電子部品業界の2回目です。
今回は、売上高利益率からみる収益性で「利益創出力」の分析です。
取り上げる指標は、総資本営業利益率、売上高総利益率、
売上高営業利益率、売上高純利益率となります。
なお、各指標についての説明はこちらです。
【総資本営業利益率】
〔総資本営業利益率=営業利益÷総資本(負債+純資産)〕
村田製作所が他を引き離して独走している格好です。
2019決算期以降、10%以上をキープしています。
日本電産は、2018決算期はトップでした。
その後、2期連続で約2ポイントずつ低下しましたが、直前期で反転、2ポイントの上昇となりました。
TDKと京セラは、2019決算期に上昇し、その後2期連続で低下しています。
【売上高総利益率】
〔売上高総利益率(粗利益率)=売上総利益(粗利益)÷売上高〕
村田製作所が、抜きん出たレベルで推移しています。
特に2019決算期以降、高レベルかつ安定的になっています。
2番手はTDKです。
2期連続で上昇させたのち、直前期はほぼ横ばいになっています。
続いて京セラです。
2019決算期で大きく持ち上げましたが、その後は2期連続でほぼ1ポイントずつ低下しています。
日本電産の粗利益率は、他社との比較ではやや低い状態です。
その中でも、直近2期はほぼ1ポイントずつ上昇させてきています。
【売上高営業利益率】
〔売上高営業利益率=営業利益÷売上高〕
こちらの値も村田製作所がトップとなります。
直前期では、概ね、粗利の半分が販管費、残りの半分が営業利益という構成になっています。
2番手は日本電産です。
2期連続で低下していましたが、直前期の営業利益額が前年の1.5倍近くまで増大したため、営業利益率も上昇しました。
続いて、TDKです。
この4社の中では、安定的な推移になっています。
京セラは、直前期に売上高が4.5%ダウンし、その影響もあって営業利益額が3割近く減少したため、この値も比較的大きく低下してしまいました
【売上高純利益率】
〔売上高当期純利益率=親会社の所有者に帰属する当期利益÷売上高〕
村田製作所がトップであり、今回の指標は全てトップです。
最終利益率が14.5%ですから、他の3社と比較してもわかるように、相当に高いレベルです。
2番手は日本電産です。
直前期の挽回が大きく値を上昇させました。
続いて京セラ。
営業利益以上の最終利益を生み出しています。
営業外の収益では金融収益が大きく(直前期457億円)、そのほとんどが㈱KDDIからの配当金(直前期では402億円)です。
TDKは4番目となりました。
直前期では上昇させていますので、今後に期待が持てそうです。
今回、特に気になったのは、村田製作所の利益率の高さでした。
今回は以上です。
次回は、「稼ぐ力」を見ていきましょう。
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