今回から精密機械業界を取り上げます。
取り上げる会社は次の4社です。
オリンパス株式会社
テルモ株式会社
HOYA株式会社
株式会社ニコン
(4社とも3月決算です)
第1回の今回は「経営規模」を確認します。
取り上げる実績値は、売上高推移、営業利益推移、
総資産推移、従業員数推移です。
【売上高推移】
トップはオリンパスです。
直前期の売上高は、前期比118.9%の8,689億円となりました。
2期連続で低下した後、直前期で大きく挽回しています。
この4期間での最高値であり、8千億円台に乗せました。
事業は次の4つのセグメントに分けられています。
全セグメントで前期を上回っています。
▶ 内視鏡
直前期の売上高・・・前期比117.2%の4,615億円
▶ 治療機器
直前期の売上高・・・前期比118.9%の2,756億円
▶ 科学
直前期の売上高・・・前期比124.2%の1,191億円
▶ その他
直前期の売上高・・・前期比137.6%の126億円
なお、目標とする経営指標の一つとして、「売上高成長率5-6%」が掲げられています。
2番手はテルモです。
直前期の売上高は、前期比114.6%の7,033億円となりました。
2021決算期はやや低下しましたが、直前期では大きく伸ばしています。
この4期間での最高値であり、7千億円台に乗せました。
事業は次の3つのセグメントに分けられています。
全セグメントで前期を上回っています。
▶ 心臓血管カンパニー
直前期の売上高・・・前期比120.9%の3,971億円
▶ メディカルケアソリューションズ カンパニー
直前期の売上高・・・前期比105.6%の1,853億円
▶ 血液・細胞テクノロジーカンパニー
直前期の売上高・・・前期比110.1%の1,206億円
なお、成長戦略における成長性の目標として、「売上高成長率:1桁後半」を掲げています。
続いてHOYAです。
直前期の売上高は、前期比120.7%の6,615億円となりました。
当社も2021決算期で低下しましたが、直前期でかなり大きく挽回しています。
この4期間での最高値であり、6千億円台に乗せました。
事業は次の3つのセグメントに分けられています。
全セグメントで前期を上回っています。
▶ ライフケア
直前期の売上高・・・前期比119.2%の4,075億円
▶ 情報・通信
直前期の売上高・・・前期比123.6%の2,484億円
▶ その他
直前期の売上高・・・前期比107.0%の55億円
そしてニコンです。
直前期の売上高は、前期比119.6%の5,396億円となりました。
2期連続でかなり低下しましたが、直前期で拡大しました。
ただし、2019・2020決算期の実績には届いていません。
事業は多面的であり、次の5つのセグメントに分けられています。
全セグメントで前期を上回っています。
▶ 映像事業:カメラ、レンズ等
直前期の売上高・・・前期比118.7%の1,782億円
▶ 精機事業:FPD露光装置、半導体露光装置等
直前期の売上高・・・前期比114.3%の2,112億円
▶ ヘルスケア事業:ラフサイエンスソリューション等
直前期の売上高・・・前期比116.5%の732億円
▶ コンポーネント事業:デジタルソリューションズ等
直前期の売上高・・・前期比158.5%の409億円
▶ 産業機器・その他
直前期の売上高・・・前期比130.6%の361億円
【営業利益推移】
トップはHOYAです。
直前期の営業利益は、前期比125.0%の1,988億円となりました。
3期連続の拡大であり、拡大幅が年々大きくなっています。
この4期間での最高値です。
セグメントごとの結果は下記のとおりです。
全セグメントで前期を上回っています。
▶ ライフケア
直前期の営業利益・・・前期比135.8%の863億円
▶ 情報・通信
直前期の営業利益・・・前期比129.5%の1,229億円
▶ その他
直前期の営業利益・・・前期より増益で30億円
2番手はオリンパスです。
直前期の営業利益は、前期比187.7%の1,539億円となりました。
2020決算期で大きく増大し、翌2021決算期は低下、直前期はかなり大きく挽回しています。
この4期間での最高値となっています。
セグメントごとの結果は下記のとおりです。
※なお、消去又は全社扱いがあるため、セグメント合計は全社営業利益額と一致しません。
▶ 内視鏡
直前期の営業利益・・・前期比134.9%の1,332億円
▶ 治療機器
直前期の営業利益・・・前期比199.0%の608億円
▶ 科学
直前期の営業利益・・・前期比354.1%の175億円
▶ その他
直前期の営業利益・・・20億円の営業損失
続いてテルモです。
直前期の営業利益は、前期比117.9%の1,160億円となりました。
2021期で1,000億円を下回りましたが、直前期で復元させました。
この4期間での最高値になっています。
セグメントごとの結果は下記のとおりです。
※なお、下記の値は調整後営業利益であり、「営業利益から買収に伴い取得した無形資産の償却費及び一時的な損益を調整した利益」とされています。
▶ 心臓血管カンパニー
直前期の調整後営業利益・・・前期比125.3%の932億円
▶ メディカルケアソリューションズ カンパニー
直前期の調整後営業利益・・・前期比91.7%の236億円
▶ 血液・細胞テクノロジーカンパニー
直前期の調整後営業利益・・・前期比109.2%の208億円
そしてニコンです。
直前期の営業利益は、前期比188.8%の499億円となりました。
2期連続で大きく低下し、2021期は営業損失にまで落ち込みましたが、直前期でかなり挽回しています。
全てのセグメントで前年を上回っています。
セグメントごとの結果は下記のとおりです。
※なお、直前期にセグメント区分の組み換えを行ったため、前年比率の記載はありません。
※また、グループ内取引で生じた損益が含まれており、全社営業利益額と合計額は一致しません。
▶ 映像事業:カメラ、レンズ等
直前期の営業利益・・・前期364億円の営業損失に対して、191億円の利益
▶ 精機事業:FPD露光装置、半導体露光装置等
直前期の営業利益・・・前期6億円の営業損失に対して、277億円の利益
▶ ヘルスケア事業:ラフサイエンスソリューション等
直前期の営業利益・・・前期31億円の営業損失に対して、44億円の利益
▶ コンポーネント事業:デジタルソリューションズ等
直前期の営業利益・・・前期2億円の利益に対して、127億円の利益
▶ 産業機器・その他
直前期の営業利益・・・前期13億円の営業損失に対して、30億円の利益
【総資産推移】
トップはテルモです。
3期連続で、毎期110%近くの伸びとなっています。
直前期では、長短の有利子負債が減少し、純資産が2割近くまで拡大しています。
2番手はオリンパスです。
当社も3期連続の拡大であり、直近2期の伸び率はかなり大きくなっています。
有利子負債の増加度合いが逓減しており、純資産の伸びが拡大しています。
続いてニコンです。
2期連続で低下した後、直前期で拡大しました。
低下した2期は純資産の縮小が主因です。
そしてHOYAです。
3期連続の拡大であり、直前期は大きく増大しました。
拡大したのは主として純資産となっています。
【従業員数推移】
トップはHOYAです。
直近2期連続で増員しています。
2番手はオリンパスです。
直近2期連続で減員となっています。
続いてテルモです。
3期連続の増員です。
そしてニコンです。
3期連続の減員となっています。
今回の「経営規模」の順位による
比較レーダーチャートは以下のとおりです。
今回は以上です。
次回は、収益性の中の「利益創出力」を見ていきましょう。
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