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COLUMNSブログ「論語と算盤」

建設業界-5(2022)

2022年7月18日

建設業界の5回目です。

 

今回は、「資金力」の分析です。

 

 

 取り上げる指標は、手元資金推移手元流動性比率

手元資金有利子負債カバー率総資本営業CF比率

売上高営業CF比率となります。

 

なお、各指標についての説明はこちらです。

 

 

手元資金推移

〔手元資金=現金預金+有価証券(短期保有目的)〕

 

 トップ大成建設です。

4期間、4社中、圧倒的な手元資金量です。

 

 2番手は清水建設です。

この4期間は、3,000億円弱という推移です。

 

 続いて鹿島建設です。

この4期間は、増加と減少が繰り返されている形です。

 

 最後は大林組です。

この3期間、2019期からは増大しています。

 

 

手元流動性比率

〔手元流動性比率=(現金・預金+有価証券)÷(年商÷365)〕

 

 トップはやはり大成建設です。

月商でいうと、3~4ヶ月分の資金を有していることになります。

 

 2番手は清水建設です。

月商の2ヶ月強を保有している形です。

 

 続いて大林組です。

2020期は大きく伸びましたが、その後2期連続の低下となっています。

 

 最後は鹿島建設です。

月商の2ヶ月分弱の保有という推移です。

 

 

手元資金有利子負債カバー率

〔手元資金有利子負債カバー率=(現金・預金+有価証券)÷有利子負債〕

 

 トップ大成建設です。

有利子負債の2倍以上の手元資金を有しており、充分な実質無借金経営の状態です。

資金力について、ここまでの指標では群を抜いた存在になっています。

 

 2番手は大林組です。

2020期と2021期は実質無借金経営でした。

直前期は100%を割りましたが、特段の問題は感じられません。

 

 鹿島建設が続きます。

手元資金が多かった2019期と2021期が完全無借金経営でした。

この順番だと、今期は良化することになりますが、どうでしょうか。

 

 最後は清水建設です。

2期連続で低下しています。

ただし、特段問題視されるような状況ではないと言えるでしょう。

 

 

総資本営業CF比率

〔総資本営業CF比率=営業CF÷総資本〕

 

 トップ大成建設です。

2019期は営業CFがマイナスでしたが、その後は4%前後で安定的にキャッシュを生み出しています

資金面に関する安定度が感じられます。

 

 2番手は清水建設です。

2019期は営業CFがマイナスでした。

2020期に上昇させましたが、その後2期連続の低下となっています。

 

 大林組が続きます。

2020期キャッシュ創出レベルは相当高いと言えます。

2021期で急落しましたが、直前期で再び上昇しています。

 

 最後は鹿島建設です。

2021期はかなり高い比率でしたが、直近では急落しました。

 

 

売上高営業CF比率

〔売上高営業CF比率=営業CF÷売上高〕

 

 トップは僅差で清水建設となりました。

 

 2番手が大成建設です。

 

 大林組が続きます。

 

 最後は鹿島建設であり、1.5%と低めの水準になっています。

 

 

 

今回、特に気になったのは、

大成建設の「資金力」における安定感と力強さです。

 

また、前回まで各指標で良好だった

鹿島建設が低位に位置したことも印象的です。

 

 

今回は以上です。

 

次回は、「投資力」を見ていきましょう。

 

 

 

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