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COLUMNSブログ「論語と算盤」

財務分析(しまむら-2)

2021年8月26日

しまむらの2回目です。

 

財政状態について、確認していきましょう。

 

貸借対照表をまとめたものが下表です。

これを個別に見ていきます。

 

  まずは流動資産ですが、直近3期の推移は以下のようになっています。

 

 

 

流動資産全体は増加しています。

現預金は減少しており、在庫はほぼ横ばいです。

 

その一方、有価証券その他流動資産は増加しています。

 

 その他流動資産のうち、1年内回収予定の差入保証金26.3億円であり、前年28.3億円に対してほぼ横ばい状態です。

 

 それ以外のその他流動資産は、単にその他となっており、2020.02期の4.0億円に対して2021.02期では39.5億と急増しました。

ただし、この内訳についての注記はありません。

 

 現預金の減少幅が大きくなっていますが、手元資金として考える場合には、速やかに現金化が可能な有価証券も加えることになります。

 

 現預金だけであれば、2020.02期で日商の18.1日分、2021.02期で同12.1日分となります。

現金商売中心とはいえ、直近の現預金残高はやはり少ないと感じます。

 

 次に、現預金に有価証券(流動資産内の有価証券であり、短期保有目的です)を加算すると、2020.02期が125.6日と約4ヶ月分、2021.02期では143.3日と5か月分近くとなります。

 

この観点からすると、特に問題は感じられません

 

 

 次に、固定資産を見てみます。

 

 2019.02期に比べて、翌年と直近は少なくなっています。

新規出店は継続実施しているようですが、減価償却で簿価が減少した分程度の投資額のようです。

 

 固定資産については、特に目を引くような事柄や推移は見当たりません

 

 

 続いて、負債です。

 

 

 上のグラフは、資産の部や純資産の部のグラフも描いていますが、ご覧のように2021.02期における流動負債固定負債増加割合がかなり大きくなっています。

 

 ただし、特筆すべきものは特にありません

 流動負債では、売上増加に伴う買掛金未払法人税等の増大、賞与引当金未払金の増大であり、増加幅もそんなに大きいわけではありません。

 

 固定負債についても、グラフは急上昇していて目を引きますが、もともと金額は大きくありません。増加額は40億円程度です。

 そして内訳は、そのほとんどが新規出店に伴う資産除去債務の増加幅となっています。

 

 

 最後に純資産です。

 

 純資産は毎年増加しています。

資本金資本剰余金はこの3期不変ですので、増加要因利益剰余金となります。

 

利益剰余金では、内部留保が繰越利益剰余金別途積立金に累積されます。

 

 当社においても、損益計算書の最終利益である当期純利益から配当金が払われ、その残りが利益準備金の増加に貢献しています。

 

 

 以上をまとめて概観します。

資本の調達においては、総資本に占める純資産の割合が85%以上であり、負債への依存が極めて小さい状態です。

 

資本の運用においては、流動資産中の手元資金(現金預金+有価証券)がこれまた潤沢であり、在庫も月商一月分程度と何ら問題ない状態です。

 固定資産についても、注目を引くほどの変化などはありません。

 

財政面は、全くもって盤石と言って良いでしょう。

 

 

次回は、キャッシュフローを確認してみましょう。

 

 

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