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COLUMNSブログ「論語と算盤」

電子部品業界-3

2022年4月4日

電子部品業界の3回目です。

 

今回は、「稼ぐ力」の分析です。

 

 

取り上げる指標は、EBITDAEBITDAマージンROEとなります。

 

なお、各指標についての説明はこちらです。

 

 

EBITDA

〔EBITDA=営業利益+償却費〕

 

 

 村田製作所ダントツでトップです。

また、3期連続の伸長であり、伸び率(グラフの傾きの急さ)も大きくなっており、力強さが表れていると言えます。

なお、直前期の設備投資額は1,967億円となっています。

 

 続いては日本電産です。

EBITDAの構成表を見ると、営業利益の増大が大きく貢献し、直前期から増大しました。

この4期間では最大値となっています。

直前期の設備投資額は889億円となっています。

 

 TDKが僅差で続いています。

営業利益の増額もさることながら、償却費の額も大きくなっています

3期連続の伸長であり、積極的な設備投資と合わせ、今後に期待を感じます。

直前期の設備投資額は2,124億円と、4社中最大規模です。

 

 京セラは、直前期で減少しました。

ここでも営業利益の減少が主因です。

直前期の設備投資額は、前年より10%以上増額しており、1,171億円となっています。

 

 

EBITDAマージン

〔EBITDAマージン=EBITDA÷売上高〕

 

 

 村田製作所独走状態であり、3期連続で伸長させています。

 

 2番手はTDKであり、やはり3期連続の伸長です。

 

 日本電産直前期に急上昇しており、復活の気配が感じられます。

 

 京セラは、直前期における売上高と利益の減少が、

この指標も含め収益性の各指標を下押しする格好になっています。

 

 

ROE

    〔ROE=親会社株主に帰属する当期純利益

        ÷{純資産-(新株予約権+非支配株主持分)}〕

 

(各社のROEと必ずしも計算式が合致しておらず、値が相違するケースがあります。)

 

 村田製作所がトップです。

4期とも10%以上となっており、充分と言えるでしょう。

ただし、直前期で盛り返した形であるものの、2019決算期レベルまでは回復できていません

各種指標が順調に伸長する中、ROEはやや足踏み状態と映ります。

 

 続いて日本電産です。

直前期で急上昇させ、トップにかなり肉薄しました。

これまでの指標から、直前期の挽回力が、今後の攻勢に繋がりそうな気配が感じられます。

 

 次にTDKで、グラフの変動がトップの村田製作所と似ています。

当社は、中期3ヶ年計画で、最終年度の2024決算期のROEを14%以上にできる体質にすることをめざしているとのことです。

 

 最後は京セラです。

安定的とも捉えられますが、決して高いレベルではありません

昨今、市場では10%以上が望ましいと言われており、やや乖離しています。

当社は、ROEを重要な指標と捉えて向上に取り組んでいるとのことであり、今後の挽回に期待したいところです。

 

 

今回、特に気になったのは、

TDKのEBITDAの内訳に見る積極的な投資状況でした。

 

今後の展開に奏功することが期待されます。

 

 

今回は以上です。

 

次回は、「資本活用力」を見ていきましょう。

 

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