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COLUMNSブログ「論語と算盤」

飲食業界-3

2023年5月8日

業界売上高トップ4

有価証券報告書 財務分析

 

<飲食業界・・・第3回>

 

 

3回分析テーマ・・・稼ぐ力

分析指標値:EBITDA    

         EBITDAマージン

  ROE

 

(各指標の説明はこちら

 

 

EBITDA

〔EBITDA=営業利益+償却費〕

 

 

 トップ日本マクドナルドです。

3期連続の拡大であり、その推移も安定的です。

直前期は営業利益が減少したものの、それ以上に償却費が増しました。

ただし、過去2期は二桁の伸び率でしたが、直前期は101%強と低下しています。

 

 2番手はすかいらーくHDです。

年度ごとに大きく上下しており、拡大と縮小が繰り返す推移です。

特に直前期は営業損失となっため大きく縮小しました。

 

 続いてゼンショーHDです。

安定的な推移ですが、過去2期は400億円台、直近2期は300億円台となっています。

直前期では、営業利益の減少分以上に償却費が増大したことから前年以上となりました。

 

 そしてF&L Cです。

過去2期連続で大きく拡大していましたが、直前期は前年の8割以下まで急落しました。             

償却費は前年の2割以上増大しましたが、営業利益が半減しています。

 

 

EBITDAマージン

〔EBITDAマージン=EBITDA÷売上高〕

 

 トップすかいらーくHDです。

EBITDAは直近で急減しましたが、売上高基準ではその規模が相対的に大きいことが分かります。

 

 2番手は日本マクドナルドです。

安定的な推移ですが、直前期は低下しました。

EBITDAが微増という中、売上高が二桁の伸長となった影響です。

 

 続いてF&L Cです。

直前期で比較的大きく低下しています。

直近2期の売上高は二桁成長ですが、前述のように直前期のEBITDAが大きく減少したためです。

 

 そしてゼンショーHDです。

2期連続で低下しており、他の3社に比較して低位での推移となっています。

 

 

ROE

〔ROE=親会社株主に帰属する当期純利益÷{純資産-(新株予約権+非支配株主持分)}〕

 

 トップゼンショーHDです。

2021決算期で大きく下げましたが、直前期は反転上昇、過去2期の水準にまで回復しています。

市場が期待する10.0%ラインを超えており、良好なレベルです。

なお、中期経営計画期間の経営指標(KPI)として、2025年3月期のROE目標を10.0%としています。

 

 2番手は日本マクドナルドです。

過去3期は10.0%以上でしたが、直前期は9.6%まで低下しました。

これは、株主資本が継続して増大する中、当期純利益が低下したせいです。

なお、2024年度を対象とした中期経営計画において、ROE目標を10%以上としています。

 

 続いてF&L Cです。

上下動していますが、直前期の低下度合いがかなり大きくなっています。

4期の推移から、総じて低下傾向に映ります。

 

 そしてすかいらーくHDです。

2020決算期と直前期は、当期利益がマイナスでした。

早急に利益率の上昇、およびその安定化のための取り組みが期待されます。

 

 

今回、特に気になったのは、

3指標それぞれのトップが相違している点です。

各社の特性がうかがえます。

 

 

今回の「稼ぐ力」の順位による

比較レーダーチャートは以下のとおりです。

 

 

 

今回は以上です。

 

次回は、「資本活用力」を見ていきましょう。

 

 

 

 

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