オフィス家具業界の3回目です。
今回は、「稼ぐ力」の分析です。
取り上げる指標は、EBITDA、EBITDAマージン、ROEとなります。
なお、各指標についての説明はこちらです。
【EBITDA】
〔EBITDA=営業利益+償却費〕
4社中3社が、直前期で上昇しました。
唯一低下したのがコクヨ、他の3社は、
営業利益額が伸長したことを主因として数値を上げています。
内田洋行は2期連続の上昇であり、最も増加割合が大きくなっています。
オカムラも2期連続の上昇であり、
営業利益と償却費ともに増しており、安定的と言えます。
イトーキは、営業利益が急増し、償却費も比較的多く計上されています。
【EBITDAマージン】
〔EBITDAマージン=EBITDA÷売上高〕
直前期では、売上高1位のコクヨと2位の内田洋行が低下し、
3位のオカムラと4位のイトーキが上昇しました。
コクヨは2期連続の低下です。
特に直前期で見ると、EBITDAの減少に加え、
売上高の減少割合が4社中最大だったことも影響しています。
内田洋行は、EBITDAを急増させたものの、
売上高の上昇がさらに大きかったという背景から、
この比率が低下しました。
直前期で伸長させたオカムラは2期連続、
またこの表現になりますが「安定的」です。
ここで「安定的」と言うのは、その場に留まっているのではなく、
「成長が安定的」という意味です。
次回以降に紹介する指標の推移にも興味が湧きます。
イトーキも伸ばしています。
売上高が低下する中、EBITDAが伸長したせいです。
【ROE】
〔ROE=親会社株主に帰属する当期純利益
÷{純資産-(新株予約権+非支配株主持分)}〕
3社が高められています。
コクヨは、売上高こそ大きいものの、
ここまでのあらゆる指標が低下傾向なのが気がかりです。
内田洋行は3期連続の上昇、そして直前期は急上昇です。
GIGAスクール構想案件の想定上の実績が奏功した結果と言えます。
オカムラは、2期連続で低下した後、直前期で伸長しました。
イトーキは、4社中で最も低いレベルであり、
直近2期は最終赤字だったため、この指標がマイナスになってしまいました。
今回、特に気になったのは、
コクヨの不振、そしてオカムラの底力の強さです。
今回は以上です。
次回は、「資本活用力」を見ていきましょう。
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