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COLUMNSブログ「論語と算盤」

建設業界-6

2023年7月20日

業界売上高トップ4

有価証券報告書 財務分析

 

<建設業界・・・第6回>

~最終回~

 

 

6回分析テーマ・・・投資力

分析指標値:       

  営業CF対投資CF比率

    各社別の営業/投資CF推移

ROIC     

WACC      

 

(各指標の説明はこちら

 

 

営業CF対投資CF比率

〔営業CF対投資CF比率=営業CF÷投資CF〕

 

 最も100%に近いのは清水建設です。

4社の中で最も安定的な推移を示しています。

 

 2番手は大成建設です。

 

 続いて大林組です。

 

 そして鹿島建設です。

営業CFがマイナスになっており、便宜上0.0%としています。

 

続いて各社の推移を見ていきます。

 

 

各社別 営業/投資CF推移

〔実額ベース〕

 

 鹿島建設直近の営業CFは前年比△96.4%の△291億円です。

税金等調整前当期純利益は前年より多かったのですが、売上債権の増加額がその税金等調整前当期純利益を打ち消すほどの規模だったことが、営業CFがマイナス値になった主因です。

 一方、投資CFは前年比159.8%の817億円です。

有形/無形固定資産の取得による支出は前年を大きく上回っており、投資有価証券の取得による支出も多額となりました。

 以上から、直前期のFCF(フリー・キャッシュフロー)は△1,109億円とマイナスになりました。

 

 

 

 大林組直近の営業CFは前年比327.8%の2,285億円です。

税金等調整前当期純利益は前年の2倍以上となり、加えて売上債権や棚卸資産も減少しています。

 一方、投資CFは前年比203.9%の1,016億円です。

有形/無形固定資産の取得による支出が前年の1.7倍近くに膨らんだ点が大きく影響しています。

 以上から、直前期のFCFは1,268億円のプラスとなりました。

 

 

 

 清水建設直近の営業CFは前年比107.8%の838億円です。

税金等調整前当期純利益は前年比で2割弱の増加となりましたが、売上債権の増加額がその税金等調整前当期純利益の2倍以上となっています。

 一方、投資CFは前年比58.7%の524億円です。

有形固定資産の取得による支出が4割近く減少し、有価証券等の売却による収入が大きく膨らんでいます。

 以上から、直前期のFCFは314億円のプラスとなりました。

 

 

 

 大成建設直近の営業CFは前年比37.4%の301億円です。

税金等調整前当期純利益は前年の3割以上減少しており、さらに売上債権と棚卸資産の増加額が大きくなっています。

 一方、投資CFは前年比37.3%の141億円です。

有形/無形固定資産の取得による支出は前年に対して2割以上増えましたが、投資有価証券の取得による支出は前年から概ね半減しています。

 以上から、直前期のFCFは160億円のプラスとなりました。

 

 

ROIC

〔ROIC=(営業利益−法人税等)÷(純資産+有利子負債)〕

 

 トップ大林組です。

直前期は、4社の中では際立って大きく上昇しています。

なお、「大林グループ中期経営計画2022」(2022より5カ年計画)におけるROIC目標として5%以上としています。

 

 2番手は鹿島建設です。

ただし、3期連続で1ポイント程度ずつ低下しています。

 

 続いて大成建設です。

当社も3期連続の低下であり、その度合いは大きくなっています。

 

 そして清水建設です。

2期連続の低下の後、直前期では僅かながら上昇しています。

 

 

WACC

〔WACC=株主資本コスト×(株主資本÷(株主資本+有利子負債))

+負債コスト(1-実効税率)×(有利子負債÷(株主資本+有利子負債))〕

 

 4社とも〔ROIC-WACC〕がマイナス値であり、経済的価値を生み出せていない状態です。

4社ともROICが低くなっているのが主因といえます。

 

 最もましなのが大林組です。

ROICがトップであることに加え、株主資本コストをある程度抑制できていることが奏功しています。

 

 2番手は鹿島建設です。

WACC4社中最大値ですが、ROICが2番手であることが強みになっています。

 

 続いて僅差で清水建設です。

WACCが4社中最小値ですが、如何せんROICが低すぎます。

 

 そして大成建設です。

相対的にコスト高の株主資本の割合が80%を超えており、WACCが高くなっています。

 

 

今回の「投資力」の順位による

比較レーダーチャートは以下のとおりです。

 

※営業CF対投資CF比率の順位は、100%との乖離幅が

最小となる会社から1~4位としています。

 

 

また、全6回の分析における順位の

比較レーダーチャートは以下のとおりです。

 

 

 

以上で、建設業界を終了します。

 

 

 

 

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