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有価証券報告書 財務分析
<ビール業界・・・第5回>
第5回分析テーマ・・・資金力
分析指標値:手元資金推移
手元流動性比率
手元資金有利子負債カバー率
総資本営業CF比率
売上高営業CF比率
(各指標の説明はこちら)
【手元資金推移】
〔手元資金=現金預金+有価証券(短期保有目的)〕
最大はサントリーHDです。
3,000億円前後での推移となっており、他の3社と一線を画す規模です。
2番手はキリンHDです。
3期連続で減少しており、特に直近の減少度合いは大きくなっています。
続いてアサヒGHDです。
過去3期は500億円前後でしたが、直近は比較的大きく減少しました。
そしてサッポロHDです。
直近2期は連続して減少しています。
【手元流動性比率】
〔手元流動性比率=(現金・預金+有価証券)÷(年商÷365)〕
トップはサントリーHDです。
直近2期は連続で低下していますが、4期間とも40日以上という水準になっています。
2番手はキリンHDです。
過去3期は30日以上という水準でしたが、直前期は大きく低下しました。
続いてサッポロHDです。
2期連続の低下で、特に直近は2週間分を下回る水準となっています。
そしてアサヒGHDです。
4期間を通じて10日を切っており、特に直近はかなり低下しました。
売上債権回収期間が短縮しており、棚卸資産も4社中では少ない方でありながら、手元流動性はかなり窮屈な状況になっています。
【手元資金有利子負債カバー率】
〔手元資金有利子負債カバー率=(現金・預金+有価証券)÷有利子負債〕
トップはサントリーHDです。
直近3期は、20%台での安定した推移です。
有利子負債が僅かながら減少しており、キャッシュは既述のように安定的です。
2番手はキリンHDです。
直前期で大きく低下しました。
有利子負債は微減していますが、キャッシュが大きく減少しました。
続いてサッポロHDです。
10%を下回っており、特に直前期の値は4期中で最低になりました。
直前期での有利子負債は増えており、他方キャッシュは減少してしまっています。
そしてアサヒGHDです。
総じて低下傾向であり、直前期は4期中で最低値になっています。
有利子負債は減少していますが、直前期のキャッシュが比較的大きく減少しています。
【総資本営業CF比率】
〔総資本営業CF比率=営業CF÷総資本〕
トップはアサヒGHDです。
キャッシュは減少していますが、総資本に対する営業CFの創出度合いは比較的良好ということです。
ただし、総じて低下傾向です。
2番手はキリンHDです。
2021期は10%に届きそうな勢いでしたが、直前期で大きく下げてしまいました。
続いてサントリーHDです。
当社も総じて低下傾向になっています。
そしてサッポロHDです。
直前期は総資本が膨らんだことから、当指標が大きく低下してしまいました。
【売上高営業CF比率】
〔売上高営業CF比率=営業CF÷売上高〕
トップはアサヒGHDです。
4社中で唯一の10%台です。
ただし、直前期は大きく下げており今後の推移が気になります。
2番手はサントリーHDです。
過去3期は10%を超えていましたが、直前期で低下しました。
続いてキリンHDです。
直前期での急落が残念です。
そしてサッポロHDです。
直前期は、売上高が比較的大きく増大し、反面キャッシュが減少したため急落しました。
今回、特に気になったのは、
アサヒGHDのキャッシュの動きです。
今回の「資金力」の順位による
比較レーダーチャートは以下のとおりです。
今回は以上です。
次回は、「投資力」を見ていきましょう。
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