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COLUMNSブログ「論語と算盤」

海運業界-3

2023年2月27日

業界売上高トップ4

有価証券報告書 財務分析

<海運業界・・・第3回>

 

 

3回分析テーマ・・・稼ぐ力 

分析指標値:EBITDA、  

         EBITDAマージン

    ROE

(各指標の説明はこちら

 

 

EBITDA

〔EBITDA=営業利益+償却費〕

 

 

 

 トップ日本郵船です。

直近では、営業利益が前年比で4倍近く増大し、償却費も微増したことから、当指標は前年比で2倍以上に急拡大しました。

 

 2番手は商船三井です。

営業利益が前年の損失状態から一気に挽回したことで、当指標は2倍近くまで拡大しています。

 

 続いて川崎汽船です。

当社も前年の営業損失から一気に黒字化したおり、当指標が3倍近くにまで拡大しました。

 

 そしてNSユナイテッド海運です。

営業利益がほぼ4倍に増大した結果当指標は2倍近くにまで拡大しました。

 

 

EBITDAマージン

〔EBITDAマージン=EBITDA÷売上高〕

 

 トップNSユナイテッド海運です。

直近2期連続で上昇しています。

EBITDAを金額で見ると目立ちませんが、売上高比率で見ると4期連続のトップであり、良好な状態であることがうかがえます。

 

 2番手は日本郵船です。

3期連続で上昇させており、特に直前期の伸び率はかなり高めです。

 

 続いて商船三井です。

2期連続で低下した後、直前期で上昇しました。

 

 そして川崎汽船です。

年度ごとに増減していますが、直前期では伸びています

 

 

ROE

  〔ROE=親会社株主に帰属する当期純利益

÷{純資産-(新株予約権+非支配株主持分)}〕

 

 トップ川崎汽船です。

72.6%という値は、日本企業ではめったに目にしない高いレベルです。

前回述べたように、営業外収益に計上した持分法による投資利益が大きく影響しています。

 なお、「2022年度から2026年度までの5か年の中期経営計画」において、2026年度のROE目標を10%以上としています。

 

 2番手は日本郵船です。

当社のレベルも極めて高いと言えます。

やはり、持分法による投資利益の計上が大きな影響要因です。

 

 続いて商船三井です。

当社もやはり極めて高いレベルです。

前2社同様に、持分法による投資利益が主要因となっています。

 

 そしてNSユナイテッド海運です。

4社中最低値ですが、20.0%であることから国内市場では秀逸と言えるレベルです。

持分法による投資利益のような特需が無いことから、原価以外の費用の少なさが際立っている状態です。

 なお、中期経営計画「FORWARD 2030」において、2023年度のROE目標=10.0%超としていましたが、2021年度に前倒しで達成したとのことです。

 

 

今回、特需要因が大きく影響していることから

特段に気になった点はありません。

 

今回の「稼ぐ力」の順位による

比較レーダーチャートは以下のとおりです。

 

 

 

今回は以上です。

 

次回は、「資本活用力」を見ていきましょう。

 

 

 

 

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