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COLUMNSブログ「論語と算盤」

オフィス家具業界-5

2023年11月27日

業界売上高トップ4

有価証券報告書 財務分析

 

<オフィス家具業界・・・第5回>

 

 

5回分析テーマ・・・資金力

分析指標値:      

手元資金推移  

手元流動性比率 

     手元資金有利子負債カバー率

  総資本営業CF比率

  売上高営業CF比率

(各指標の説明はこちら

 

 

手元資金推移

〔手元資金=現金預金+有価証券(短期保有目的)〕

 

 最大コクヨです。

4社の中では断トツと言えるボリュームです。

2期連続で増大していましたが、直近では若干減少しています。

 

 2番手はオカムラです。

2期連続で減少しており、直近2期はともに400億円を下回るレベルでの推移となっています。

 

 続いて内田洋行です。

当社も2期連続の減少となっています。

 

 そしてイトーキです。

4社中で唯一、直近で増大しています。

またその度合いについてもかなり大きくなっています。

 

 

手元流動性比率

〔手元流動性比率=(現金・預金+有価証券)÷(年商÷365)〕

 

 トップコクヨです。

3期連続の上昇です。

直近では、月商の4ヶ月分程度にまで高まってきています。

 

 2番手はイトーキです。

直近で大きく上昇しました。

過去3期は月商の2ヵ月分弱での推移でしたが、直近は3ヶ月分に迫る勢いです。

 

 続いてオカムラです。

2期連続の低下です。

2020年度の月商2ヵ月分強のレベルから、徐々に遠ざかっています。

 

 そして内田洋行です。

2期連続の低下です。

直近では、月商の1.5ヶ月分程度となりました。

 

 

手元資金有利子負債カバー率

〔手元資金有利子負債カバー率=(現金・預金+有価証券)÷有利子負債〕

 

 トップ内田洋行です。

4社中、有利子負債が最も少なくなっています。

 

 2番手はコクヨです。

当社も有利子負債は4社中2番目に少ない状況です。

 

 続いてオカムラです。

4期を通じて、実質無借金経営の状況を安定的に維持しています。

 

 そしてイトーキです。

2021年度までは4社中唯一実質無借金経営ではなかったのですが、直近で仲間入りとなりました。

 

 

総資本営業CF比率

〔総資本営業CF比率=営業CF÷総資本〕

 

 トップ内田洋行です。

直近は大きく上昇しており、2021年度のマイナス値から挽回した格好です。

1回で紹介した総資産(=総資本)の推移がやや上下していましたが、営業CFの動向はそれ以上に不安定になっています。

よって、グラフがかなり大胆に上下しています。

 

 2番手はオカムラです。

直前期で上昇しています。

ただし、当社もグラフが上下しています。

総資本は安定的に拡大していますが、営業CFは年度によって変動しています。

 

 続いてイトーキです。

直近で上昇し、4期中での最大値となりました。

総資本、営業CFともに年度ごとに変動が見られます。

 

 そしてコクヨです。

過去2期連続で上昇していましたが、直近では4社中で唯一の低下となりました。

その低下度合いも比較的大きくなっています。

主因は営業CFであり、2021年度比で44.0%と、大きく下げてしまいました。

 

 

売上高営業CF比率

〔売上高営業CF比率=営業CF÷売上高〕

 

 トップオカムラです。

先ほどの総資本の比率では2番目、この売上高の比率ではトップであり、直近は総じて営業CFの創出度合いが強まっています。

 

 2番手はイトーキです。

直前期で上昇し、比率自体のレベルも良好です。

 

 続いてコクヨです。

総資本の比率と同様に、営業CFの縮小によって大きく低下しています。

 

 そして内田洋行です。

2021年度のマイナス域から大きく挽回していますが、20192020年度に比べると未だ低めと言えます。

 

 

今回感じたのは、4社とも今回の各指標を気にしていないと察せられる点です。

ただしこれは、他の業界でも少なからず感じられる傾向です。

 

PL上の利益に注力し、資金効率の向上や安定的な営業CF創出力の強化という側面、つまりファイナンスの側面に対するマネジメントが高まっていない様子です。

 

 

今回の「資金力」の順位による

比較レーダーチャートは以下のとおりです。

 

 

 

今回は以上です。

次回は、「投資力」を見ていきましょう。

 

 

 

 

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