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COLUMNSブログ「論語と算盤」

飲食業界-4

2023年5月11日

業界売上高トップ4

有価証券報告書 財務分析

 

<飲食業界・・・第4回>

 

 

4回分析テーマ・・・資本活用力

分析指標値:総資本回転率  

      売上債権回収日数

      棚卸資産回転日数

  流動比率

    自己資本比率

 

(各指標の説明はこちら

 

 

総資本回転率

〔総資本回転率=売上高÷総資本〕

 

 トップゼンショーHDです。

2021決算期の低下は、総資本が拡大する中、売上高が前年比で5%強落ち込んだ影響です。

直近の2022決算期は、売上高が前年比110.7%と伸びたものの、総資本が継続して拡大したため、当指標はさほど上昇しませんでした。

 

 2番手は日本マクドナルドです。

4期を通じて1.2回のレベルを維持しており、相当に安定的と言えます。

総資本拡大と売上高増大の歩みが揃っている感じです。

 

 続いてF&L Cです。

2020決算期で大きく低下したのは、売上高は増えたものの、総資本が前年比で174.0%、金額にして1千億円強拡大したためです。

その内容は、主としてリース負債を含む有利子負債の増加です。

 

 そしてすかいらーくHDです。

過去2期連続は売上高の減少により低下し、直近では売上高の増大により上昇しました。

 

 

売上債権回収日数

〔売上債権回収日数=売上債権残高÷日商(売上高÷365)〕

 

 最短ゼンショーHDです。

4期を通じて見ると、若干ながら長期化傾向に映ります。

キャッシュレス決済の影響かと想定されます。

 

 2番手はF&L Cです。

2021決算期では、売掛金と未収入金が前年の3倍近くまで膨らんだ影響で、大きく長期化しました。

 

 続いてすかいらーくHDです。

前社と同じような推移ですが、2021決算期では未収入金が大きく膨らんでいます。

この理由は、「営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金計上によるもの」と明示されています。

 

 そして日本マクドナルドです。

直近は2期連続で短縮化傾向となっています。

 

 

棚卸資産回転日数

〔棚卸資産回転日数=棚卸資産残高÷日商(売上高÷365)〕

 

 最短日本マクドナルドです。

日商1.4日分程度での安定的な推移です。

 

 2番手はF&L Cです。

3期連続で、売上の増大度合い以上の、棚卸資産の増大度合いとなっています。

特に直近の棚卸資産の増大度合いは、前年比164.7%とかなり大きくなっています。

 

 続いてすかいらーくHDです。

過去2期連続で、売上高と棚卸資産がともに前年以下となっていました。

ただし直前期では、売上高が114.8%の伸びに対して、棚卸資産の伸びは184.7%と大きくなっています。

 

 そしてゼンショーHDです。

過去2期については、棚卸資産の増大度合いが、売上高の増大度合いを下回っていました。

ところが直近では、売上高110.7%の伸びに対して、棚卸資産の伸びは152.6%と逆転しています。

 

 

流動比率

〔流動比率=流動資産÷流動負債〕

 

 トップ日本マクドナルドです。

それほど高いレベルではなく、また直近2期連続で低下しています。

今後どういう状況になっていくのか、やや気がかりではあります。

 

 2番手はF&L Cです。

2021決算期までは100%を切るレベルでしたが、直前期では大きく伸長しました。

直近では、現金の増加を主因として流動資産が拡大しています。

 

 続いてゼンショーHDです。

2020および2021決算期は100%以下でした。

直前期では、流動資産の各項目が増加したことから、100%超となっています。

 

 そしてすかいらーくHDです。

4期連続で100%を切っており、指標のレベルも相当に低くなっています。

特に直前期では、短期借入金が前年の5倍ほどに大きく膨らむ一方、現金及び現金同等物は前年比4割弱まで大きく減少しています。

抜本的な改善が急がれる状況です。

 

 

自己資本比率

〔自己資本比率=自己資本÷総資本〕

 

 トップ日本マクドナルドです。

4期を通じて70%台であり、極めて安定的です。

 

 2番手はすかいらーくHDです。

2期連続で上昇しており、長期的な資金繰りという観点からは、問題無いように映ります。

 

 続いてゼンショーHDです。

直近では20%台中盤まで上昇させてきています。

 

 そしてF&L Cです。

4期を通じて低下傾向であり、直前期では20%を切ってきています。

 

 

今回、特に気になったのは、

日本マクドナルドを除く3社

資本効率が総じて良くない点でした。

 

 

今回の「資本活用力」の順位による

比較レーダーチャートは以下のとおりです。

 

 

 

今回は以上です。

 

次回は、「資金力」を見ていきましょう。

 

 

 

 

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