Loading

COLUMNSブログ「論語と算盤」

水産業界-5

2023年2月13日

業界売上高トップ4

有価証券報告書 財務分析

 

<水産業界・・・第5回>

 

 

5回分析テーマ・・・資金力         

分析指標値:手元資金推移手元流動性比率

      手元資金有利子負債カバー率

           総資本営業CF比率売上高営業CF比率

 

(各指標の説明はこちら

 

 

手元資金推移

〔手元資金=現金預金+有価証券(短期保有目的)〕

 

 最大なのはマルハニチロです。

2期連続で急増しましたが、直前期では減少しています。

次回見ますが、営業CFが4割以上減少した上に、有利子負債を削減したことが影響しています。

 

 2番手は日本水産です。

2021決算期で急減していますが、これは長短有利子負債を6割以上一気に返済したことが主因です。

 

 続いて極洋です。

2期連続で拡大していましたが、直前期では減少しました。

 

 そして横浜冷凍です。

直近2期連続で減少しています。

 

 

手元流動性比率

〔手元流動性比率=(現金・預金+有価証券)÷(年商÷365)〕

 

 トップマルハニチロです。

10日分を超える程度であり、トップとは言えかなり少ない印象です。

 

 2番手は極洋です。

4社の中では、比較的安定している様子です。

 

 続いて横浜冷凍です。

直近2期連続で、かなり減少しています。

 

 そして日本水産です。

2020決算期は半月分(2週間)程度ありましたが、直近2期は1週間分程度となっています。

 

 

手元資金有利子負債カバー率

      〔手元資金有利子負債カバー率

=(現金・預金+有価証券)÷有利子負債〕

 

 トップ極洋です。

それでも10%を超えたレベルであり、他産業と比較するとかなり低い状況です。

 

 2番手はマルハニチロです。

直前期で10%を切りました。

 

 続いて日本水産です。

直前期は、前期から比較的大きく低下しています。

 

 そして横浜冷凍です。

自己資本比率は最も高かったのですが、有利子負債残高は月商の8ヵ月分程度と大きくなっています。

 

 

総資本営業CF比率

〔総資本営業CF比率=営業CF÷総資本〕

 

 トップ日本水産です。

年度ごとに上下しています。

総資本が安定した推移の中、営業CFが上下している影響です。

 

 2番手はマルハニチロです。

2期連続で低下しています。

総資本は3期連続で増加していますが、営業CFが2期連続で縮小しています。

特に、直前期は前年の6割程度のレベルであり、大きく減少しました。

 

 続いて横浜冷凍です。

2019決算期はトップでしたが、3期連続で急落しています。

総資本はほぼ一定レベルを維持しており、営業CFが3期連続で縮小しています。

特に、直前期は前期に比べて半減しています。

 

 そして極洋です。

総資本は2期連続の拡大であり、直前期は112%と比較的大きく上昇しています。

一方、営業CFは2019決算期および直前期においてマイナスになってしまいました。

 

 

売上高営業CF比率

〔売上高営業CF比率=営業CF÷売上高〕

 

 トップ横浜冷凍です。

ただし、3期連続で大きく低下しています。

 

 2番手は日本水産です。

前述同様に、年度ごとに上下しています。

 

 続いてマルハニチロです。

もっとも安定的と言えますが、直前期では低下しました。

 

 そして極洋です。

営業CFが恒常的にプラスになるよう、改善が期待されます。

 

 

今回、特に気になったのは、

4社とも安定的とは言いづらい現状でした。

総じて手元資金と営業CFのボリュームは小ぶりです。

 

 

今回の「資金力」の順位による

比較レーダーチャートは以下のとおりです。

 

 

 

今回は以上です。

 

次回は、「投資力」を見ていきましょう。

 

 

 

 

※当サイトの「注意・免責事項」ご確認ください。