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COLUMNSブログ「論語と算盤」

電子部品業界-4

2023年12月14日

業界売上高トップ4

有価証券報告書 財務分析

 

<電子部品業界・・・第4回>

 

 

4回分析テーマ・・・資本活用力

分析指標値:総資本回転率  

      売上債権回収日数

      棚卸資産回転日数

  流動比率

    自己資本比率

 

(各指標の説明はこちら

 

 

総資本回転率

〔総資本回転率=売上高÷総資本〕

 

 トップニデックです。

過去3期は横ばいという状況でした。

これは、売上高にふさわしい資本の規模を維持しているとも取れます。

そして直近では上昇しており、資本の効率的活用がさらに進んだと言えます。

 

 2番手はTDKです。

2021期と2022.03期に低下しましたが、直近では上昇し、2020.03期レベルに戻しています。

 

 続いて村田製作所です。

僅かですが3期連続の低下となっています。

総資本の伸びに売上高が追いついておらず、特に直近は売上高が前年割れだったことから、比較的大きく低下しました。

 

 そして京セラです。

直近2期連続で上昇し、2020.03期と同レベルにまで戻りました。

 

 

売上債権回収日数

〔売上債権回収日数=売上債権残高÷日商(売上高÷365)〕

 

 最短村田製作所です。

直近2期連続で短縮しており、特に直近の短縮度合いは大きくなっています。

 

 2番手は京セラです。

2期連続で短縮しており、月商2ヵ月分レベルに近づいています。

 

 続いてTDKです。

直近2期連続で短縮していますが、2020.03期のレベルには至っていません。

 

 そしてニデックです。

過去2期連続で長期化し、直近では短縮となっています。

 

 

棚卸資産回転日数

〔棚卸資産回転日数=棚卸資産残高÷日商(売上高÷365)〕

 

 最短TDKです。

過去2期連増で比較的大きく長期化していましたが、直近では短縮化しました。

なお、直近の売上債権回収日数との合計日数は165.6日であり、4社の中では最短です。

在庫を保有する日数と、売上債権を現金で回収するまでの日数、両者の合計が短いほどキャッシュフローに好影響を与えます。

 

 2番手はニデックです。

当社も過去2期連続で長期化していましたが、直近で短縮化しました。

なお、直近の売上債権回収日数との合計日数は181.0日と、月商6ヵ月分、半期分という状況です。

 

 続いて京セラです。

3期連続の長期化です。

直近の売上債権回収日数との合計日数は165.9日となっています。

 

 そして村田製作所です。

当社も3期連続の長期化であり、特に直近はその度合いが大きくなっています。

月商で4ヶ月分強というレベルになっています。

なお、直近の売上債権回収日数との合計日数は183.5日であり、4社の中では最も長期です。

 

 

流動比率

〔流動比率=流動資産÷流動負債〕

 

 トップ村田製作所です。

3期連続の上昇であり、極めて高いレベルになっています。

ただし、流動資産の4割強が棚卸資産となっています。

また、現金及び預金は2割強であり、前年比で86.0%と減少しています。

 

 2番手は京セラです。

過去2期連続で低下傾向でしたが、直近では上昇しました。

当社も在庫が多く、流動資産のちょうど4割ほどになっています。

現金及び同等物は流動資産の3割弱、前年比で90.2%と減少しました。

 

 続いてTDKです。

直近2期連続で上昇しています。

流動資産中、現金及び同等物は前年より増えて31.5%、売上債権は34.0%、棚卸資産は27.6%となっています。

 

 そしてニデックです。

上昇と下降が交互に表れています。

流動資産中の営業債権等が42.8%と大きくなっています。

現金及び同等物は前年比93.2%と減少し、流動資産の13.4%程度と、相対的に少なめです。

棚卸資産は37.5%となっています。

 

 

自己資本比率

〔自己資本比率=自己資本÷総資本〕

 

 トップ村田製作所です。

3期連続、一本調子で上昇しています。

 

 2番手は京セラです。

70%台前半で安定的に推移しています。

 

 続いてニデックです。

40%台後半での推移です。

 

 そしてTDKです。

40%台ですが、直近2期連続で上昇してきています。

 

 

今回気になったのは

各社各様の結果になったこと

そして流動資産のマネジメントが

安定的ではない様子

うかがえたことです。

 

 

今回の「資本活用力」の順位による

比較レーダーチャートは以下のとおりです。

 

 

 

今回は以上です。

 

 

次回は「資金力」を見ていきましょう。

 

 

 

 

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