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COLUMNSブログ「論語と算盤」

水産業界-1

2023年1月30日

業界売上高トップ4

有価証券報告書 財務分析

 

<水産業界・・・第1回>

 

 

マルハニチロ株式会社(3月決算)

日本水産株式会社(3月決算)  

株式会社極洋(3月決算)    

横浜冷凍株式会社(9月決算)  

 

 

1回分析テーマ・・・経営規模      

分析実績値:売上高推移営業利益推移

       総資産推移従業員数推移

 

 

売上高推移

 

 トップマルハニチロです。

直前期の売上高は、前期比107.1%の8,667億円となりました。

2期連続で低下した後、直前期で伸長しましたが、20192020決算期までの挽回には至っていません。

事業は次の3つのセグメントとその他に分けられています。

 水産資源事業:漁業・養殖・水産商事・海外ユニットで構成

  直前期の売上高・・・前期比109.0%の5,427億円

 加工事業:家庭用冷凍食品・家庭用加工食品・業務用食品・畜産・化成ユニットで構成

  直前期の売上高・・・前期比104.9%の2,960億円

 物流事業:冷凍品の保管および輸配送

  直前期の売上高・・・前期比93.8%の146億円

 

 2番手は日本水産です。

直前期の売上高は、前期比112.8%の6,937  億円となりました。

2期連続で低下した後、直前期でかなり伸長しています。

事業は次の5つのセグメントに分けられています。

 水産事業:魚撈事業、養殖事業、加工・商事事業

  直前期の売上高・・・前期比115.2%の2,878億円

 食品事業:加工事業、チルド事業

  直前期の売上高・・・前期比109.1%の3,286億円

 ファイン事業:医薬原料、機能性原料、機能性食品、診断薬・検査薬の生産・販売

  直前期の売上高・・・前期比130.8%の341億円

 物流事業:冷蔵倉庫事業、配送事業、通関事業

  直前期の売上高・・・前期比94.6%の158億円

 その他:船舶の建造・修繕、運航、エンジニアリング等

  直前期の売上高・・・前期比128.6%の275億円

なお、長期ビジョン「Good Foods 2030」において、2030年の売上高目標1兆円を掲げています。

 

 続いて極洋です。

直前期の売上高は、前期比101.8%の2,536億円となりました。

この4期間では、概ね安定的な推移になっています。

事業は次の4つのセグメントと保険代理店業を営むその他セグメントに分けられています。

 水産商事セグメント:水産物の買付・加工・販売

  直前期の売上高・・・前期比101.6%の1,208億円

 食品セグメント:業務用冷凍食品、市販用冷凍食品、缶詰、海産物珍味の製造・販売

  直前期の売上高・・・前期比98.1%の969億円

 鰹・鮪セグメント:カツオ・マグロ等の漁獲・養殖・買付・加工・販売

  直前期の売上高・・・前期比114.6%の343億円

 物流サービスセグメント:冷蔵倉庫事業

  直前期の売上高・・・前期比108.9%の12億円

なお、2024年3月期の目標として、売上高3,000億円(うち海外売上高300億円)を掲げています。

 

 最後は横浜冷凍です。

直前期の売上高は、前期比104.0%の1,153億円となりました。

直前期で伸長しましたが、直近3年間は2019決算期の約2割減での推移です。

事業は、次の2つのセグメントに分けられ、他に通関事業、その他事業を営んでいます。

2つのセグメントとも前期を上回っています。

 ▶冷蔵倉庫事業

  直前期の売上高・・・前期比106.2%の300億円

 ▶食品販売事業

  直前期の売上高・・・前期比103.3%の852億円

なお、「ヨコレイ事業ビジョン2030」において、連結売上高1,700億円、2023年度目標1,240億円を掲げています。

 

 

営業利益推移

 

 トップ日本水産です。

直前期の営業利益は、前期比150.4%の271億円となりました。

直前期で大きく伸長し、この4期間での最高値になっています。

セグメントごとの実績は以下のとおりです。

 水産事業

  直前期の営業利益・・・前期比216.0%の127億円

 食品事業

  直前期の営業利益・・・前期比109.9%の154億円

 ファイン事業

  直前期の営業利益・・・前期比169.7%の41億円

 物流事業

  直前期の営業利益・・・前期比92.7%の20億円

 その他

  直前期の営業利益・・・前期比134.3%の10億円

     ※上記合計から、全社経費81億円が控除されます。

なお、長期ビジョン「Good Foods 2030」において、2030年の営業利益目標500億円を掲げ、2024年度計画を320億円としています。

 

 2番手はマルハニチロです。

直前期の営業利益は、前期比147.3%の238億円となりました。

直前期で大きく伸長させており、この4期間での最高値になっています。

セグメントごとの実績は以下のとおりです。

 水産資源事業

  直前期の営業利益・・・前期比194.8%の138億円

 加工事業

  直前期の営業利益・・・前期比103.7%の78億円

 物流事業

  直前期の営業利益・・・前期比53.5%の11億円

 

 続いて極洋です。

直前期の営業利益は、前期比137.3%の64億円となりました。

2期連続で大きく伸長させており、直前期はこの4期間での最高値になっています。

セグメントごとの実績は以下のとおりです。

 水産商事セグメント

  直前期の営業利益・・・前期比167.9%の52億円

 食品セグメント

  直前期の営業利益・・・前期比62.1%の10億円

 鰹・鮪セグメント

  直前期のセグメント利益・・・前期比195.2%の10億円

 物流サービスセグメント

  直前期のセグメント利益・・・前期比59.0%の2億円

なお、2024年3月期の目標として、営業利益70億円を掲げています。

 

 そして横浜冷凍です。

直前期の営業セグメント利益は、前期比166.0%の43億円となりました。

2期連続で低下した後、直前期で大きく挽回しました。

セグメントごとの実績は以下のとおりです。

2つのセグメントともに前期を上回っています。

 ▶冷蔵倉庫事業

  直前期の営業利益・・・前期比107.9%の64億円

 ▶食品販売事業

  直前期の営業利益・・・前期3億円の営業損失に対して、利益13億円

なお、「ヨコレイ事業ビジョン2030」において、連結営業利益100億円、2023年度目標50億円を掲げています。

 

 

総資産推移

 

 最大マルハニチロです。

3期連続での拡大になっています。

 

 2番手は日本水産です。

2021決算期は低下しましたが、直前期はかなり拡大しました。

 

 続いて横浜冷凍です。

この4期間は、1,790億円の水準を維持しています。

 

 そして極洋です。

直近2期で比較的大きく拡大しています。

 

 

従業員数推移

 

 最大なのはマルハニチロです。

直前期はやや減員となっています。

 

 2番手は日本水産です。

毎年2%ほどの増員となっています。

 

 続いて極洋です。

2,2002,300人で推移しており、直前期はやや減員となりました。

 

 そして横浜冷凍です。

2期連続の減員となっています。

 

 

今回の「経営規模」の順位による

比較レーダーチャートは以下のとおりです。

 

 

 

今回は以上です。

 

次回は、収益性の中の「利益創出力」を見ていきましょう。

 

 

 

 

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