精密機械業界の3回目です。
今回は、「稼ぐ力」の分析です。
取り上げる指標は、
EBITDA、EBITDAマージン、ROEとなります。
なお、各指標についての説明はこちらです。
【EBITDA】
〔EBITDA=営業利益+償却費〕
トップはHOYAです。
4社中で唯一の3期連続の拡大であり、また4期連続のトップです。
前回見た利益率も含めて、収益力の強さが表れています。
直前期では営業利益も増えていますが、償却費も前年比118.4%と比較的大きく増大しています。
2番手はオリンパスです。
2021期で落ちましたが、直前期で大きく伸ばしました。
償却額は4社中最大であり、直前期は前年比107.8%の伸びとなっています。
続いてテルモです。
当社はあらゆる指標が安定的です。
償却費は、前年比109.2%の伸びとなっています。
そしてニコンです。
2021期は営業損失であり、償却費を加えてもマイナスでした。
ただし、直前期の営業利益拡大により、2019決算期の実績にかなり近づきました。
一方、償却費は前年より減少しています。
【EBITDAマージン】
〔EBITDAマージン=EBITDA÷売上高〕
EBITDAの売上高比である当マージンですが、
4社とも特筆する要因が見当たらないので、
解説は割愛します。
【ROE】
〔ROE=親会社株主に帰属する当期純利益
÷{純資産-(新株予約権+非支配株主持分)}〕
トップはオリンパスです。
乱高下していますが、直前期の伸びは相当に大きくなっています。
分母の純資産(親会社所有者持分、以下同)は前年比129.4%、それに対して分子の当期利益(親会社所有者帰属分、以下同)が896.0%と前年の10倍近くまで拡大しています。
2番手はHOYAです。
2期連続の上昇であり、高いレベルで安定的に推移しています。
分母の純資産の伸びは前年比116.8%で、分子の当期利益(全事業)は同132.0%となっています。
続いてテルモです。
またしても安定的な推移に映りますが、3期連続で微減しています。
直前期では、純資産が前年比118.2%、当期利益は同114.9%です。
なお、成長戦略における資本効率性の目標として、「ROE:10%以上の堅持」を掲げています。
そしてニコンです。
直前期で大きく上昇しました。
直前期の純資産は前年比111.2%であり、当期利益は前年が345億円の損失に対して直前期は427億円の黒字となりました。
今回、特に気になったのはHOYAの「稼ぐ力」の強さでした。
今回の「稼ぐ力」の順位による
比較レーダーチャートは以下のとおりです。
今回は以上です。
次回は、「資本活用力」を見ていきましょう。
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