眼鏡業界の3回目です。
今回は、「稼ぐ力」の分析です。
取り上げる指標は、EBITDA、EBITDAマージン、ROEとなります。
なお、各指標についての説明はこちらです。
【EBITDA】
〔EBITDA=営業利益+償却費〕
ジンズHDが、抜きん出た格好になっています。
ただし、経常利益額や営業利益率と同様、2期連続で減少しています。
2番手はビジョナリーHDです。
2020決算期は営業欠損だったため急減しました。
ただし直前期では、
すでに何度か触れた店舗採算性重視の施策が奏功したためでしょう、盛り返しています。
続いて三城HDです。
2020決算までは比較的安定していましたが、
直前期が営業欠損となったことから半減しています。
愛眼は、3期連続で減少しており、
特に直前期は営業欠損となったため、さらに落ち込みました。
【EBITDAマージン】
〔EBITDAマージン=EBITDA÷売上高〕
売上高に占めるEBITDAの割合であるマージンでも、
4社の位置付けは変わりません。
ジンズHDの直前期では、前回述べたように、
売上高の上昇にもかかわらず営業利益が減少したため、
マージンの値が低下したという格好です。
ビジョナリーHDの値は、復活の兆しと映りますが、
分母となる売上高が低下した影響も幾ばくかはあります。
三城HDは、売上高が3期連続の低下という中、それでも一定レベルを保っていました。
しかし、減価償却費も3期連続の低下であり、
営業利益は直前期で欠損となったことから、
マージンの値としても半減した格好です。
愛眼は、EBITDAの金額もそうですが、直前2期が縮小しています。
これもコロナにおける需要喪失の影響と言えるのでしょう。
【ROE】
〔ROE=親会社株主に帰属する当期純利益
÷{純資産-(新株予約権+非支配株主持分)}〕
ジンズHDは、2020決算期を除けば10%台後半であり、相当に良好な実績を示しています。
前回述べたように、2020決算期は臨時休業損失など
コロナ禍特有の特別損失が計上されたことから、
当期純利益が6割弱低下しました。
その影響を除けば、ROEの水準を高く保っていることがわかります。
ビジョナリーHDが2番手です。
直前期で挽回したとは言え、そのレベルはまだかなり低めです。
純資産は増え続けており、早めに一般的な目標水準とされる
8~10%程度まで引き上げるための施策が期待されます。
三城HDは4期連続の最終欠損となったため、ROEも4期連続のマイナスになりました。
この4社では最古参の会社でもあることから、頑張ってほしいところです。
愛眼は、直前2期が最終欠損であり、
ROEも2期連続でマイナスとなりました。
それまでの2期はプラスでしたので、コロナ後の復活が期待されます。
今回、特に気になったのは、
総合的にコロナ禍による業績不振が明確であることです。
総じて儲ける力が弱まっています。
その中で奮闘が伝わってくるビジョナリーHD、
コロナ後の市場において、新たな施策が
どんなパフォーマンスになるか、興味深く感じます。
今回は以上です。
次回は、「資本活用力」を見ていきましょう。
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