業界売上高トップ4
有価証券報告書 財務分析
<電子部品業界・・・第1回>
ニデック 株式会社 (3月決算)
TDK 株式会社 (3月決算)
京セラ 株式会社 (3月決算)
株式会社 村田製作所(3月決算)
第1回分析テーマ・・・経営規模
分析実績値:売上高推移
営業利益推移
総資産推移
従業員数推移
【売上高推移】
トップはニデックです。
直前期の売上高は、前期比116.9%の2兆2,428億円となりました。
3期連続での増大です。
事業は次の9つのセグメントとその他に分けられています。
▶ SPMS:HDD用モータ及びその他小型モータ
直前期の売上高・・・前期比99.7%の342,690億円
▶ AMEC:車載用製品
直前期の売上高・・・前期比134.1%の305,143億円
▶ MOEN:家電・商業・産業用製品
直前期の売上高・・・前期比123.4%の396,221億円
▶ ACIM:家電・商業・産業用製品
直前期の売上高・・・前期比111.0%の437,402億円
▶ 日本電産サンキョー:機器装置、車載用製品、 電子部品及びその他小型モータ
直前期の売上高・・・前期比111.1%の165,891億円
▶ 日本電産テクノモータ:家電・商業・産業用製品
直前期の売上高・・・前期比109.7%の97,551億円
▶ 日本電産モビリティ:車載用製品
直前期の売上高・・・前期比121.2%の120,168億円
▶ 日本電産シンポ:機器装置
直前期の売上高・・・前期比151.1%の177,114億円
▶ 日本電産リード:機器装置
直前期の売上高・・・前期比116.5%の60,836億円
▶ その他:車載用製品、機器装置、電子部品 及びその他小型モータ、その他
直前期の売上高・・・前期比107.5%の218,447億円
なお、2025年度をターゲットとする中期戦略目標(Vision2025)における連結売上高目標として、4兆円を掲げています。
2番手はTDKです。
直前期の売上高は、前期比114.7%の2兆1,808億円となりました。
当社も3期連続の増大です。
事業は次の4つのセグメントとその他に分けられています。
▶ 受動部品:セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、 フィルムコンデンサ等
直前期の売上高・・・前期比113.4%の575,939億円
▶ センサ応用製品:温度・圧力センサ、磁気センサ、MEMSセンサ
直前期の売上高・・・前期比129.7%の169,543億円
▶ 磁気応用製品:HDD用ヘッド、HDD用サスペンション、 マグネット
直前期の売上高・・・前期比80.7%の200,573億円
▶ エナジー応用製品:エナジーデバイス(二次電池)、電源
直前期の売上高・・・前期比121.5%の1,173,355億円
▶ その他:メカトロニクス(製造設備)等
直前期の売上高・・・前期比123.5%の61,407億円
続いて京セラです。
直前期の売上高は、前期比110.1%の2兆253億円となりました。
2021.03期は4社中で唯一減少しましたが、その後2期連続で増大しています。
事業は次の3つのセグメントに分けられています。
全セグメントで前期を上回っています。
▶ コアコンポーネント:半導体製造装置用部品等の各種ファインセラミック部品等
直前期の売上高・・・前期比112.2%の5,924億円
▶ 電子部品:コンデンサや水晶部品、コネクタ、パワー半導体等の各種電子部品やデバイス等
直前期の売上高・・・前期比111.6%の3,785億円
▶ ソリューション:切削工具、空圧・電動工具、オフィス用プリンター、複合機等
直前期の売上高・・・前期比108.6%の1兆686億円
なお、中期経営計画の2026年3月期目標として、売上高2兆5,000億円を掲げています。
最後は村田製作所です。
直前期の売上高は、前期比93.1%の1兆6,868億円となりました。
過去2期連続で増大していましたが、直前期は4社中における唯一の減少となりました。
事業は、その他を含む次の3つのセグメントに分けられています。
▶ コンポーネント:コンデンサ、インダクタ、EMI除去フィルタなど
直前期の売上高・・・前期比92.6%の9,244億円
▶ デバイス・モジュール:高周波モ ジュール、表面波フィルタ、リチウムイオン二次電池など
直前期の売上高・・・前期比93.4%の7,610億円
▶ その他:ヘルスケア機器、ソリューション ビジネスなど
直前期の売上高・・・前期比104.8%の746億円
なお、長期構想「Vision2030」の中の「中期方針2024」において、2025年度の売上高目標として2兆円を掲げています。
【営業利益推移】
トップは村田製作所です。
直前期の営業利益は、前期比70.2%の2,979億円となりました。
売上高と同様に、過去2期連続で大きく伸ばしていましたが、直前期で大きく減少しています。
セグメントごとの実績は以下のとおりです。
