業界売上高トップ4
有価証券報告書 財務分析
<ビール業界・・・第2回>
第2回分析テーマ・・・利益創出力
分析指標値:総資本税引前利益率
売上高総利益率
売上高営業利益率
売上高当期純利益率
※今回の4社はIFRSを採用しているため、経常利益ではなく税引前利益を用います。
(各指標の説明はこちら)
【総資本税引前利益率】
〔総資本税引前利益率=税引前利益÷総資本(負債+純資産)〕
トップはキリンHDです。
直近で急激に上昇し、4期間中での最大値になっています。
これは、総資本が微増する中、税引前利益が前年の2倍近くまで膨らんだためです。
2番手はサントリーHDです。
4期間とも、4%台から5%のレベルで安定的に推移しています。
続いてアサヒGHDです。
2020期は、総資本の急増と税引前利益の急減というダブルパンチで、大きく低下しました。
しかし、直近2期は4%超のレベルで安定的に推移しています。
そしてサッポロHDです。
2020期は税引前損失であり、翌2021期で大きく挽回しましたが、直近ではまた低下しました。
不安定で、気の抜けない推移となっています。
【売上高総利益率】
〔売上高総利益率(粗利益率)=売上総利益(粗利益)÷売上高〕
トップは僅差でキリンHDです。
直近2期連続で上昇しています。
特に、直近は4期間中での最大値になっています。
2番手はサントリーHDです。
3期連続の低下であり、特に直近は2ptという比較的大きな低下になっています。
続いてアサヒGHDです。
30%台後半での安定的な推移といえますが、奇数年に上昇、偶数年に低下という傾向です。
そしてサッポロHDです。
総じて低下傾向であり、特に直近では30%を割り込んでいます。
【売上高営業利益率】
〔売上高営業利益率=営業利益÷売上高〕
トップはサントリーHDです。
10%以上をキープしていますが、推移としては低下傾向になっています。
2番手はアサヒGHDです。
粗利益率と同じように、年度によって上下動しています。
続いてキリンHDです。
粗利益率と同様、直近のレベルが4期間中で最大になっています。
そしてサッポロHDです。
2020期は営業損失で、直近は黒字ながらも大きく低下するなど、全体的に不安定になっています。
【売上高当期純利益率】
〔売上高当期純利益率=親会社の所有者に帰属する当期利益÷売上高〕
トップはアサヒGHDです。
既述の利益率と同様に当指標も上下動していますが、直近のレベルは良好といえます。
2番手はキリンHDです。
直前期の急上昇により、トップに肉薄しました。
続いてサントリーHDです。
直近2期連続で上昇しています。
そしてサッポロHDです。
2021期を除いて、最終利益が赤黒瀬戸際と言える状況になっています。
今回、特に気になったのは、
サッポロHDの不安定さと各指標の低さでした。
今回の「利益創出力」の順位による
比較レーダーチャートは以下のとおりです。
今回は以上です。
次回は、「稼ぐ力」を見ていきましょう。
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