精密機械業界の4回目です。
今回は、「資本活用力」の分析です。
取り上げる指標は、総資本回転率、売上債権回収日数、
棚卸資産回転日数、流動比率、自己資本比率となります。
なお、各指標についての説明はこちらです。
【総資本回転率】
〔総資本回転率=売上高÷総資本〕
トップはHOYAです。
2020期と2021期は、ともに売上高伸長率以上に総資本の伸びが大きくなりました。
総資本のうちでは、有利子負債よりも純資産の伸びが大きくなっています。
ただし直前期では、純資産の拡大も大きかったのですが、売上高はそれ以上に増大しています。
2番手はオリンパスです。
2020期と2021期ともに売上高が減少する中、総資本は3期連続で2ケタ程度拡大しています。
この2期における総資本では、有利子負債の増大が中心となっています。
直前期は売上高が大きく増大したことから、当指標が高まりました。
(上記2社の推移は似かよった形になっています。)
続いてニコンです。
2020期と2021期はともに総資本が減少していますが、売上高はそれ以上に低下しました。
直前期では、ともに前期比で増大しましたが、売上高の増大度合いが大きくなっています。
そしてテルモです。
当社も2期連続の低下の後、直前期で上昇させています。
直前期では、有利子負債が減少し、純資産が大きく増えています。
【売上債権回収日数】
〔売上債権回収日数=売上債権残高÷日商(売上高÷365)〕
最も短期間なのはニコンです。
ただし、やや長期化傾向にあるようで、直前期はこの4期間中で最長となっています。
2番目に短期間なのはテルモです。
直前期までは70日台後半でしたが、直前期は6日間ほど短縮しています。
続いてHOYAです。
2021期に大幅に長期化し、直前期で抑制したような形になっています。
そしてオリンパスです。
やはり、2021期で長期化した後、直前期で抑制しています。
(こちらの指標についても、上記2社の推移が似かよっています。)
【棚卸資産回転日数】
〔棚卸資産回転日数=棚卸資産残高÷日商(売上高÷365)〕
最も短期間なのはHOYAです。
50日前後での推移となっています。
2番目に短期間なのはオリンパスです。
直前期は2020期や2021期から10日前後短縮しています。
続いてテルモです。
やや長期化傾向のようであり、直近2期間は100日超の推移となっています。
そしてニコンです。
2021期には200日に届きそうな勢いでしたが、直前期では削減しています。
【流動比率】
〔流動比率=流動資産÷流動負債〕
トップはHOYAです。
総じて400%以上という状況が続いています。
2番手はテルモです。
直近2期は上昇傾向になっています。
続いてニコンです。
200%超のレベルを維持しており、直近2期間は上昇しています。
そしてオリンパスです。
直近2期間は上昇傾向にあります。
【自己資本比率】
〔自己資本比率=自己資本÷総資本〕
トップはHOYAです。
80%台での推移を維持しており、極めて高いレベルと言えます。
2番手はテルモです。
2期連続で上昇しており、70%に乗せるような勢いです。
続いてニコンです。
50%台前半での推移でしたが、直前期ではやや上昇しました。
そしてオリンパスです。
2期連続での低下の後、直前期では上昇しています。
今回、特に気になったのはHOYAの安定性です。
今回の「資本活用力」の順位による
比較レーダーチャートは以下のとおりです。
今回は以上です。
次回は、「資金力」を見ていきましょう。
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