精密機械業界の5回目です。
今回は、「資金力」の分析です。
取り上げる指標は、手元資金推移、手元流動性比率、
手元資金有利子負債カバー率、
総資本営業CF比率、売上高営業CF比率となります。
なお、各指標についての説明はこちらです。
【手元資金推移】
〔手元資金=現金預金+有価証券(短期保有目的)〕
トップはHOYAです。
3期連続で拡大しています。
2番手はニコンです。
2021期まではトップでした。
直近2期連続で拡大しています。
続いてオリンパスです。
3期連続の拡大であり、その度合いも相当に大きくなっています。
そしてテルモです。
3期連続の拡大ですが、直前期はやや勢いが落ちています。
【手元流動性比率】
〔手元流動性比率=(現金・預金+有価証券)÷(年商÷365)〕
トップはニコンです。
4期とも日商で200日以上の手元資金を有しています。
直前期はやや低下したものの、月商の8ヶ月分以上と極めて高い流動性です。
2番手はHOYAです。
3期連続の上昇であり、直前期では月商の8ヶ月分近くとなりました。
上昇度合いも安定しています。
続いてオリンパスです。
3期連続の上昇であり、直前期では月商の4ヶ月分程度となっています。
そしてテルモです。
直前期は低下しましたが、それでも月商の3ヶ月半程度となっています。
【手元資金有利子負債カバー率】
〔手元資金有利子負債カバー率
=(現金・預金+有価証券)÷有利子負債〕
トップはHOYAです。
値が高すぎてグラフに表わせていません。
当然、実質無借金経営の状態にあります。
2019決算期においては、有利子負債合計の100倍以上の手元資金を有していました。
翌2020決算期に大きく低下しましたが、その後は上昇傾向になっています。
直前期では、有利子負債合計の20倍近くの手元資金となっています。
2番手はニコンです。
4期間とも200%台後半から300%であり、余裕ある実質無借金経営の状態です。
続いてテルモです。
3期連続で上昇しており、あと一歩で実質無借金経営という状況です。
そしてオリンパスです。
直近2期連続で上昇させました。
4社中4位であり、実質無借金経営でもありませんが、至って自然なレベルと考えられます。
如何せん、トップ2社のレベルが高すぎます。
【総資本営業CF比率】
〔総資本営業CF比率=営業CF÷総資本〕
トップはHOYAです。
20%近辺での推移であり、高レベルかつ安定的です。
2番手はオリンパスです。
2020決算期からの3期間は10%以上の高い推移となっています。
続いてテルモです。
4期間とも図ったように9%台を維持しており、安定しています。
そしてニコンです。
手元資金の多さの割には、それほど高い比率ではありません。
【売上高営業CF比率】
〔売上高営業CF比率=営業CF÷売上高〕
トップはHOYAであり、30%台をうかがう、相当に高いレベルを維持しています。
2番手がテルモであり、3期連続の上昇で安定的です。
続いてオリンパスであり、20%近くと高いレベルです。
そしてニコンですが、売上高比率でなら直前期の値は良好と言えます。
今回、特に気になったのは、
前回同様にHOYAの資金力の強さ、
そしてニコンの手元資金の潤沢さでした。
今回の「資金力」の順位による
比較レーダーチャートは以下のとおりです。
今回は以上です。
次回は、「投資力」を見ていきましょう。
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