株式会社オリエンタルランドの最終回です。
株式会社オリエンタルランド単体決算のキャッシュフローを確認します。
有価証券報告書には、連結のCF計算書は掲載されていますが、単体はありません。
よって、自作したものを明示します(間接法)。
まずは、営業CFです。
当期純利益が△372億26百万円ですが、減価償却費が333億71百万円であるため、ある程度カバーした格好です。両者を加算した「簡易CF」は、△38億55百万円となります。
ただし、以前述べたように、売掛金・在庫・他流動資産が増加したため、その分がキャッシュ・アウトに上積みされます。
さらに負債項目についても、個別にはプラス・マイナスがあるものの、全体としては減少しており、キャッシュ・アウト額を広げています。
合計すると、営業CFは△285億61百万円となりました。
続いて、投資CFとフリーキャッシュフローです。
投資に対しては積極的です。前回の「財務分析:OLC-3」で述べた様に、有形固定資産を中心に、今後の事業拡大に向けて900億円超が投じられています。(減価償却対象資産と建設仮勘定の合計)
そして、それ以外の有価証券や関係会社株式なども増えているため、キャッシュ・アウト額は拡大しました。
投資CFは、△1,273億92百万円と、かなり大きなマイナスとなりました。
以上から、営業CFと投資CFを加算したFCFは、△1,559億53百万円です。
そして最後に、財務CF、および当期のキャッシュ変動です。
従来、運転資金も投資資金も自己資金で賄ってきましたが、今回は社債で資金調達しています。
配当金で114億70百万円の支出がありましたが、財務CFの合計は912億12百万円となりました。
結果として、当期のキャッシュ増減額は△647億41百万円となり、
期首の現預金残高2,566億02百万円が、期末には1,918億61百万円となりました。
前回述べた様に、これでも実質無借金経営の状況であり、差し迫った不安はないと言えるでしょう。
ただし、2021年度も上半期の収益は期待できません。
コロナ禍を乗り切れば業績の向上が期待できるでしょうが、それは2022年度となりそうです。
株式会社オリエンタルランドグループは、
「自由でみずみずしい発想を原動力に
すばらしい夢と感動 ひととしての喜び そしてやすらぎを提供する」
を企業使命とされています。
私はTDRに頻繁には行っていませんが、妻と子供の家族連れで何回か行きました。
その楽しい思い出は、今でも心にはっきり残っています。
ふたたび、夢と感動の空間で、思い切り楽しめる日を心待ちにしています!
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