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COLUMNSブログ「論語と算盤」

海運業界-1

2023年2月20日

業界売上高トップ4

有価証券報告書 財務分析

 

<海運業界・・・第1回>

 

 

日本郵船株式会社(3月決算)

株式会社商船三井(3月決算)

川崎汽船株式会社(3月決算)

NSユナイテッド海運株式会社

           (3月決算)

 

 

1回分析テーマ・・・経営規模      

分析実績値:売上高推移営業利益推移

     総資産推移従業員数推移

 

 

売上高推移

 

 トップ日本郵船です。

直前期の売上高は、前期比141.8%の2兆2,808億円となりました。

2期連続で低下した後、直前期で大きく上昇し、4期中での最高額となっています。

 事業は次の6つのセグメントに分けられています。

 ▶ 定期船事業:海上貨物輸送、コンテナターミナル業、港湾運送業、曳船業

   直前期の売上高・・・前期比111.7%の1,905億円

 ▶ 航空運送事業:航空運送事業

   直前期の売上高・・・前期比154.1%の1,887億円

 ▶ 物流事業:倉庫業、貨物運送取扱業、沿海貨物海運業

   直前期の売上高・・・前期比151.0%の8,474億円

 ▶ 不定期専用船事業:不定期船、海上貨物輸送、船舶貸渡業、その他海運事業

   直前期の売上高・・・前期比143.0%の9,745億円

 ▶ 不動産業:不動産の賃貸、管理、販売業

   直前期の売上高・・・前期比61.1%の42億円

 ▶ その他の事業:客船事業、船舶用機械器具卸売業、その他

   直前期の売上高・・・前期比131.3%の1,704億円

 

 

 2番手は商船三井です。

直前期の売上高は、前期比128.0%の1兆2,693億円となりました。

2期連続で低下した後、直前期で拡大し、4期中での最高額になっています。

 事業は次の5つのセグメントに分けられています。

全セグメントで前期を上回っています。

  ドライバルク事業:ドライバルク船による船舶運航業、貸船業等

   直前期の売上高・・・前期比162.4%の3,609億円

 エネルギー・海洋事業:石炭性や油送船等による船舶運航業、貸船業等

   直前期の売上高・・・前期比105.4%の3,031億円

  製品輸送事業:自動車専用船、貨物運送取扱業、フェリー事業等

   直前期の売上高・・・前期比130.3%の5,166億円

  関連事業:不動産事業、客船事業、曳船業、商社事業等

   直前期の売上高・・・前期比110.1%の1,081億円

  その他:船舶運航業、船舶管理業、貸船業

   直前期の売上高・・・前期比107.5%の242億円

 

 

 続いて川崎汽船です。

直前期の売上高は、前期比121.0%の7,570億円となりました。

2期連続で低下した後、直前期で拡大しました。

 事業は次の4つのセグメントに分けられています。

  ドライバルク:ドライバルク事業

   直前期の売上高・・・前期比151.9%の2,765億円

  エネルギー資源:油槽船事業、電力事業、液化天然ガス輸送船事業及び海洋事業

   直前期の売上高・・・前期比115.6%の897億円

  製品物流:自動車船事業、物流事業、近海・内航事業及びコンテナ船事業

   直前期の売上高・・・前期比111.9%の3,802億円

  その他:船舶管理業、旅行代理店業及び不動産賃貸・管理業等

   直前期の売上高・・・前期比40.4%の106億円

 

 

 そしてNSユナイテッド海運です。

直前期の売上高は、前期比141.5%の1,959億円となりました。

2期連続で低下した後、直前期で大きく拡大し、4期中での最高額となっています。

 事業は以下の2つのセグメントとその他に分けられています。

両セグメントで前期を上回っています。

  外航海運事業:外航船舶貸渡業、船舶管理業、海運附帯事業等

   直前期の売上高・・・前期比147.5%の1,722億円

  内航海運事業:内航海運事業

   直前期の売上高・・・前期比109.2%の237億円

 

 

営業利益推移

 

 トップ日本郵船です。

直前期の営業利益は、前期比375.9%の2,689億円となりました。

3期連続の伸長であり、2020.03期および直近の2022.03期では300%以上と極めて大きな伸びを示しています。

 なお、セグメントごとの営業利益額および伸び率は示されていません。

 

 2番手は商船三井です。

直前期の営業利益は、前期比1137.2%の550億円となりました。

2期連続で低下し、2021.03期では営業損失になりましたが、直前期で極めて大きく伸ばしています。

 なお、セグメントごとの営業利益額および伸び率は示されていません。

 

 続いてNSユナイテッド海運です。

直前期の営業利益は、前期比396.5%の267億円となりました。

2期連続で低下した後、直前期で極めて大きく伸ばしています。

セグメントごとの実績は以下のとおりであり、両セグメントで前期を上回っています。

  外航海運事業

   直前期の営業利益・・・前期比504.5%の249億円

  内航海運事業

   直前期の営業利益・・・前期比100.2%の18億円

 なお、中期経営計画「FORWARD 2030」において、2023年度の営業利益目標=100億円以上としていましたが、2021年度に前倒しで達成したとのことです。

 

 そして川崎汽船です。

直前期の営業利益は、前期比183.0%の177億円となりました。

赤字と黒字を繰り返していましたが、直前期で大きく拡大しています。

 セグメント損益について有価証券報告書に表記されていますが、営業利益ベースなのか不明なため記載は割愛します。

 

 

総資産推移

 

 最大日本郵船です。

直前期は、前年比144.9%とかなり増大しました。

当期純利益が1兆円以上にまでなったため、総資産のうち純資産が大きく増大しています。

 

 2番手は商船三井です。

過去3期はほぼ横ばいでしたが、直前期は前年比で3割近く増大しました。

当期純利益が7,000億円強計上され、純資産が前年の2倍近くに膨れました。

 

 続いて川崎汽船です。

当社も直前期で161.6と大きく増大しました。

当期純利益が前年の3倍以上、そして純資産が前年の6倍近くまで増大しています。

 

 そしてNSユナイテッド海運です。

3期連続の増大であり、安定した推移になっています。

 

 

従業員数推移

 

 最大なのは断トツで日本郵船です。

35,000人前後での推移となっています。

 

 2番手は商船三井です。

3期連続でわずかながら減少しています。

 

 続いて川崎汽船です。

2期連続で微減であり、直前期は比較的大きな減員となりました。

 

 そしてNSユナイテッド海運です。

3期連続の増員ですが、他の3社に比較すると少人数です。

 

 

今回の「経営規模」の順位による

比較レーダーチャートは以下のとおりです。

 

 

 

今回は以上です。

 

次回は、収益性の中の「利益創出力」を見ていきましょう。

 

 

 

 

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