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COLUMNSブログ「論語と算盤」

財務分析(サイゼリア-2)

2021年8月12日

サイゼリアの2回目です。

 

今回は、貸借対照表で財政状態を見ていきます。

 

 まず、直近3期における流動/固定資産、流動/固定負債、純資産の動きを次の図表で示します。

 

 

 【流動資産】

  直近の2020.08期は、2018.08期対比で、15%のアップです。

  増加要因については、後述します。

 

 【固定資産】

  直近の2020.08期は、2018.08期対比で、3%ダウンです。

  売上高が伸び悩む中、一定の新規出店を行っているようですが、

設備投資金額としてはやや抑え気味と感じられます。

 

 【流動負債】

  前述の期間において、1.6倍ほどになりました。

  直前期まで有利子負債が無かったのですが、

今回、短期借入金で100億円調達したためです。

 

 【固定負債】

  2018.08期対比で1.2倍になっています。

  固定負債の内訳では、資産除去債務という科目が85分を占めています。

  新規出店とともに増額になっており、固定負債増加の主要因です。

  この科目は、テナントで入った賃貸物件における、

将来退店する際の原状回復費用です。

 

 【純資産】

  7%ダウンであり、約58億円の減少となりました。

  これは当期純損失がマイナスの内部留保として、

繰越利益剰余金に算入された結果です。

 

 

 以上の推移の中で、最も気になるのは流動資産の増加であり、内訳の各科目の動向です。

主たるものを図表でまとめました。

 

 

 ・現金及び預金は、前年比で4ポイント、実額で10億円ほど減少しました。

  借入金による外部からの資金調達を行ったのですが、

結果的には減少しました。

 

 ・棚卸資産増加しています。

  2018.08期比で4%、実額で2億円強の増加であり、

2019.08期比では14%の増加、実額で7億円強の増加です。

 

  全体の金額から見ると少額と言えますが、売上高が低下しているため、

棚卸資産回転期間は、18.0日→16.5日→23.5日と悪化しています。

 

マネジメント層にとっても気がかりな点ではないかと思われます。

 

 ・その他流動資産急増しました。

  内訳では、「その他」が2.6倍強となっています。

  (2019.08期:1,010百万円 → 2020.08期:2,729百万円

⇒ 1719百万円の増加)

 

  「その他」は、単体と連結の両決算書の注記に記述がありません。

  何とも言えませんが、他企業と同様に考えた場合、

関係会社への貸付金と想定されます。

 

  グループ会社だから安心とは言い切れませんし、

現預金を減少させる一要因ですので、早期に回収したいものです。

 

 

コロナの影響で収益性が弱まり、それが財政状態にも表れてきています。

 

 前回述べませんでしたが、労務費をはじめ固定費の削減が行われています。

 これらの経営努力が早めに実を結んでほしいのですが、

現状ではコロナの影響がいつまで続くか全く予想できません。

 

 

いつまで耐え忍べば良いのか。

厳しい状況は、まだ続くようです。

 

 

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