業界売上高トップ4
有価証券報告書 財務分析
<食品業界・・・第1回>
日本ハム株式会社(3月決算)
味の素株式会社(3月決算)
山崎製パン株式会社(12月決算)
明治ホールディングス株式会社
(3月決算)
※決算期が相違するので、直近を「2021年度(2022.03決算)」と表現します。
第1回分析テーマ・・・経営規模
分析実績値:売上高推移、営業利益推移、
総資産推移、従業員数推移
【売上高推移】
トップは日本ハムです。
直前期の売上高は、前期比106.1%の1兆1,744億円となりました。
過去2期連続で低下し、特に2020年度では大きく下げましたが、直前期は挽回しています。
事業は、プロ野球チームの日本ハムファイターズ運営なども含め、次の4つのセグメントに分けられています。
全セグメントで前期を上回っています。
▶ 加工事業本部:ハム、ソーセージ、加工食品の製造・販売
直前期の売上高・・・前期比101.5%の4,967億円
▶ 食肉事業本部:生産飼育、食肉の処理・加工・輸入・販売
直前期の売上高・・・前期比104.1%の6,833億円
▶ 海外事業本部:ハム、ソーセージ、加工食品の販売、食肉の販売
直前期の売上高・・・前期比119.7%の2,676億円
▶ その他:㈱ファイターズ、スポーツ&エンターテインメント
直前期の売上高・・・前期比117.4%の138億円
なお「中期経営計画2023」における2023年度の目標として、連結売上高1兆2,200億円を掲げています。
2番手は味の素です。
直前期の売上高は、前期比107.3%の1兆1,494億円となりました。
2期連続で低下した後、直前期で挽回しており、この4期間での最大金額になっています。
事業は次の4つのセグメントに分けられています。
▶ 調味料・食品:調味料、栄養・加工食品など
直前期の売上高・・・前期比107.0%の6,642億円
▶ 冷凍食品:冷凍食品
直前期の売上高・・・前期比111.8%の2,217億円
▶ ヘルスケア等:医薬用・食品用アミノ酸、バイオファーマサービスなど
直前期の売上高・・・前期比104.9%の2,512億円
▶ その他:製造受託、油脂、物流、サービス他
直前期の売上高・・・前期比92.4%の121億円
続いて山崎製パンです。
直前期の売上高は、前期比103.8%の1兆530億円となりました。
2020年度では低下しましたが、直前期でそれ以前のレベルに戻しています。
事業は、デイリーヤマザキの経営なども含め、次の3つのセグメントに分けられています。
▶ 食品事業:パン、和洋菓子、調理パン・米飯類など
直前期の売上高・・・前期比103.0%の9,806億円
▶ 流通事業:CVS事業、食品スーパーマーケットの経営
直前期の売上高・・・前期比120.6%の595億円
▶ その他事業:物流事業、食品製造設備の設計など
直前期の売上高・・・前期比97.5%の129億円
最後は明治HDです。
直前期の売上高は、前期比85.0%の1兆131億円となりました。
3期連続の低下であり、特に直前期は大きく下げてしまっています。
事業は次の2つのセグメントに分けられています。
両セグメントで前期を下回っています。
▶ 食品:ヨーグルト、牛乳類、飲料、チーズなど
直前期の売上高・・・前期比82.6%の8,255億円
▶ 医薬品:医療用医薬品及び農薬・動物薬など
直前期の売上高・・・前期比97.3%の1,876億円
なお、「2023中期経営計画」において、2023年度(2024決算期)目標として、連結売上高1兆800億円を掲げています。
【営業利益推移】
トップは味の素です。
ただし数値は、連結損益計算書に記載されている「事業利益」の額としています。
直前期の営業利益(事業利益)は、前期比106.9%の1,209億円となりました。
3期連続で上昇しています。
セグメントごとの実績は以下のとおりです。
▶ 調味料・食品:調味料、栄養・加工食品など
直前期の営業利益・・・前期比93.6%の812億円
▶ 冷凍食品:冷凍食品
直前期の営業利益・・・前期23億円の利益から営業損失6億円
▶ ヘルスケア等:医薬用・食品用アミノ酸、バイオファーマサービスなど
直前期の営業利益・・・前期比165.1%の433億円
▶ その他:製造受託、油脂、物流、サービス他
直前期の営業利益・・・前期23億円の損失から営業損失30億円
2番手は明治HDです。
直前期の営業利益は、前期比87.6%の929億円となりました。
2期連続で上昇した後、直前期で大きく低下しています。
セグメントごとの実績は以下のとおりです。(前年との比較は割愛します。)
▶ 食品:ヨーグルト、牛乳類、飲料、チーズなど
直前期の営業利益・・・759億円
▶ 医薬品:医療用医薬品及び農薬・動物薬など
直前期の営業利益・・・186億円
なお、「明治グループ2026ビジョン」において、営業利益成長率の目標を「一桁台半ば以上」(5.0%超か?)としています。
また、「2023中期経営計画」においては、2023年度(2024決算期)目標として、連結営業利益=1,200億円を掲げています。
続いて日本ハムです。
ただし数値は、連結損益計算書から「売上高-売上原価-販売費及び一般管理費」として算出したものです。
直前期の営業利益は、前期比86.5%の421億円となりました。
2期連続で上昇した後、直前期は売上高の上昇に反して低下してしまいました。
有価証券報告書に営業利益の記載が無いので、セグメントごとの実績は割愛します。
(有報には事業利益としてセグメントごとの記載がありますが、外部からは判別しづらい各種調整がなされているためです)
そして山崎製パンです。
直前期の営業利益は、前期比105.3%の184億円となりました。
2020年度で大きく落としましたが、直前期ではやや持ち直しています。
セグメントごとの実績は以下のとおりです。
▶ 食品事業:パン、和洋菓子、調理パン・米飯類など
直前期の営業利益・・・前期比107.8%の200億円
▶ 流通事業:CVS事業、食品スーパーマーケットの経営
直前期の営業利益・・・前期39億円の損失から営業損失42億円
▶ その他事業:物流事業、食品製造設備の設計など
直前期のセグメント利益・・・前期比91.1%の22億円
【総資産推移】
最大は味の素です。
直近2期連続で拡大しています。
2番手は明治HDです。
当社も、直近2期連続で拡大しています。
続いて日本ハムです。
3期連続での拡大となっています。
そして山崎製パンです。
過去2期連続で僅かに縮小しましたが、直前期では比較的大きく拡大しました。
【従業員数推移】
最大なのは味の素です。
2期連続で増員しています。
2番手は山崎製パンです。
3期連続での増員であり、直前期では1割以上の増員となっています。
続いて明治HDです。
直前期は減員となりましたが、17,000人台で比較的安定的に推移しています。
そして日本ハムです。
3期連続の減員となっており、直前期は減員度合いがやや大きくなっています。
今回の「経営規模」の順位による
比較レーダーチャートは以下のとおりです。
今回は以上です。
次回は、収益性の中の「利益創出力」を見ていきましょう。
※当サイトの「注意・免責事項」ご確認ください。