業界の売上高トップ4の上場企業
有価証券報告書の財務面の分析
<オフィス家具業界・・・第1回>
コクヨ株式会社(12月決算)
株式会社オカムラ(3月決算)
株式会社内田洋行(7月決算)
株式会社イトーキ(12月決算)
※決算期が相違するので、直近を「2021年度」と表現します。
第1回分析テーマ・・・経営規模
分析実績値:売上高推移、営業利益推移、総資産推移、従業員数推移
【売上高推移】
トップはコクヨはです。
直前期の売上高は、前期比106.5%の3,202億円となりました。
2020年度でやや減少しましたが、直近では2019年度と同等レベルに復元しています。
なお、2024年度を最終年度とする第3次中期経営計画の目標数値として、売上高3,600億円が掲げられています。
事業は次の4つのセグメントに分けられています。
全セグメントで前期を上回っています。
▶ 空間価値ドメイン
直前期の売上高・・・前期比108.9%の1,549億円
▶ ビジネスサプライドメイン
直前期の売上高・・・前期比102.2%の1,099億円
▶ グローバルステーショナリードメイン
直前期の売上高・・・前期比108.8%の549億円
▶ その他
直前期の売上高・・・前期比126.1%の5億円
2番手はオカムラです。
直前期の売上高は、前期比106.8%の2,612億円となりました。
2020年度は微減しましたが、直近は4期中最高額となりました。
事業は次の4つのセグメントに分けられています。
▶ オフィス環境事業
直前期の売上高・・・前期比107.5%の1,406億円
▶ 商環境事業
直前期の売上高・・・前期比108.8%の1,027億円
▶ 物流システム事業
直前期の売上高・・・前期比83.7%の124億円
▶ その他
直前期の売上高・・・前期比121.0%の55億円
続いて内田洋行です。
直前期の売上高は、前期比76.2%の2,219億円となりました。
2期連続で急拡大していましたが、直近では大きく下がってしまいました。
この理由は、前々年度ではWindows更新需要、前年度は学校市場GIGAスクール構想という特需が収束したためとのことです。
事業は次の4つのセグメントに分けられています。
▶ 公共関連事業
直前期の売上高・・・前期比47.7%の747億円
▶ オフィス関連事業
直前期の売上高・・・前期比104.4%の484億円
▶ 情報関連事業
直前期の売上高・・・前期比112.3%の977億円
▶ その他
直前期の売上高・・・前期比101.6%の10億円
最後はイトーキです。
直前期の売上高は、前期比99.7%の1,158億円となりました。
2期連続で低下しています。
なお、中期計画「RISE ITOKI 2023」における数値目標として、売上高1,330億円を掲げています。
事業は次の3つのセグメントに分けられています。
▶ ワークプレイス事業
直前期の売上高・・・前期比97.1%の806億円
▶ 設備機器・パブリック事業
直前期の売上高・・・前期比106.0%の335億円
▶ IT・シェアリング事業
直前期の売上高・・・前期比111.5%の18億円
【営業利益推移】
トップはコクヨです。
直前期の営業利益は、前期比135.1%の200億円となりました。
2期連続で低下していましたが、直近は大きく挽回し、4期間中の最高額になっています。
なお、2024年度を最終年度とする第3次中期経営計画の目標数値として、営業利益275億円が掲げられています。
セグメント別の実績は以下のとおりです。
▶ 空間価値ドメイン
直前期の営業利益・・・前期比134.2%の186億円
▶ ビジネスサプライドメイン
直前期の営業利益・・・前期比99.7%の24億円
▶ グローバルステーショナリードメイン
直前期の営業利益・・・前期比129.0%の62億円
▶ その他:記載無し
※なお、セグメント間取引等の影響か合計は合いません。
2番手はオカムラです。
直前期の営業利益は、前期比112.7%の160億円となりました。
3期連続の拡大となっています。
セグメント別の実績は以下のとおりです。
▶ オフィス環境事業
直前期の営業利益・・・前期比137.0%の138億円
▶ 商環境事業
直前期の営業利益・・・前期比92.3%の27億円
▶ 物流システム事業
直前期の営業利益・・・営業損失6億円(前期は13億円の営業利益)
▶ その他
直前期の営業利益・・・前期比233.6%の0.4億円
続いて内田洋行です。
直前期の営業利益は、前期比76.1%の79億円となりました。
売上高と同様の推移であり、2期連続で増大していましたが直近では落ちています。
セグメント別の実績は以下のとおりです。
▶ 公共関連事業
直前期の営業利益・・・前期比53.7%の43億円
▶ オフィス関連事業
直前期の営業利益・・・前期比278.1%の5億円(前期は6億円の営業損失)
▶ 情報関連事業
直前期の営業利益・・・前期比100.0%の27億円
▶ その他
直前期の営業利益・・・前期比125.9%の4億円
そしてイトーキです。
直前期の営業利益は、前期比141.0%の25億円となりました。
2019年度は大きく減少しましたが、その後2期連続で増大させ、直近は4期間中の最高額になっています。
なお、中期計画「RISE ITOKI 2023」における数値目標として、営業利益60億円を掲げています。
セグメント別の実績は以下のとおりです。
▶ ワークプレイス事業
直前期の営業利益・・・前期比152.9%の19億円
▶ 設備機器・パブリック事業
直前期の営業利益・・・前期比79.6%の10億円
▶ IT・シェアリング事業
直前期の営業利益・・・営業損失4億円(前期は7億円の営業損失)
【総資産推移】
最大の総資産を誇るのはコクヨです。
3期連続の増大です。
2番手はオカムラです。
2期連続で増大しましたが、直前期は微減しました。
続いて内田洋行です。
2019年度、2020年度と大きく増大しましたが、直前期は縮小しました。
そしてイトーキです。
2期連続で縮小しています。
【従業員数推移】
最大の従業員数を誇るのはコクヨです。
ただし、2期連続で減少しています。
2番手はオカムラです。
3期連続の増員となっています。
続いてイトーキです。
2期連続の減員となっています。
そして内田洋行です。
3期連続で微増しています。
今回の「経営規模」の順位による
比較レーダーチャートは以下のとおりです。
今回は以上です。
次回は、収益性の中の「利益創出力」を見ていきましょう。
※当サイトの「注意・免責事項」ご確認ください。