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COLUMNSブログ「論語と算盤」

ビール業界-4

2023年6月1日

業界売上高トップ4

有価証券報告書 財務分析

 

<ビール業界・・・第4回>

 

 

4回分析テーマ・・・資本活用力

分析指標値:総資本回転率  

      売上債権回収日数

      棚卸資産回転日数

  流動比率

    自己資本比率

 

(各指標の説明はこちら

 

 

総資本回転率

〔総資本回転率=売上高÷総資本〕

 

 トップキリンHDです。

直近は、総資本が微増する中、売上高が比較的大きく拡大したため上昇しました。

 

 2番手はサッポロHDです。

2期連続で上昇しています。

総資本は2019期とほぼ同規模であり、売上高が直近2期連続で拡大しています。

 

 続いてアサヒGHDです。

2020期は、有利子負債が前年比でほぼ倍増したため大きく低下しましたが、その後は2期連続で上昇しています。

 

 そしてサントリーHDです。

安定的な推移ですが、0.5回転弱という水準に留まっています。

 

 

売上債権回収日数

〔売上債権回収日数=売上債権残高÷日商(売上高÷365)〕

 

 最短なのはアサヒGHDです。

3期連続で短縮化させています。

毎期34日の短縮であり、方針や意図がうかがえます。

 

 2番手はサントリーHDです。

過去2期連続で長期化していましたが、直前期で短縮しています。

 

 続いてサッポロHDです。

当社も、過去2期連続の長期化を経て、直前期は短縮となりました。

 

 そしてキリンHDです。

長期化と短期化を繰り返していますが、やや長期化の傾向がうかがえます。

 

 

棚卸資産回転日数

〔棚卸資産回転日数=棚卸資産残高÷日商(売上高÷365)〕

 

 最短なのはアサヒGHDです。

抑制されているようですが、やや長期化傾向です。

売上高の伸び率以上に棚卸資産が増えています。

 

 2番手はサッポロHDです。

3期連続の長期化であり、棚卸資産の増加度合いが多めとなっています。

 

 続いてキリンHDです。

当社も3期連続の長期化であり、直近2期の棚卸資産の増加度合いがかなり大きくなっています。

 

 そしてサントリーHDです。

当社についても3期連続の長期化、そして棚卸資産の増加度合いが相当に大きくなっています。

 

 

流動比率

〔流動比率=流動資産÷流動負債〕

 

 トップキリンHDです。

3期連続での上昇です。

流動負債も増えてはいますが、それ以上に流動資産が増しています。

ただし「現金及び現金同等物」は前年比58.9%と、流動資産の項目の中で唯一減少しています。

 

 2番手はサントリーHDです。

この4期間は、133%前後での推移となっています。

その反面、既述のように流動資産中の売上債権と棚卸資産の伸び率がやや大きくなっている点が気にはなります。

 

 続いてサッポロHDです。

3期連続で上昇しています。

しかし、100%以下のレベルであり、流動資産と流動負債の乖離幅が比較的大きくなっています。

また、特に「現金及び現金同等物」が直近2期連続で減少している点が気がかりです。

 

 そしてアサヒGHDです。

4期間とも100%を下回っており、その水準もかなり低くなっています。

流動負債の「営業債務及びその他の債務」が大きく、流動資産の「現金及び現金同等物」と「営業債権及びその他の債権」の合計額を凌駕しています。

 

 

自己資本比率

〔自己資本比率=自己資本÷総資本〕

 

 トップアサヒGHDです。

直近2期連続で上昇しており、比較的大きい度合いになっています。

自己資本は毎期2,500億円ほど拡大しています。

 

 2番手はサントリーHDです。

3期連続での上昇であり、直近2期の自己資本はそれぞれ3,000億円ほど拡大しています。

 

 続いて僅差でキリンHDです。

40%弱という水準で、比較的安定した推移となっています。

 

 そしてサッポロHDです。

4期間とも、2530%の推移となっています。

 

 

今回印象に残ったのは、

アサヒGHDキリンHD良好な資本効率です。

 

 

今回の「資本活用力」の順位による

比較レーダーチャートは以下のとおりです。

 

 

 

今回は以上です。

 

次回は、「資金力」を見ていきましょう。

 

 

 

 

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