今回から株式会社しまむらを取り上げます。
勘定科目をできるだけ細かく拾いたいため、前回と同様単体決算の数値としました。
初回は収益面の確認です。
下表は直近3期の簡略化した損益計算書です。
売上総利益の下に「営業収入」とありますが、
これは「不動産賃貸収入」と「その他」という内容です。
2020.02期は売上高と各利益が前年を下回りましたが、直近の2021.02期においては、各利益が一昨年の2019.02期を凌ぐ業績にまで伸びてきています。
業態(ブランド)ごとの直近2期分の売上高(単位=百万円)を下表で示します。
各ブランドの情報は以下のとおりです。
・「しまむら」は、主婦や家族向けの業態で、主力店舗です。
国内1,430強の店舗数となっています。
・「アベイル」は、30代までの男女向けの業態であり、
約320店舗となっています。
・「バースデイ」は、ベビー・子供服の総合店舗であり、
300店舗近くを展開しています。
・「シャンブル」は、40代までの女性をターゲットとしており、
90店舗強を展開しています。
・「ディバロ」は、50代までの女性とその子、男性をターゲットに、
20店舗近くを展開しています。
次に、売上高と粗利益額の推移、
および営業利益率と経常利益率の推移を下の図表で示します。
売上高と粗利益額は、微妙にV字を描いていますが、概ね横ばいという状態です。
それに対して、営業利益率と経常利益利率はほぼ同値になっており、
ともに2021.02期は大きく上昇しました。
なお、グループ全体の目標として、売上高営業利益率10%を目指しているとのことです。
これら利益率を良化させた要因としては、下図のように、売上高をV字回復させつつ、原価率を低減させ、さらに販管費を抑制したためです。
各種経費節減が奏功した形になっています。
なお、商品原価のみを変動費として損益分岐点を算出したところ、下図のように直近2期で損益分岐点を低下させており、安全余裕率も20%超となってきています。
次回は、財政状態を確認します。
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