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COLUMNSブログ「論語と算盤」

建設業界-4(2022)

2022年7月14日

建設業界の4回目です。

 

今回は、「資本活用力」の分析です。

 

 

取り上げる指標は、総資本回転率売上債権回収日数、     

棚卸資産回転日数流動比率自己資本比率となります。

 

なお、各指標についての説明はこちらです。

 

 

総資本回転率

〔総資本回転率=売上高÷総資本〕

 

 トップ鹿島建設です。

2期連続で低下した後、直前期で上昇しています。

直前期は、総資産の前年伸び率108.0%に対して売上高は109.0%でした。

 

 2番手は大林組です。

2020期は4社中トップであり、2021期で大きく落としたものの、直前期で上昇しました。

直前期は、総資産の前年伸び率106.6%に対して売上高は108.8%でした。

 

 僅差で大成建設が続きます。

2020期はトップ争いの位置取りでした。

しかし、翌2021期で急落し、直前期ではほぼ横ばいという状況です。

 

 最後は清水建設です。

3期連続の低下です。

他の3社がやや持ち直している直前期についても低下しています。

 

 

売上債権回収日数

〔売上債権回収日数=売上債権残高÷日商(売上高÷365)〕

 

 トップ、つまり最短鹿島建設です。

2021期でかなり短期化させましたが、直前期ではやや伸びています。

ちなみに、4社中で最短とはいえ4ヶ月分強という状況です。

 

 2番手は大成建設です。

4社の中では良好な方ですが、3期連続で長期化しています。

債権回収に4.5ヶ月ほどかかっている状況です。

 

 続いて清水建設です。

2020期と2021期は相対的に短期間でしたが、直前期で大きく伸びてしまっています

回収期間が5.5ヶ月強となっています。

 

 最後は大林組です。

4期間とも4社中で最長の回収期間となっています。

直前期は6ヵ月(半年)近くと、かなり長期になっています。

 

 

棚卸資産回転日数

〔棚卸資産回転日数=棚卸資産残高÷日商(売上高÷365)〕

 

 トップは清水建設です。

直前期で一気に短縮化させました。

直前期の売上高伸び率は前年比で101.8%、それに対して棚卸資産は38.9%となっています。

最大金額であった未成工事支出金が半減した点が強く働いています。

 

 2番手は大林組です。

4期間を通じて相対的に抑制された推移と言えます。

直前期の棚卸資産伸び率は前年比73.7%となっています。

内訳では、最大金額の未成工事支出金が前年比63.3%と減少しています。

 

 続いて大成建設です。

2期連続で長期化した後、直前期で短縮しました。

内訳では、2020期と2021期は最大項目の棚卸不動産が拡大しましたが、直前期は98.3%と微減しています。

また、未成工事支出金も92.6%と減少しています。

 

 最後は鹿島建設です。

2期連続で長期化した後、直前期で短縮しました。

この4期間、そして4社の中では、総じて長期間と言えます。

特に、開発事業支出金が前年比で159.1%、138.6%、176.9%と3期連続で大幅に伸びています

その結果、直前期の残高は1,831億円となり、棚卸資産全体に占める割合が67.5%にまで増大しています。

 

 

流動比率

〔流動比率=流動資産÷流動負債〕

 

 トップ大成建設です。

2019期から2期連続で上昇した後、直前期ではやや低下しました。

直前期の流動資産は前年比104.5%でしたが、短期の有利子負債が131.5%と上昇しています。

 

 2番手は清水建設です。

当社も直前期で低下しており、流動資産の前年比113.5%に対し、短期の有利子負債が124.8%と膨らんでいます。

 

 続いて鹿島建設です。

推移は前2社と似ており、やはり直前期の低下は短期の有利子負債が140.0%と上昇したためです。

 

 最後は大林組です。

2期連続で上昇した後、直前期は短期の有利子負債の増大により低下しました。

 

 

自己資本比率

〔自己資本比率=自己資本÷総資本〕

 

 トップ大成建設です。

自己資本つまり純資産は増大傾向です。

直前期は総資本の増加度合いが高まったため、比率としては横ばいとなりました。

4期間とも、4社の中では高いレベルとなっています。

 

 2番手は鹿島建設です。

2021期までは低位に位置していましたが、直前期で2番手となりました。

直前期は、4社中で唯一の上昇となっています。

 

 続いて大林組です。

直前期でやや低下しています。

当期純利益の減少により純資産の伸びが抑制されたことに加え、長短有利子負債が前年比123.5%と増加した結果です。

なお、中期経営計画2022においては、目標とする自己資本比率を40%程度としています。

 

 最後は清水建設です。

直前期の低下度合いが大きくなっています。

当期純利益の減少が純資産の伸長率を低下させ、長短有利子負債が前年比123.6%と増加しています。

なお、中期経営計画(2019-2023)の財務KPIとして、自己資本比率を40%以上としています。

 

 

資本活用力」の状況は、各社各様という印象です。

 

 

今回は以上です。

 

次回は、「資金力」を見ていきましょう。

 

 

 

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