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有価証券報告書 財務分析
<メガネ小売業界・・・第5回>
第5回分析テーマ・・・資金力
分析指標値:手元資金推移、手元流動性比率、
手元資金有利子負債カバー率、
総資本営業CF比率、
売上高営業CF比率
(各指標の説明サイトはこちら)
【手元資金推移】
〔手元資金=現金預金+有価証券(短期保有目的)〕
トップはジンズHDです。
2020年決算期における転換社債型新株予約権付社債の発行によって、潤沢になっています。
2番手はパリミキHDです。
直前期ではやや減少度合いが大きくなっています。
続いて愛眼です。
53億円強で推移していましたが、直前期はやや減少しました。
そしてビジョナリーHDです。
2020年決算期において、2019年7月2020年と2月に第三者割当増資を行っており、手元資金を増やしました。
直前期では減少しています。
【手元流動性比率】
〔手元流動性比率
=(現金・預金+有価証券)÷(年商÷365)〕
トップは愛眼です。
4期を通じて4ヵ月分以上の保有であり、潤沢といえます。
2番手はジンズHDです。
2020年決算期で増やした後の直近2期は、約半月分ずつ減少してきています。
続いてパリミキHDです。
直前期で減少した主要因は有利子負債の削減です。
そしてビジョナリーHDです。
直前期の減少幅はやや大きめです。
☆コロナ禍における売上高の低迷により、各社とも現預金の流出がやや大きくなっているようです。
【手元資金有利子負債カバー率】
〔手元資金有利子負債カバー率
=(現金・預金+有価証券)÷有利子負債〕
トップは愛眼です。
表に示したように、完全無借金経営なのでグラフで表せていません。
無限大のカバー率と言える状況です。
2番手はパリミキHDです。
直前期に有利子負債の半分以上となる31億円強を削減しており、カバー率が急上昇しました。
続いてジンズHDです。
2021年決算期までは実質無借金経営でしたが、直前期は100%を割っています。
そしてビジョナリーHDです。
2020年決算期の増資によって、カバー率が上昇しました。
【総資本営業CF比率】
〔総資本営業CF比率=営業CF÷総資本〕
トップはジンズHDです。
ただし、3期連続の低下となっています。
2番手はパリミキHDです。
厳しい経営環境下ですが、4期を通じて安定的な推移となっています。
続いてビジョナリーHDです。
2020年決算期の増大は在庫削減が、翌2021年決算期のさらなる増大はその他流動負債の増加が主要因になっています。
そして愛眼です。
直近2期のマイナスは、やはり損益上の最終損失が主因といえます。
【売上高営業CF比率】
〔売上高営業CF比率=営業CF÷売上高〕
トップはジンズHDです。
2020年決算期で上昇したのは、営業CFが増え、かつ売上高が減少したせいです。
2番手以降の順位と推移は、前記の総資本営業CF比率とほぼ同様です。
今回、特に気になったのは、ビジョナリーHDの変動です。
これまでの指標で見られた年度による上下動から察すると、
コロナ禍の対応状況や、
吸収合併等による多忙さが表れているのかもしれません。
今回の「資金力」の順位による
比較レーダーチャートは以下のとおりです。
今回は以上です。
次回は、「投資力」を見ていきましょう。
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