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COLUMNSブログ「論語と算盤」

精密機械業界-6

2022年11月3日

精密機械業界の6回目最終回です。

 

今回は、「投資力」の分析です。

 

 

取り上げる指標は、営業CF対投資CF比率

各社別の営業/投資CF推移

ROICWACCとなります。

 

なお、各指標についての説明はこちらです。

 

 

営業CF対投資CF比率

〔営業CF対投資CF比率=営業CF÷投資CF〕

 

 営業CFと投資CFの乖離幅が最小なのはテルモです。

グラフの形状もほぼ水平を描いており、慎重に対応しているようにうかがえます。

 

 次に最小なのはオリンパスです。

 

 そしてHOYAです。

 

 ニコンはかなり乱高下しています

 

続いて各社の推移を見ていきます。

 

 

各社別 営業/投資CF推移

〔実額ベース〕

 オリンパス直前期の営業CFは前年の2021決算期よりも拡大しています。

これは、「税引前利益」が前年の2倍近くになったこと、前年に生じた「非継続事業からの税引前損失」がゼロとなったこと、前期よりも「法人所得税の支払額」が大きく減少したことが主因としてあげられます。

 次に、投資CFは前年より縮小しました。

前年に生じた「事業譲渡による支出」がゼロとなったこと、「子会社の取得による支出」が半減したことなどが主因です。

 結果、直前期のFCFは大きく拡大しています。

 

 テルモ営業CFは安定的な拡大傾向を示しています。

前年から直前期における各要因には大きな変化は見られず、「税引前利益」の拡大が主因となっています。

 投資CFにおいても、800億円前後での安定した推移となっています。

ちなみに、直前期では「有形固定資産の取得による支出」が減少しています。

 以上から、直前期のFCFは大きく拡大しています。

 

 HOYA直前期の営業CFは前年より拡大しています。

「税引前当期利益」が拡大したことが主因です。

 投資CFはほぼ前年並みです。

2019決算期からの推移では、かなり減少させました。

 結果、直前期のFCFは拡大しています。

 

 ニコンの営業CFは、かなり乱高下していますが、直前期では拡大しました

「税引前利益」が、△453億円の赤字から571億円の黒字へと、収益状況が大きく改善したことが主因です。

 一方の投資CFは、前年はプラス値であり、直前期もかなり少額といえます。

前年では「投資有価証券の売却による収入」が387億円と巨額のプラス要因になっており、直前期においても205億円に上ったことが主因です。

なお、両年とも「有形・無形固定資産の取得による支出」は230億円強であり、過去と同等のレベルです。

 結果、直前期のFCFは拡大しています。

 

ROIC

〔ROIC=(営業利益−法人税等)÷(純資産+有利子負債)〕

 

 トップHOYAです。

4期間とも15%以上と安定した推移となっています。

総じてかなり高いレベルであり、投資に対するリターンは十分と判断されます。

 

 2番手はオリンパスです。

2020決算期から10%台近辺となっており、こちらも高いレベルと言えます。

 

 続いてテルモです。

やや低下傾向ではありますが、比較的高いレベルであり、にもかくにも安定しています。

なお、成長戦略における資本効率性の目標として、「ROIC:10%以上」を掲げています

 

 そしてニコンです。

直前期で大きく挽回し、5%台をうかがうレベルになりました。

 

 

WACC

 〔WACC=株主資本コスト×(株主資本÷(株主資本+有利子負債))

  +負債コスト(1-実効税率)×(有利子負債÷(株主資本+有利子負債))〕

 

 

 〔ROIC-WACC〕が最大となっているのはHOYAです。

ROICの大きさもさることながら、WACCも4社中最少です。

 

 2番手はオリンパスです。

ROICWACC2番手であり、〔ROIC-WACC〕の値は高いレベルと言えます。

 

 続いてテルモです。

残念ながらマイナスになりました。

ROICは決して低くありませんが、WACCが高くなっています。

主因は、β値の大きさによる株主資本コストの高さです。

 

 そしてニコンです。

当社もマイナスになりました。

負債コストは4社中最も抑制されていますが、やはりβ値が大きいことから株主資本コストが高まっています。

 

 

今回の「投資力」の順位による

比較レーダーチャートは以下のとおりです。

 

※営業CF対投資CF比率の順位は、100%との乖離幅が最小となる会社から1~4位としています。

 

 

また、全6回の分析における順位の

比較レーダーチャートは以下のとおりです。

 

 

 

以上で、精密機械業界を終了します。

 

 

 

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