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COLUMNSブログ「論語と算盤」

ドラッグストア業界-2

2021年10月21日

ドラッグストア業界の2回目です。

 

今回は、売上高に対する利益率を中心に、「利益力」を確認してみます。

 

 

 まず、収益性指標の代表格である、総資本経常利益率です。

 

〔総資本経常利益率=経常利益÷総資本(負債+純資産)〕

 

 サンドラッグは高いレベルで推移していますが、3期連続で下降しています。

先回述べたように、サンドラッグの経常利益額の伸び率は

他の3社と比較すると低めでした。(97.3%→103.8%→102.9%)

 それに対して総資本の伸び率は、106.3%→108.4%→108.5%というように、3期とも経常利益額の伸び率を超えています。

 以上から、総資本経常利益率が低下していますが、

直近で4社中最高という位置付けは変わっていません

 

 ツルハHDも3期連続で低下しています。

こちらも先回述べたように、決算期における買掛金残高や長期借入金が増えたために総資本が増したせいです。

 経常利益額は4社中最大で、総資産(=総資本)も最大という状況において、総資本の活用度合いについての良化が期待されます。

 

 ウエルシアHDとコスモス薬品は、10%近隣で概ね安定した推移となっており、ともに直近で上昇させています。

 

 

  続いて、売上高総利益率(粗利益率)です。

 

〔売上高総利益率(粗利益率)=売上総利益(粗利益)÷売上高〕

 

 水平線の如く、4社とも安定しています。

 

 特筆すべきはサンドラッグの値です。

ドラッグストア部門だけならまだしも、ディスカウントストア部門の売上が全体の4割ほどある中、ピッタリ25.0%で推移させています

 これは、仕入、値入、ロスの発生防止、店舗での販売というような一連の流れにおいて、相当きめ細かいマネジメント体制があるのではないかと察します。

 

 また、コスモス薬品は、4社中で最も低く、20%を意識したマネジメント状況が見て取れます。

前回、各社の品目別仕入実績と販売実績の数値を明示し、両者の値から「単純差益率」(期首・期末在庫を考慮しないレベル)を算出しましたが、そのときも低い水準でした。

 有価証券報告書によると、EDLP(Everyday Low Price:エブリディ・ロー・プライス)の戦略で運営しているようであり、その結果と考えられます。

 

 

 次は、売上高経常利益率です。

 

〔売上高経常利益率=経常利益÷売上高〕

 

 最高値はサンドラッグであり、6%台を維持しています。

続くツルハHDも5%強を維持していますが、

総資本経常利益率と同様に低下傾向の様子です。

 

 ウエルシアHDとコスモス薬品は、

ともに概ね4%台後半で推移しており、

両社とも直近では上昇させています。

 

 

 最後に売上高当期純利益率です。

 

〔売上高当期純利益率=当期純利益÷売上高〕

 

 ここでもサンドラッグが最高値であり、

4%を維持するようにがんばっているように映ります。

 

 EDLPコスモス薬品が意外にも2番手であり直近で3.7%、

そしてさらにサンドラッグを追い越さんばかりの勢いが感じられます。

 

 ツルハHD3%台を維持していましたが、直近では0.4ポイント低下し、2.9%です。

 

 ウエルシアHDは直近まで4社中最低レベルでしたが、

ここ2期は連続で上昇させており、今後の推移が期待できそうです。

 

 

 

今回は以上です。

 

 

 前回見た経営規模の比較で、売上高や従業員数が大きい2社が、

今回の利益力では目立った数値を出せていません。

 

 逆に4社中で小ぶりな2社が上位になっており、

それぞれの特徴を生かしているのか興味深く感じられます。

 

 

次回は、EBITDAを中心とした「稼ぐ力」を確認します。

 

 

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