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COLUMNSブログ「論語と算盤」

ビール業界-2

2022年5月26日

ビール業界の2回目です。

 

今回は、売上高利益率からみる収益性で「利益創出力」の分析です。

 

 

取り上げる指標は、総資本営業利益率売上高総利益率

売上高営業利益率売上高純利益率となります。

 

なお、各指標についての説明はこちらです。

 

 

総資本営業利益率

〔総資本営業利益率=営業利益÷総資本(負債+純資産)〕

 

 

 サントリートップです。

4社の中で最も安定した推移です。

総資本の増加度合い、前回見た営業利益額の推移、ともに安定的と言えます。

ただし、2018.12期からすると低下傾向になっています。

 

 2番手はアサヒGです。

2020.12期は、総資本が拡大して営業利益が大きく減少したため、この指標が急落しました。

直前期は、特に営業利益の挽回により復元しています。

ただし、まだ2018.12期のレベルには追い付いていません。

 

 3番手はサッポロです。

2020.12期は営業欠損だったので、マイナス値でした。

直前期では、前回触れたように営業利益が大きく伸長し、総資本は負債削減で縮小したため、結果大幅に良化しています。

 

 最後はキリンです。

総資本が微増する中、前回述べたように営業利益が低下したことにより、直前期では4社中で唯一の低下となりました。

 

 

売上高総利益率

〔売上高総利益率(粗利益率)=売上総利益(粗利益)÷売上高〕

 

 

 トップサントリーです。

かなり高水準と映りますが、微妙に逓減しています。

 

 キリン2番手です。

営業利益の低下とは裏腹に、粗利益率は直前期で上昇しています。

 

 アサヒG3番手です。

売上高、営業利益と同様に、2期連続で低下した後、直前期では上昇しました。

 

 サッポロの粗利益率は、この4社の中では低くなっています。

売上高が微増した中、上昇してはいますが、2018.12期とはまだ1ポイント以上の差があります。

 

 

売上高営業利益率

〔売上高営業利益率=営業利益÷売上高〕

 

 

 サントリートップです。

10%以上を維持しており、加えて直前期では上昇しました。

総資本営業利益率は0.2ポイントの上昇でしたが、この指標は0.5ポイントの上昇です。

 

 アサヒGが続きます。

営業利益の復元が力強く、直前期は前年から2.8ポイント上昇させており、2019.12期と同等レベルになっています。

 

 サッポロ3番手です。

直前期は5.0%であり、この4期中で最高値になっています。

やはり、営業利益の挽回が力強く感じます

 

 キリンは、営業利益の低下により、指標も下がりました。

前回解説した実績も含めると、直前3期は営業利益に関する比率が不調です。

 

 

売上高純利益率

〔売上高当期純利益率=親会社の所有者に帰属する当期利益÷売上高〕

 

 アサヒGトップです。

直前期は6.9%と、4期中での最高値にあと一歩というレベルです。

営業利益の挽回が、最終利益も良好にさせたという形です。

今後もこの勢いが期待されます

 

 サントリーが続きます。

安定的と映りますが、推移としては低下傾向です。

 

 キリン3番手ですが、物足りないレベルでしょう。

今後に期待したいところです。

 

 最後はサッポロです。

4社中最下位とはいえ、1.1ポイント、0.8ポイントと、2期連続で比較的大きく上昇させています。

今後も引き続きの上昇が期待されるところです。

 

 

今回、特に気になったのは、

キリンが低利益率の渦中から脱せていない状況です。

 

 

今回は以上です。

 

次回は、「稼ぐ力」を見ていきましょう。

 

 

 

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