業界売上高トップ4
有価証券報告書 財務分析
<メガネ小売業界・・・第4回>
第4回分析テーマ・・・資本活用力
分析指標値:総資本回転率、売上債権回収日数、
棚卸資産回転日数、
流動比率、自己資本比率
(各指標の説明サイトはこちら)
【総資本回転率】
〔総資本回転率=売上高÷総資本〕
トップはビジョナリーHDです。
直前期は、売上高はほぼ横ばいでしたが、総資本が減少したことで上昇しました。
総資本については、有利子負債が減少したのは良いとしても、最終赤字による純資産の減少の方が大きくなっており、痛し痒しの面があります。
2番手は僅差でパリミキHDです。
直近の上昇は、売上高が横ばいの中、総資本が減少したためです。
総資本の変化としては、最終赤字に伴う純資産の減少がありましたが、その額の2倍以上の有利子負債の削減を行っています。
続いてジンズHDです。
2020年決算期の大きな落ち込みは、売上高の微減と、総資本の比較的大きな増大によるものです。
総資本が増大した主因は、200億円規模の転換社債型新株予約権付社債の発行によるものです。
その後は、総資本の増大を上回る売上高の拡大が続いています。
そして愛眼です。
総資本は3期連続で減少しており、売上高も総じて低下傾向です。
ただし、直前期は売上高の上昇により、当指標が高まっています。
【売上債権回収日数】
〔売上債権回収日数=売上債権残高÷日商(売上高÷365)〕
最短なのは愛眼です。
卸売事業のウエイトが比較的小さく、総じて回収期間が短くなっています。
2番手はパリミキHDです。
日本と海外の事業セグメントには、それぞれ医療関連事業や建設事業が含まれているためと目されます。
3週間程度の回収期間となっています。
続いてジンズHDです。
国内アイウエア事業において、卸売や対FC販売があるようで、25日程度となっています。
そしてビジョナリーHDです。
卸売事業のウエイトは全売上高の4%弱とそれほど高くありません。
にもかかわらず約1か月分となっており、回収に時間がかかってます。
また、直近2期連続で大きく長期化している点も気がかりです。
【棚卸資産回転日数】
〔棚卸資産回転日数=棚卸資産残高÷日商(売上高÷365)〕
最短なのはジンズHDです。
1ヵ月程度であり、比較的安定した推移となっています。
ただし、直前期は、売上高伸長率をやや上回る比率で在庫が増えました。
2番手はビジョナリーHDです。
売上高が横ばいの中、在庫は削減されています。
前述の債権回収期間とは裏腹に、当指標は3期連続で短縮化しています。
続いて愛眼です。
直前期では、売上高が微増する中、在庫はほぼ前年並みにとどめたため短縮化しました。
今までの指標もそうでしたが、直前期に良化しています。
そしてパリミキHDです。
4社の中では、やや長めの期間になっています。
【流動比率】
〔流動比率=流動資産÷流動負債〕
トップは愛眼です。
流動資産は、3期連続で縮小していますが、流動負債はそれ以上の縮小傾向にあります。
当社は、有利子負債がゼロという完全無借金経営である点も、高い比率の要因です。
2番手はパリミキHDです。
3期連続の上昇であり、特に直前期では大きく上昇しました。
流動資産、流動負債ともに3期連続の減少ですが、減少割合は流動負債の方が大きくなっています。
続いてジンズHDです。
直前期で急低下したのは、2020年決算期に発行した転換社債型新株予約権付社債のうち100億円が流動負債に計上されたためです。
そしてビジョナリーHDです。
4社の中では低位安定となっていますが、そのレベルに不足感はありません。
【自己資本比率】
〔自己資本比率=自己資本÷総資本〕
トップは愛眼です。
直前期は、4期中で最高の値になっています。
2番手はパリミキHDです。
当社も、直前期が4期中で最高値になっています。
続いてジンズHDです。
2020年決算期に発行した転換社債型新株予約権付社債の影響はありますが、それを除くと安定的と言えます。
そしてビジョナリーHDです。
直前期の比較的大きめの低下は、前述しましたが、最終赤字による利益剰余金の減少が影響しています。
今回、特に気になったのは、
完全無借金経営の愛眼の強さ、
そしてパリミキHDの比較的安定した資本活用の状況でした。
今回の「資本活用力」の順位による
比較レーダーチャートは以下のとおりです。
今回は以上です。
次回は、「資金力」を見ていきましょう。
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