業界売上高トップ4
有価証券報告書 財務分析
<自動車業界・・・第4回>
第4回分析テーマ・・・資本活用力
分析指標値:総資本回転率
売上債権回収日数
棚卸資産回転日数
流動比率
自己資本比率
(各指標の説明はこちら)
【総資本回転率】
〔総資本回転率=売上高÷総資本〕
トップはスズキです。
2期連続で上昇しており、他の3社と一線を画す高いレベルです。
資本活用が効率的と言えます。
2番手はホンダです。
2期連続の上昇となっています。
続いて日産です。
当社も2期連続の上昇です。
そしてトヨタです。
世界トップの業績を上げ続けるためには、資産の拡大は必然となるのでしょう。
【売上債権回収日数】
〔売上債権回収日数=売上債権残高÷日商(売上高÷365)〕
最短はスズキです。
2期連続で短縮化しており、直近では月商1ヵ月分強のレベルになっています。
2番手はホンダです。
2期連続で短縮化させています。
直近では月商2ヵ月分強となっています。
続いてトヨタです。
2期連続で短縮化していますが、直近でも4ヶ月分弱という回収日数です。
そして日産です。
2期連続で短縮化しています。
ただし、直近でも月商8ヵ月分と、相当に時間のかかる構造です。
【棚卸資産回転日数】
〔棚卸資産回転日数=棚卸資産残高÷日商(売上高÷365)〕
最短はスズキです。
4期を通じて、概ね40日弱というレベルでの推移です。
2番手はトヨタです。
サプライチェーン分断リスクへの対応のために、在庫をある程度保有する方向になっていましたが、直近では減少させました。
当面、40日前後が妥当なレベルという判断なのかもしれません。
続いてホンダです。
過去2期連続で増加させていましたが、直近では減少しました。
当社も、40日台の半ば程度が適切という判断なのかもしれません。
そして日産です。
過去2期連続で大きく増加しましたが、直近では減少しています。
【流動比率】
〔流動比率=流動資産÷流動負債〕
トップは日産です。
3期連続で上昇しています。
直近の流動資産の明細では、在庫の伸び率が最も高く、続いて現金及び預金となっています。
2番手はスズキです。
2022期で急上昇した後、直近では急落しました。
流動資産が微増する中、短期の有利子負債が増えたことが要因です。
続いてホンダです。
2期連続で上昇した後、直近で微減しました。
短期の有利子負債はあまり増えておらず、流動負債全体が膨らみました。
そしてトヨタです。
3期連続で少しずつ上昇してきています。
流動負債の増加度合いよりも、若干ですが流動資産の増加度合いを大きくしています。
直近の流動資産で最も大きい伸び率は、現金及び現金同等物です。
【自己資本比率】
〔自己資本比率=自己資本÷総資本〕
トップはスズキです。
2期連続の上昇であり、概ね40%台中盤での推移となっています。
2番手は僅差でホンダです。
3期連続で、概ね2ポイント程度ずつ上昇してきています。
続いてトヨタです。
4期を通じて、38%前後での推移となっています。
そして日産です。
3期連続の上昇であり、直近では30%近くまで高まりました。
今回、特に気になったのは、
スズキの圧倒的な資本効率の良さでした。
今回の「資本活用力」の順位による
比較レーダーチャートは以下のとおりです。
今回は以上です。
次回は、「資金力」を見ていきましょう。
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