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COLUMNSブログ「論語と算盤」

自動車業界-4

2023年9月1日

業界売上高トップ4

有価証券報告書 財務分析

 

<自動車業界・・・第4回>

 

 

4回分析テーマ・・・資本活用力

分析指標値:総資本回転率   

        売上債権回収日数

        棚卸資産回転日数

    流動比率

      自己資本比率

 

(各指標の説明はこちら

 

 

総資本回転率

〔総資本回転率=売上高÷総資本〕

 

 トップスズキです。

2期連続で上昇しており、他の3社と一線を画す高いレベルです。

資本活用が効率的と言えます。

 

 2番手はホンダです。

2期連続の上昇となっています。

 

 続いて日産です。

当社も2期連続の上昇です。

 

 そしてトヨタです。

世界トップの業績を上げ続けるためには、資産の拡大は必然となるのでしょう。

 

 

売上債権回収日数

〔売上債権回収日数=売上債権残高÷日商(売上高÷365)〕

 

 最短スズキです。

2期連続で短縮化しており、直近では月商1ヵ月分強のレベルになっています。

 

 2番手はホンダです。

2期連続で短縮化させています。

直近では月商2ヵ月分強となっています。

 

 続いてトヨタです。

2期連続で短縮化していますが、直近でも4ヶ月分弱という回収日数です。

 

 そして日産です。

2期連続で短縮化しています。

ただし、直近でも月商8ヵ月分と、相当に時間のかかる構造です。

 

 

棚卸資産回転日数

〔棚卸資産回転日数=棚卸資産残高÷日商(売上高÷365)〕

 

 最短スズキです。

4期を通じて、概ね40日弱というレベルでの推移です。

 

 2番手はトヨタです。

サプライチェーン分断リスクへの対応のために、在庫をある程度保有する方向になっていましたが、直近では減少させました。

当面、40日前後が妥当なレベルという判断なのかもしれません。

 

 続いてホンダです。

過去2期連続で増加させていましたが、直近では減少しました。

当社も、40日台の半ば程度が適切という判断なのかもしれません。

 

 そして日産です。

過去2期連続で大きく増加しましたが、直近では減少しています。

 

 

流動比率

〔流動比率=流動資産÷流動負債〕

 

 トップ日産です。

3期連続で上昇しています。

直近の流動資産の明細では、在庫の伸び率が最も高く、続いて現金及び預金となっています。

 

 2番手はスズキです。

2022期で急上昇した後、直近では急落しました。

流動資産が微増する中、短期の有利子負債が増えたことが要因です。

 

 続いてホンダです。

2期連続で上昇した後、直近で微減しました。

短期の有利子負債はあまり増えておらず、流動負債全体が膨らみました。

 

 そしてトヨタです。

3期連続で少しずつ上昇してきています。

流動負債の増加度合いよりも、若干ですが流動資産の増加度合いを大きくしています。

直近の流動資産で最も大きい伸び率は、現金及び現金同等物です。

 

 

自己資本比率

〔自己資本比率=自己資本÷総資本〕

 

 トップスズキです。

2期連続の上昇であり、概ね40%台中盤での推移となっています。

 

 2番手は僅差でホンダです。

3期連続で、概ね2ポイント程度ずつ上昇してきています。

 

 続いてトヨタです。

4期を通じて、38%前後での推移となっています。

 

 そして日産です。

3期連続の上昇であり、直近では30%近くまで高まりました。

 

 

今回、特に気になったのは、

スズキ圧倒的な資本効率の良さでした。

 

 

今回の「資本活用力」の順位による

比較レーダーチャートは以下のとおりです。

 

 

 

今回は以上です。

 

次回は、「資金力」を見ていきましょう。

 

 

 

 

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