上高当期純利益率

〔売上高当期純利益率=親会社の所有者に帰属する当期利益÷売上高〕

 

この値も各社、粗利益率や営業利益率とほぼ同様の推移となっています。

 

 トップは鹿島建設です。

2期連続の低下ですが、直前期の低下度合いは比較的抑制されています。

なお「鹿島グループ中期経営計画(2021~2023)」の2024.03期における親会社株主に帰属する当期純利益目標として950億円以上としています。

 

 2番手は大林組です。

直前期は前年を大きく上回っていますが、2020期や2021期までには至っていません

 

 続いて大成建設です。

3期連続の低下です。

なお「中期経営計画(2021-2023)」における当期純利益目標を1,000億円としています。

また「TAISEI VISION 2030」におけるグループ純利益目標を1,500億円程度としています。

 

 そして清水建設です。

3期連続の低下です。

 

 

今回、全4指標の順位が同一ですが、

これは利益創出への取り組み自体

明確な差があることの裏返しといえます。

 

 

今回の「利益創出力」の順位による

比較レーダーチャートは以下のとおりです。

 

 

 

今回は以上です。

 

次回は、「稼ぐ力」を見ていきましょう。

 

 

 

 

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