▶ コンポーネント:コンデンサ、インダクタ、EMI除去フィルタなど
直前期の営業利益・・・前期比78.8%の2,801億円
▶ デバイス・モジュール:高周波モ ジュール、表面波フィルタ、リチウムイオン二次電池など
直前期の営業利益・・・前期比29.5%の206億円
▶ その他:ヘルスケア機器、ソリューション ビジネスなど
直前期の営業利益・・・前期損失12億円に対して、損失28億円
2番手はTDKです。
直前期の営業利益は、前期比101.2%の1,688億円となりました。
3期連続での増大です。
セグメントごとの実績は以下のとおりであり、表記はセグメント利益となっています。
▶ 受動部品:セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、 フィルムコンデンサ等
直前期のセグメント利益・・・前期比124.4%の955億円
▶ センサ応用製品:温度・圧力センサ、磁気センサ、MEMSセンサ
直前期のセグメント利益・・・前期3億円の損失に対して、利益107億円
▶ 磁気応用製品:HDD用ヘッド、HDD用サスペンション、 マグネット
直前期のセグメント利益・・・前期45億円の利益に対して、損失564億円
▶ エナジー応用製品:エナジーデバイス(二次電池)、電源
直前期のセグメント利益・・・前期比119.6%の1,474億円
▶ その他:メカトロニクス(製造設備)等
直前期のセグメント利益・・・前期14億円の損失に対して、損失4億円
続いて京セラです。
直前期の営業利益は、前期比86.3%の1,285億円となりました。
2022.03期で大きく伸ばしましたが、直前期では減少しました。
セグメントごとの実績は以下のとおりであり、事業利益での表記となっています。
▶ コアコンポーネント:半導体製造装置用部品等の各種ファインセラミック部品等
直前期の事業利益・・・前期比145.2%の895億円
▶ 電子部品:コンデンサや水晶部品、コネクタ、パワー半導体等の各種電子部品やデバイス等
直前期の事業利益・・・前期比92.0%の441億円
▶ ソリューション:切削工具、空圧・電動工具、オフィス用プリンター、複合機等
直前期の事業利益・・・前期比61.5%の422億円
そしてニデックです。
直前期の営業利益は、前期比58.4%の1,001億円となりました。
2期連続で増大していましたが、直前期で大きく低下しています。
セグメントごとの実績は以下のとおりです。
▶ SPMS:HDD用モータ及びその他小型モータ
直前期の営業利益・・・前期比49.7%の171億円
▶ AMEC:車載用製品
直前期の営業利益・・・前期比△504.9%の△647億円
▶ MOEN:家電・商業・産業用製品
直前期の営業利益・・・前期比116.2%の386億円
▶ ACIM:家電・商業・産業用製品
直前期の営業利益・・・前期比63.9%の213億円
▶ 日本電産サンキョー:機器装置、車載用製品、 電子部品及びその他小型モータ
直前期の営業利益・・・前期比142.9%の180億円
▶ 日本電産テクノモータ:家電・商業・産業用製品
直前期の営業利益・・・前期比92.5%の107億円
▶ 日本電産モビリティ:車載用製品
直前期の営業利益・・・前期比111.0%の114億円
▶ 日本電産シンポ:機器装置
直前期の営業利益・・・前期比104.8%の191億円
▶ 日本電産リード:機器装置
直前期の営業利益・・・前期比110.9%の161億円
▶ その他:車載用製品、機器装置、電子部品 及びその他小型モータ、その他
直前期の営業利益・・・前期比95.9%の274億円
【総資産推移】
最大は京セラです。
3期連続の拡大です。
2番手はTDKです。
当社も3期連続の拡大です。
続いて村田製作所です。
当社も3期連続の拡大です。
そして僅差でニデックです。
当社も3期連続の拡大であり、直近の伸び率は4社中で最大となっています。
【従業員数推移】
最大なのはニデックです。
直前期は減員となっており、減少傾向にあるようです。
2番手はTDKです。
2期連続の減員であり、2021.03期から比較的大きく減少しています。
続いて京セラです。
過去2期連続で増員していましたが、直近は減少というか概ね横ばいという推移です。
そして村田製作所です。
当社も過去2期増員の後、直近では減少しています。
⦿ 今回驚いたのは、売上高トップのニデックが営業利益では最下位の4位に沈む一方、売上高を唯一落して最下位になった村田製作所が、営業利益では他の3社を寄せ付けないほどの規模を維持していることです。
⦿ また、京セラは総資産で圧倒的な規模を誇り、TDKは4項目全てで2番手となる安定感。
今後の各指標の分析結果にも
各社の特性が現れてくるでしょう。
今回の「経営規模」の順位による
比較レーダーチャートは以下のとおりです。
今回は以上です。
次回は「利益創出力」を見ていきましょう。
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