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COLUMNSブログ「論語と算盤」

ビール業界-5

2023年6月5日

業界売上高トップ4

有価証券報告書 財務分析

 

<ビール業界・・・第5回>

 

 

5回分析テーマ・・・資金力

分析指標値:手元資金推移

       手元流動性比率

             手元資金有利子負債カバー率

          総資本営業CF比率

          売上高営業CF比率

 

(各指標の説明はこちら

 

 

手元資金推移

〔手元資金=現金預金+有価証券(短期保有目的)〕

 

 最大サントリーHDです。

3,000億円前後での推移となっており、他の3社と一線を画す規模です。

 

 2番手はキリンHDです。

3期連続で減少しており、特に直近の減少度合いは大きくなっています。

 

 続いてアサヒGHDです。

過去3期は500億円前後でしたが、直近は比較的大きく減少しました。

 

 そしてサッポロHDです。

直近2期は連続して減少しています。

 

 

手元流動性比率

〔手元流動性比率=(現金・預金+有価証券)÷(年商÷365)〕

 

 トップサントリーHDです。

直近2期は連続で低下していますが、4期間とも40日以上という水準になっています。

 

 2番手はキリンHDです。

過去3期は30日以上という水準でしたが、直前期は大きく低下しました。

 

 続いてサッポロHDです。

2期連続の低下で、特に直近は2週間分を下回る水準となっています。

 

 そしてアサヒGHDです。

4期間を通じて10日を切っており、特に直近はかなり低下しました。

売上債権回収期間が短縮しており、棚卸資産も4社中では少ない方でありながら、手元流動性はかなり窮屈な状況になっています。

 

 

手元資金有利子負債カバー率

〔手元資金有利子負債カバー率=(現金・預金+有価証券)÷有利子負債〕

 

 トップサントリーHDです。

直近3期は、20%台での安定した推移です。

有利子負債が僅かながら減少しており、キャッシュは既述のように安定的です。

 

 2番手はキリンHDです。

直前期で大きく低下しました。

有利子負債は微減していますが、キャッシュが大きく減少しました。

 

 続いてサッポロHDです。

10%を下回っており、特に直前期の値は4期中で最低になりました。

直前期での有利子負債は増えており、他方キャッシュは減少してしまっています。

 

 そしてアサヒGHDです。

総じて低下傾向であり、直前期は4期中で最低値になっています。

有利子負債は減少していますが、直前期のキャッシュが比較的大きく減少しています。

 

 

総資本営業CF比率

〔総資本営業CF比率=営業CF÷総資本〕

 

 トップアサヒGHDです。

キャッシュは減少していますが、総資本に対する営業CFの創出度合いは比較的良好ということです。

ただし、総じて低下傾向です。

 

 2番手はキリンHDです。

2021期は10%に届きそうな勢いでしたが、直前期で大きく下げてしまいました。

 

 続いてサントリーHDです。

当社も総じて低下傾向になっています。

 

 そしてサッポロHDです。

直前期は総資本が膨らんだことから、当指標が大きく低下してしまいました。

 

 

売上高営業CF比率

〔売上高営業CF比率=営業CF÷売上高〕

 

 トップアサヒGHDです。

4社中で唯一の10%台です。

ただし、直前期は大きく下げており今後の推移が気になります。

 

 2番手はサントリーHDです。

過去3期は10%を超えていましたが、直前期で低下しました。

 

 続いてキリンHDです。

直前期での急落が残念です。

 

 そしてサッポロHDです。

直前期は、売上高が比較的大きく増大し、反面キャッシュが減少したため急落しました。

 

 

今回、特に気になったのは、

アサヒGHDキャッシュの動きです。

 

 

今回の「資金力」の順位による

比較レーダーチャートは以下のとおりです。

 

 

 

今回は以上です。

 

次回は、「投資力」を見ていきましょう。

 

 

 

 

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