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COLUMNSブログ「論語と算盤」

精密機械業界-3

2022年10月24日

精密機械業界の3回目です。

 

今回は、「稼ぐ力」の分析です。

 

 

取り上げる指標は、

EBITDAEBITDAマージンROEとなります。

 

なお、各指標についての説明はこちらです。

 

 

EBITDA

〔EBITDA=営業利益+償却費〕

 

 

 トップHOYAです。

4社中で唯一の3期連続の拡大であり、また4期連続のトップです。

前回見た利益率も含めて、収益力の強さが表れています。

直前期では営業利益も増えていますが、償却費も前年比118.4%と比較的大きく増大しています。

 

 2番手はオリンパスです。

2021期で落ちましたが、直前期で大きく伸ばしました

償却額は4社中最大であり、直前期は前年比107.8%の伸びとなっています。

 

 続いてテルモです。

当社はあらゆる指標が安定的です。

償却費は、前年比109.2%の伸びとなっています。

 

 そしてニコンです。

2021期は営業損失であり、償却費を加えてもマイナスでした。

ただし、直前期の営業利益拡大により、2019決算期の実績にかなり近づきました

一方、償却費は前年より減少しています。

 

 

EBITDAマージン

〔EBITDAマージン=EBITDA÷売上高〕

 

EBITDAの売上高比である当マージンですが、

4社とも特筆する要因が見当たらないので、

解説は割愛します。

 

 

ROE

〔ROE=親会社株主に帰属する当期純利益   

    ÷{純資産-(新株予約権+非支配株主持分)}〕

 

 トップオリンパスです。

乱高下していますが、直前期の伸びは相当に大きくなっています。

分母の純資産(親会社所有者持分、以下同)は前年比129.4%、それに対して分子の当期利益(親会社所有者帰属分、以下同)が896.0%と前年の10倍近くまで拡大しています。

 

 2番手はHOYAです。

2期連続の上昇であり、高いレベルで安定的に推移しています。

分母の純資産の伸びは前年比116.8%で、分子の当期利益(全事業)は同132.0%となっています。

 

 続いてテルモです。

またしても安定的な推移に映りますが、3期連続で微減しています。

直前期では、純資産が前年比118.2%、当期利益は同114.9%です。

なお、成長戦略における資本効率性の目標として、「ROE:10%以上の堅持」を掲げています。

 

 そしてニコンです。

直前期で大きく上昇しました。

直前期の純資産は前年比111.2%であり、当期利益は前年が345億円の損失に対して直前期は427億円の黒字となりました。

 

 

今回、特に気になったのはHOYAの「稼ぐ力」の強さでした。

 

今回の「稼ぐ力」の順位による

比較レーダーチャートは以下のとおりです。

 

 

 

今回は以上です。

 

次回は、「資本活用力」を見ていきましょう。

 

 

 

 

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