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COLUMNSブログ「論語と算盤」

タイヤ業界-1

2022年6月13日

今回からタイヤ業界を取り上げます。

 

取り上げる会社は次の4社であり、決算月は4社とも12月です。

 

             株式会社ブリヂストン

             住友ゴム工業株式会社

             横浜ゴム株式会社

             TOYO TIRE株式会社

 

 

1回の今回は「成長力」を確認します。

 

取り上げる実績値は、売上高推移営業利益推移総資産推移従業員数推移です。

 

 

売上高推移

 

 ブリヂストンが圧倒的な差をつけてトップです。

世界的な売上順位でもミシュランに肉薄する僅差で、2位に位置しています。

なお、世界の市場シェアについては、ミシュランブリヂストンシェアがそれぞれ25%程度、続くグッドイヤーとコンチネンタルがそれぞれ14%程度と、トップ4社で全世界市場の3/4以上、8割近くを占めています。

直前期の売上高は、前期比120.4%32,461億円となりました。

2期連続で低下した後、直前期で挽回しましたが、2019.12期のレベルまでには回復していません。

事業セグメントは地域別となっています。

直前期は、全セグメントで前期を上回る実績となりました。

  ▶日本

   直前期の売上高・・・前期比112.5%8,730億円

  ▶米州(最大の売上セグメント)

   直前期の売上高・・・前期比125.0%14,546億円

  ▶欧州・ロシア・中近東・インド・アフリカ

   直前期の売上高・・・前期比126.1%6,939億円

  ▶中国・アジア・大洋州

   直前期の売上高・・・前期比120.0%3,869億円

  ▶その他

   直前期の売上高・・・前期比128.9%664億円

なお、中期事業計画では

2023年度の売上高目標を3兆3,000億円としています。

 

 2番手は住友ゴム工業であり、ダンロップのブランドで知られています。

世界第5位の売上高規模のようです。

直前期の売上高は、前期比118.4%9,360億円となりました。

2期連続で低下した後、直前期で挽回し、この4期間では最高額になっています。

事業は、タイヤ事業を中心に、次の3つのセグメントに分けられています。

  タイヤ事業

   直前期の売上高・・・前期比116.9%7,951億円

  スポーツ事業

   直前期の売上高・・・前期比144.4%1,014億円

  産業品他事業

   直前期の売上高・・・前期比97.2%396億円

なお、中期計画では、2025年度までの売上高目標を1兆円以上としています。

 

 続いて横浜ゴムです。

直前期の売上高は、前期比121.7%6,708億円であり、この4期間で最大額となりました。

また、この対前期伸長率は、この4社の中で最高値です。

事業は次の4つのセグメントに分けられており、全セグメントで前期を上回っています。

  タイヤ

   直前期の売上高・・・前期比117.8%4,702億円

  MB(コンベアベルトや各種ホース等)

   直前期の売上高・・・前期比106.8%844億円

  ATG(農業、林業機械用等の各種タイヤ)

   直前期の売上高・・・前期比164.8%1,073億円

  その他(スポーツ用品、情報処理サービス等)

   直前期の売上高・・・前期比114.6%89億円

なお、中期経営計画では

2023年度までの売上高目標を7,000億円としています。

 

 最後がTOYO TIREです。

直前期の売上高は、前期比114.5%3,936億円となりました。

2期連続で低下した後、直前期で増大し、この4期間での最大額になりました。

事業は次の3つのセグメントに分けられています。

全セグメントで前期を上回っています

  タイヤ事業

   直前期の売上高・・・前期比115.7%3,546億円

  自動車部品事業(自動車用防振ゴム等)

   直前期の売上高・・・前期比105.0%390億円

  その他

   直前期の売上高についての記載はありません。

 

 

営業利益推移

 

 トップはブリヂストンです。

2020.12期が大きく低下したため、直前期の営業利益の伸び率は603.0%となりました。

金額ベースでは2019.12期を上回りました。

セグメント別は以下のとおりですが、全て「調整後営業利益」となっています。

  ▶日本

   直前期の調整後営業利益・・・前期比129%1,170億円

  ▶米州(最大の売上セグメント)

   直前期の調整後営業利益・・・前期比174%1,906億円

  ▶欧州・ロシア・中近東・インド・アフリカ

   直前期の調整後営業利益・・・前期209億円の欠損に対して、421億円

  ▶中国・アジア・大洋州

   直前期の調整後営業利益・・・前期比168%420億円

  ▶その他

   直前期の調整後営業利益・・・前期5億円の約10倍となる51億円

なお、中期事業計画の2023年度では、

調整後営業利益率の目標値は13%レベル

調整後営業利益額は4,500億円レベルとしています。

 

 2番手は横浜ゴムです。

やはり2020.12期は落ち込みましたが、直前期の営業利益の伸び率は232.4%となり、4期間中で突出した金額となっています。

セグメント別は以下のとおりですが、全て「事業利益」となっています。

  タイヤ

   直前期の事業利益・・・前期比178.0%427億円

  MB(コンベアベルトや各種ホース等)

   直前期の事業利益・・・前期比130.5%38億円

  ATG(農業、林業機械用等の各種タイヤ)

   直前期の事業利益・・・前期比167%147億円

  その他(スポーツ用品、情報処理サービス等)

   直前期の事業利益・・・前期比1,405.1%11億円

なお、中期経営計画では、

2023年度まで事業利益率(対売上高)の目標値は10%

事業利益額は700億円とのことです。

 

 続いて、TOYO TIREです。

2期連続で低下していましたが、直前期は大きく拡大し、4期中で最高額になっています。

セグメント別の実績は以下のとおりです。

  タイヤ事業

   直前期の営業利益・・・前期比143.7%551億円

  自動車部品事業(自動車用防振ゴム等)

   直前期の営業利益・・・前期の営業損失20.2億円に対して営業損失20.1億円

  その他

   直前期の営業利益についての記載はありません。

なお、経営計画では2025年度連結営業利益額の目標値を600億円としています。

 

 最後は住友ゴム工業です。

直前2期は拡大していますが、4期間中で最大実績の2018.12期までには至っていません。

セグメント別は以下のとおりですが、全て「事業利益」となっています。

  タイヤ事業

   直前期の事業利益・・・前期比101.1%414億円

  スポーツ事業

   直前期の事業利益・・・前期7.4億円の事業損失に対して86億円

  産業品他事業

   直前期の事業利益・・・前期比61.0%19億円

なお、中期計画では、

2025年度まで事業利益の目標額を1,000億円以上としています。

 

 

総資産推移

 

 ブリヂストンがトップです。

主だった要因として、2019.12期は有利子負債の増加、2020.12期は純資産の減少、2021.12期は純資産の増加によって変動しています。

 

 2番手は住友ゴム工業です。

前述同様に、2019.12期は純資産の増加、2020.12期は純資産と有利子負債がともに減少、2021.12期は主に純資産の増加によって変動しています。

 

 続いて横浜ゴムです。

2019.12期は純資産の増加、2020.12期は主に有利子負債の減少、2021.12期は純資産の増加によって変動しています。

 

 最後はTOYO TIREです。

直前期で急増しました。

2019.12期は純資産の増加、2020.12期は有利子負債の減少、2021.12期は純資産の増加によって変動しています。

 

 

従業員数推移

 

 売上高順位と同様に、多い順でブリヂストン住友ゴム工業横浜ゴムTOYO TIREとなっています。

このうち、住友ゴム工業3期連続で微増させており、他の3社は2期連続で減少しています。

 

 

今回は以上です。

 

次回は、収益性の中の「利益創出力」を見ていきましょう。

 

 

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