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COLUMNSブログ「論語と算盤」

電子部品業界-1

2022年3月28日

今回から電子部品業界を取り上げます。

 

取り上げる会社は次の4社です。

 

             株式会社村田製作所

             日本電産株式会社

             京セラ株式会社

             TDK株式会社      4社とも3月決算です。

 

 

1回の今回は「成長力」を確認します。

 

取り上げる実績値は、売上高推移営業利益推移

総資産推移従業員数推移です。

 

 

売上高推移

 

 

 2021決算期におけるトップは村田製作所です。

セグメント別で見ると、コンポーネントセグメントの売上高が、前年比で7.0%増加しています。

その中では、積層セラミックコンデンサを含むコンデンサの売上高が前年比12.0%増加した点が大きく貢献しているようです。

また、PC及び関連機器、スマホやカーエレクトロニクス向けなどの需要が増加したとのことです。

二つ目はモジュールセグメントであり、前年比1.1%増加です。

こちらは、高周波モジュールがスマホ向けで増加し、コネクティビティモジュールがPC向けで増加したとのことです。

 

 2番手は日本電産です。

4社中で唯一、3期連続の増収です。

最大の売上構成比であるACIMセグメント(家電・商業・産業用製品)の売上高が、前年比8.8%増加しています。

続くSPMSセグメントHHD用モータおよびその他小型モータ)は5.6%増加です。

AMECセグメント(車載用製品)は4.9%の減少とのこと。

その他を含むと全8セグメントあり、ひとまずここまでとしておきます。

 

 3番目は京セラです。

2020決算期まではトップでしたが、2期連続で減少し、3位に後退しました。

また、直前期に減少したのは京セラのみとなっています。

セグメント別のベスト5を順に見ると、売上構成比が最大の産業・自動車用部品セグメントの売上高は5.3%増加しています。

しかし、続くドキュメントソリューションセグメント12.1%減少電子デバイスセグメント5.8%減少半導体セグメントは6.6%増加しましたが、コミュニケーションセグメントが14.1%の減少となっています。

 

 TDK4番手であり、直前期の売上高伸び率が最大です。

セグメント別では、最大の売上構成比であるエナジー応用製品セグメントが前期比で23.8%増加したことが大きいと言えます。

続く磁気応用製品セグメントは9.3%の減少でしたが、センサ応用製品セグメントは4.4%の増加受動部品セグメントは3.0%の増加となっています。

 

 

営業利益推移

 

 

 

 村田製作所ダントツでトップです。

2位の2倍近くの金額となっています。

営業利益率を重要な経営指標の一つとして捉えているということで、相当に意識されているとうかがえます。

セグメント別では、コンポーネントセグメントの事業利益は前年比で25.4%増加とのことです。

モジュールセグメントについても、事業利益が9.8%増加したとのことです。

(事業利益とは、売上高から事業に直接帰属する費用を控除した利益とのこと。)

 

 2番手は日本電産です。

3期連続増収の売上高ですが、営業利益は2期連続で低下したのち、直前期で盛り返した格好です。

直近の伸び率をセグメント別で見ると、最大の売上構成比であるACIMセグメントの営業利益は81.8%増加続くSPMSセグメントは40.4%増加AMECセグメントは営業欠損となりましたが、上位2セグメントで大きく拡大させています。

 

 続いてTDKです。

最大の売上構成比であるエナジー応用製品セグメントのセグメント利益が、前期比で18.7%増加しました。

続く、磁気応用製品セグメントとセンサ応用製品セグメントは、ともにセグメント損失となりました。

そして、受動部品セグメントのセグメント利益は2.9%の増加とのことです。

 

 そして京セラです。

2期連続で拡大させましたが、直前期で落としています

セグメント別の利益については、税引前利益での記載であり、それによると、最大売上構成比の産業・自動車用部品セグメントの税引前利益は14.7%の増加となっています。

続くドキュメントソリューションセグメント、電子デバイスセグメント、半導体セグメント、以上の3セグメントは減少となりました。

コミュニケーションセグメントは29.6%の増加となっています。

 

 

総資産推移

 

 

 京セラトップです。

 

村田製作所TDK日本電産という順であり、4社とも拡大傾向です。

 

資本と資産、それぞれの中身については、今後見て行くこととしましょう。

 

 

従業員数推移

 

 

 

 TDK最大人員となっています。

そして、2番目が日本電産です。

上記2社は10万人を超えています

 

 3番目の京セラと、4番目の村田製作所は、ともに7万人台です。

 

 今後の指標で、4社がこの構成で2グループに分かれる場面が所々出てきます

ただし、従業員数が影響しているわけではありません。

興味深いと言えば、そうなのかもしれません。

 

 

今回は以上です。

 

次回は、収益性の中の「利益創出力」を見ていきましょう。

 

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