業界売上高トップ4
有価証券報告書 財務分析
<貨物運送業界・・・第4回>
第4回分析テーマ・・・資本活用力
分析指標値:総資本回転率
売上債権回収日数
棚卸資産回転日数
流動比率
自己資本比率
(各指標の説明はこちら)
【総資本回転率】
〔総資本回転率=売上高÷総資本〕
トップは近鉄エクスプレスです。
2期連続で上昇しています。
この2期は総資本も伸びていますが、特に直前期は売上高が急増して当指標が急上昇しました。
2番手はSGHDです。
3期連続の上昇です。
総資本も3期連続で拡大していますが、売上高は常に総資本の伸び率以上となっています。
続いてヤマトHDです。
3期連続の上昇です。
総資本は3期連続で微かに減少しており、売上高は微増したという結果です。
そしてNXHDです。
過去2期連続で低下した後、直前期で上昇しました。
低下した2期は売上高が減少したためであり、直前期で盛り返しました。
【売上債権回収日数】
〔売上債権回収日数=売上債権残高÷日商(売上高÷365)〕
最短はヤマトHDです。
3期連続で短縮化させています。
2番手はSGHDです。
ただし、直近2期連続で長期化しています。
続いてNXHDです。
2021決算期は月商で3ヵ月程度まで膨らみましたが、直前期は短縮化しました。
そして近鉄エクスプレスです。
過去2期が日商で70日弱、直近2期が80日前後のレベルと、やや長期化の傾向です。
【棚卸資産回転日数】
〔棚卸資産回転日数=棚卸資産残高÷日商(売上高÷365)〕
最短は近鉄エクスプレスです。
棚卸資産が一切ありません。
2番手はヤマトHDです。
値はかなり小さく、4期間を通じて日商レベルで1日未満です。
続いてNXHDです。
4期を通じて日商の3日未満のレベルであり、特異な動きはありません。
そしてSGHDです。
販売用不動産の残高が棚卸資産額を押し上げています。
ただし、3期連続で短縮してきており、直前期は1週間未満のレベルになっています。
【流動比率】
〔流動比率=流動資産÷流動負債〕
トップは近鉄エクスプレスです。
2期連続で上昇しています。
流動負債も増えていますが、それ以上に流動資産が増加しています。
直前期の流動資産の増加要因は、主として売上債権の増加です。
2番手はSGHDです。
2期連続で低下した後、直前期では上昇しました。
当社も、直前期の流動資産の増加要因は、主として売上債権の増加です。
続いてヤマトHDです。
4期間とも130%台前半から中盤の推移であり安定的です。
この期間は、流動資産と流動負債が、ともに足並みを揃えるように減少しています。
そしてNXHDです。
過去3期は140%台でしたが、直前期で比較的大きく低下しました。
前期までは旧日本通運の財政状態を用いているため、直前期は同列では語れない要素があります。
【自己資本比率】
〔自己資本比率=自己資本÷総資本〕
トップはヤマトHDです。
3期連続の上昇です。
50%台を維持しつつ、安定的に高まってきています。
なお、「財務の健全性の観点から自己資本比率は50%前後を意識し、格付け水準(R&I格付投資情報センター/AA-)の維持に努める」とのことです。
2番手はSGHDです。
3期連続の上昇であり、前期から50%台に乗せています。
続いて近鉄エクスプレスです。
2期連続で約3ポイントずつ上昇させています。
そしてNXHDです。
直前期はやや低下しましたが、30%台中盤~後半での安定した推移です。
今回、特に気になったのは、
近鉄エクスプレスの資本効率の良さでした。
今回の「資本活用力」の順位による
比較レーダーチャートは以下のとおりです。
今回は以上です。
次回は、「資金力」を見ていきましょう。
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