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有価証券報告書 財務分析
<水産業界・・・第2回>
第2回分析テーマ・・・利益創出力(売上高利益率からみる収益性)
分析指標値:総資本経常利益率、売上高総利益率、
売上高営業利益率、売上高当期純利益率
(各指標の説明はこちら)
【総資本経常利益率】
〔総資本経常利益率=経常利益÷総資本(負債+純資産)〕
トップは日本水産です。
2期連続で低下していましたが、直前期で大きく上昇し、4期間での最高値になっています。
総資本は対前年106.4%の伸長ですが、経常利益が142.8%(324億円)と大きく拡大した結果です。
なお、長期ビジョン「Good Foods 2030」において、2024年度計画の経常利益を350億円としています。
2番手は極洋です。
2期連続の上昇で、直前期は4期間での最高値になっています。
直近2期では、総資本の104.6%、112.1%という伸びに対して、経常利益は135.2%、141.5%(69億円)と大きく拡大しています。
なお、2024年3月期の目標として、経常利益65億円、経常利益率2%超を掲げています。
続いてマルハニチロです。
2期連続の低下の後、直前期で大きく上昇、4期間での最高値です。
総資本が数%の微増の中、直前期の経常利益は152.5%(276億円)と大きく拡大しました。
そして横浜冷凍です。
2期連続での低下の後、直前期で上昇しており、4期間での最高値となっています。
4期間における総資本の変化がほとんどない中、直前期の経常利益は181.0%(50億円)と相当に大きく拡大しました。
【売上高総利益率】
〔売上高総利益率(粗利益率)=
売上総利益(粗利益)÷売上高〕
トップは日本水産です。
2期連続で低下した後、直前期ではやや上昇しました。
2番手はマルハニチロです。
4期間とも13%台であり、概ね安定的かつやや上昇傾向で推移しています。
続いて僅差で極洋です。
直近2期間は上昇しています。
そして横浜冷凍です。
2期連続で上昇していましたが、直前期では低下してしまいました。
【売上高営業利益率】
〔売上高営業利益率=営業利益÷売上高〕
トップは日本水産です。
年度で交互に上下していますが、直前期は大きく上昇し、4期間での最高値になっています。
2番手は横浜冷凍です。
2期連続でかなり低下しましたが、直前期は大きく上昇させ、4期間での最高値です。
続いてマルハニチロです。
直近2期連続で上昇しており、直前期は4期間中での最高値となっています。
そして極洋です。
直近2期で大きく上昇させ、4期間での最高値になっています。
なお、2024年3月期の目標として、営業利益率2%超(経常率と同率)を掲げています。
【売上高当期純利益率】
〔売上高当期純利益率=親会社の所有者に帰属する当期利益÷売上高〕
トップは横浜冷凍です。
直前期はやや落としていますが、4社の中では高いレベルになっています。
2番手は日本水産です。
2期連続で上昇しており、着実に増やしてきています。
長期ビジョン「Good Foods 2030」において、2024年度計画の当期純利益を225億円としており、直前期は173億円となっています。
続いて僅差でマルハニチロです。
2期連続で低下した後、直前期で大きく上昇しています。
そして極洋です。
他の指標と同様に、直近2期で上昇しています。
今回、特に気になったのは
4社とも直前期の業績がかなり良化していることでした。
今回の「利益創出力」の順位による
比較レーダーチャートは以下のとおりです。
今回は以上です。
次回は、「稼ぐ力」を見ていきましょう。
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