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COLUMNSブログ「論語と算盤」

海運業界-4

2023年3月2日

業界売上高トップ4

有価証券報告書 財務分析

 

<海運業界・・・第4回>

 

 

4回分析テーマ・・・資本活用力        

分析指標値:総資本回転率売上債権回収日数

棚卸資産回転日数

    流動比率自己資本比率

 

(各指標の説明はこちら

 

 

総資本回転率

〔総資本回転率=売上高÷総資本〕

 

 トップ日本郵船です。

ただし、3期連続の低下となっています。

直前期の売上高は前年比141.8%と大きく伸びましたが、一方の総資本が当期純利益の増大に伴う純資産の拡大により、前年比144.9%となりました。

 

 2番手はNSユナイテッド海運です。

2期連続で低下していましたが、直前期は反転して急上昇しています。

4社中で唯一の上昇となりました。

当期純利益の増大に伴う純資産の拡大はありましたが、有利子負債を削減したことで、総資本の拡大を止めています。

 

 続いて川崎汽船です。

3期連続で急落しています。

直前期における売上高は回復していますが、総資本は前年比161.6%と、売上高伸び率を大きく超えるほど拡大しました。

 

 そして僅差で商船三井です。

僅かですが、3期連続での低下となっています。

過去3期における総資本はほぼ横ばいでしたが、直前期は増大し、売上高伸び率を微かに上回りました。

 

 

売上債権回収日数

〔売上債権回収日数=売上債権残高÷日商(売上高÷365)〕

 

 最短なのは商船三井です。

4社の中ではやや抜きんでたレベルであるものの、直近の2期は連続して長期化しています。

 

 2番手は川崎汽船です。

2021.03期までは比較的短い回収日数でしたが、直前期は大きく長期化しています。

 

 続いてNSユナイテッド海運です。

3期連続の上昇となっています。

 

 そして日本郵船です。

直近の2期は連続で長期化しています。

 

 

棚卸資産回転日数

〔棚卸資産回転日数=棚卸資産残高÷日商(売上高÷365)〕

 

 最短なのは日本郵船です。

長期化傾向ではありますが、10日以内というレベルで推移させています。

 

 2番手は商船三井です。

過去3期は10日台でしたが、直前期は売上高伸び率以上に棚卸資産が増加しました。

 

 続いて川崎汽船です。

3期連続の長期化であり、直前期の長期化度合いは大きくなっています。

 

 そしてNSユナイテッド海運です。

基本的に主力事業は海運事業であり、他の3社に比べるとやや長期という印象です。

 

 

流動比率

〔流動比率=流動資産÷流動負債〕

 

 トップ川崎汽船です。

直前期で急上昇しています。

短期の有利子負債が大きく削減されており、流動負債が減少しました。

それに対して流動資産は、現預金、売上債権、棚卸資産が大きく増加し、前年比161.9%となりました。

 

 2番手はNSユナイテッド海運です。

2期連続で大きく上昇しています。

当社も短期の有利子負債を大きく削減したことから、流動負債が減少しています。

一方流動資産は、売上債権や棚卸資産の増大により、前年比131.8%となっています。

 

 続いて日本郵船です。

過去3期は100%未満の状態でしたが、3期連続で上昇したため、直前期では100%超となりました。

特に直前期の上昇度合いが大きくなっています。

 

 そして商船三井です。

4期間を通じて、90%未満というレベルでの推移となっています。

有利子負債は長期・短期とも微減していますが、100%に達していない状態はやや気になります

 

 

自己資本比率

〔自己資本比率=自己資本÷総資本〕

 

 トップ川崎汽船です。

過去3期は相対的に低いレベルでしたが、直前期の上昇度合いが極めて大きくなっています。

直前期までは4位でしたが、直前期はまさにゴボウ抜きしたような状態です。

2回目で見たように、売上高当期純利益率の急上昇により、純資産が前年比311.5%まで増大したことが主因です。

 

 2番手は日本郵船です。

過去3期は20%台でしたが、直前期は25ポイント以上の上昇となりました。

 

 続いて商船三井です。

直前期では20ポイント近く上昇しています。

 

 そしてNSユナイテッド海運です。

2期連続で低下したのち、直前期で上昇しました。

4社中では、安定的な推移と映ります。

 

 

今回、特に気になったのは、

川崎汽船の各種指標が

かなり大きく変動していることです。

 

 

今回の「資本活用力」の順位による

比較レーダーチャートは以下のとおりです。

 

 

 

今回は以上です。

 

次回は、「資金力」を見ていきましょう。

 

 

 

 

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