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COLUMNSブログ「論語と算盤」

貨物運送業界-4

2023年4月13日

業界売上高トップ4

有価証券報告書 財務分析

 

<貨物運送業界・・・第4回>

 

 

4回分析テーマ・・・資本活用力

分析指標値:総資本回転率  

      売上債権回収日数

      棚卸資産回転日数

  流動比率

    自己資本比率

 

(各指標の説明はこちら

 

 

総資本回転率

〔総資本回転率=売上高÷総資本〕

 

 トップ近鉄エクスプレスです。

2期連続で上昇しています。

この2期は総資本も伸びていますが、特に直前期は売上高が急増して当指標が急上昇しました。

 

 2番手はSGHDです。

3期連続の上昇です。

総資本も3期連続で拡大していますが、売上高は常に総資本の伸び率以上となっています。

 

 続いてヤマトHDです。

3期連続の上昇です。

総資本は3期連続で微かに減少しており、売上高は微増したという結果です。

 

 そしてNXHDです。

過去2期連続で低下した後、直前期で上昇しました。

低下した2期は売上高が減少したためであり、直前期で盛り返しました。

 

 

売上債権回収日数

〔売上債権回収日数=売上債権残高÷日商(売上高÷365)〕

 

 最短ヤマトHDです。

3期連続で短縮化させています。

 

 2番手はSGHDです。

ただし、直近2期連続で長期化しています。

 

 続いてNXHDです。

2021決算期は月商で3ヵ月程度まで膨らみましたが、直前期は短縮化しました。

 

 そして近鉄エクスプレスです。

過去2期が日商で70日弱、直近2期が80日前後のレベルと、やや長期化の傾向です。

 

 

棚卸資産回転日数

〔棚卸資産回転日数=棚卸資産残高÷日商(売上高÷365)〕

 

 最短近鉄エクスプレスです。

棚卸資産が一切ありません。

 

 2番手はヤマトHDです。

値はかなり小さく、4期間を通じて日商レベルで1日未満です。

 

 続いてNXHDです。

4期を通じて日商の3日未満のレベルであり、特異な動きはありません。

 

 そしてSGHDです。

販売用不動産の残高が棚卸資産額を押し上げています。

ただし、3期連続で短縮してきており、直前期は1週間未満のレベルになっています。

 

 

流動比率

〔流動比率=流動資産÷流動負債〕

 

 トップ近鉄エクスプレスです。

2期連続で上昇しています。

流動負債も増えていますが、それ以上に流動資産が増加しています。

直前期の流動資産の増加要因は、主として売上債権の増加です。

 

 2番手はSGHDです。

2期連続で低下した後、直前期では上昇しました。

当社も、直前期の流動資産の増加要因は、主として売上債権の増加です。

 

 続いてヤマトHDです。

4期間とも130%台前半から中盤の推移であり安定的です。

この期間は、流動資産と流動負債が、ともに足並みを揃えるように減少しています。

 

 そしてNXHDです。

過去3期は140%台でしたが、直前期で比較的大きく低下しました。

前期までは旧日本通運の財政状態を用いているため、直前期は同列では語れない要素があります。

 

 

自己資本比率

〔自己資本比率=自己資本÷総資本〕

 

 トップヤマトHDです。

3期連続の上昇です。

50%台を維持しつつ、安定的に高まってきています。

なお、「財務の健全性の観点から自己資本比率は50%前後を意識し、格付け水準(R&I格付投資情報センター/AA-)の維持に努める」とのことです。

 

 2番手はSGHDです。

3期連続の上昇であり、前期から50%台に乗せています。

 

 続いて近鉄エクスプレスです。

2期連続で約3ポイントずつ上昇させています。

 

 そしてNXHDです。

直前期はやや低下しましたが、30%台中盤~後半での安定した推移です。

 

 

今回、特に気になったのは、

近鉄エクスプレス資本効率の良さでした。

 

 

今回の「資本活用力」の順位による

比較レーダーチャートは以下のとおりです。

 

 

 

今回は以上です。

 

次回は、「資金力」を見ていきましょう。

 

 

 

 

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