業界売上高トップ4
有価証券報告書 財務分析
<建設業界・・・第2回>
第2回分析テーマ・・・利益創出力
分析指標値:総資本経常利益率
売上高総利益率
売上高営業利益率
売上高当期純利益率
(各指標の説明はこちら)
【総資本経常利益率】
〔総資本経常利益率=経常利益÷総資本(負債+純資産)〕
トップは鹿島建設です。
過去3期は6%台で安定していましたが、直前期ではやや低下しています。
直前期は経常利益も増大していますが、それ以上に有利子負債の増加を中心に総資本が拡大しています。
2番手は大林組です。
2期連続で低下していましたが、直前期で上昇しました。
直前期は総資本が増えていますが、経常利益は前年の2倍以上に増大しています。
続いて大成建設です。
3期連続で、概ね2ポイントずつ低下しています。
主因は、3期連続の経常利益の減少です。
そして清水建設です。
3期連続の低下となっています。
直前期は、経常利益が前年比110%以上に増大しましたが、有利子負債の増加を中心に総資本がそれ以上に拡大しました。
なお「SHIMZ VISION 2030」における2030年度の連結経常利益目標を2,000億円以上としています。
【売上高総利益率】
〔売上高総利益率(粗利益率)=売上総利益(粗利益)÷売上高〕
トップは鹿島建設です。
こちらの値も4社中で最も安定した推移となっています。
ただし、直前期は前年から1ポイント以上低下しました。
2番手は大林組です。
2022期に5ポイント近くと大きく低下しましたが、直前期は3ポイント近く上昇させています。
続いて大成建設です。
2期連続の低下であり、直前期の低下度合いはかなり大きくなっています。
何らかの影響が顕在化しているように感じられます。
そして清水建設です。
3期連続の低下です。
この4期間は上昇する気配が感じられない状態です。
【売上高営業利益率】
〔売上高営業利益率=営業利益÷売上高〕
4社とも、粗利益率とほぼ同様の推移となっています。
トップは鹿島建設です。
2期連続で低下しています。
2番手は大林組です。
直前期は盛り返しました。
続いて大成建設です。
3期連続で低下しています。
そして清水建設です。
3期連続の低下となっています。
【売上高当期純利益率】
〔売上高当期純利益率=親会社の所有者に帰属する当期利益÷売上高〕
この値も各社、粗利益率や営業利益率とほぼ同様の推移となっています。
トップは鹿島建設です。
2期連続の低下ですが、直前期の低下度合いは比較的抑制されています。
なお「鹿島グループ中期経営計画(2021~2023)」の2024.03期における親会社株主に帰属する当期純利益目標として950億円以上としています。
2番手は大林組です。
直前期は前年を大きく上回っていますが、2020期や2021期までには至っていません。
続いて大成建設です。
3期連続の低下です。
なお「中期経営計画(2021-2023)」における当期純利益目標を1,000億円としています。
また「TAISEI VISION 2030」におけるグループ純利益目標を1,500億円程度としています。
そして清水建設です。
3期連続の低下です。
今回、全4指標の順位が同一ですが、
これは利益創出への取り組み自体に
明確な差があることの裏返しといえます。
今回の「利益創出力」の順位による
比較レーダーチャートは以下のとおりです。
今回は以上です。
次回は、「稼ぐ力」を見ていきましょう。
※当サイトの「注意・免責事項」ご確認ください。