飲食業界の3回目です。
今回は、「稼ぐ力」の分析です。
取り上げる指標は、EBITDA、EBITDAマージン、ROEとなります。
なお、各指標についての説明はこちらです。
【EBITDA】
〔EBITDA=営業利益+償却費〕
トップはすかいらーくですが、かなり上下しています。
2019期は、前期の2倍ほどに拡大しました。
この期の営業利益は前年より減少していますが、これは減価償却費が500億円超と前年の3倍以上になった影響もあります。
翌2020期は、新型コロナ感染による需要の減退のせいで営業欠損となったせいで一転して前年の半分以下となりましたが、減価償却費はほぼ前年並みを維持しています。
そして直前期である2021期は、前年の2倍以上という推移です。
減価償却は470億円ほど、営業利益は2019期並みに戻しています。
マクドナルドは、3期とも毎年40億円前後の拡大を続けています。
計ったように、営業利益額は毎年30億円程度、減価償却費は10億円前後の拡大となっています。
また、EBITDAに占める減価償却費の割合もほぼ一定になっています。
特徴的な推移であり、高いマネジメント力の成せる業なのかと想定します。
L&FO COは、直近2期で急増しています。
2019期は前期比119.8%、2020期は同141.0%、2021期は同152.0%という状況です。
2020期は営業利益を下げましたが、減価償却は前年の3倍以上で150億円超、
直前期は営業利益をほぼ倍増させつつ、減価償却費も180億円超まで拡大しています。
ゼンショーは、順調に拡大していましたが、直前期で低下しました。
減価償却費は、2018期の204億円からから年々増加し、2021期では263億円となっています。
営業利益は、2018期から176億円、188億円、209億円と順調に拡大していましたが、直前期が121億円と急落してしまいました。
【EBITDAマージン】
〔EBITDAマージン=EBITDA÷売上高〕
グラフの形状は、前述のEBITDAとほぼ同様です。
トップはすかいらーくであり、直前期はこの4期間で最高値、25%近くとなっています。
2番手にF&L COです。
直前2期が急上昇しています。
マクドナルドはこの4期間、着実に、安定的に比率を高めています。
ゼンショーは4期間とも最下位であり、売上高基準でのEBITDA、つまり稼ぐ力としては物足りなさを感じます。
【ROE】
〔ROE=親会社株主に帰属する当期純利益
÷{純資産-(新株予約権+非支配株主持分)}〕
トップはF&L COで、20%超と相当高いレベルです。
純資産は拡大基調ですが、当期純利益は2020期で落としました。
直前期である2021期は、この4期間で最高の当期純利益額となり、2018、2019期レベルの高い数値に復元させています。
マクドナルドも10%超を維持しており、良好なレベルです。
すかいらーくはもともと高い値ではありませんでした。
直前期では各種実績が良化していますが、当比率は5.3%と今一つの状況です。
ゼンショーは、直前期の値を除けば充分なレベルです。
次期の挽回に期待したいところです。
今回、特に気になったのはF&L COの急上昇です。
「稼ぐ力」が急速にパワーアップしている様子です。
今回は以上です。
次回は、「資本活用力」を見ていきましょう。
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