子、仲弓を謂いて曰わく、犂牛の子、騂くして且つ角あらば、用うること勿からんと欲すと雖も、山川其れ諸を舍てんや。〔雍也第六〕
(先師が仲弓(冉雍)を評して言われた。
「まだら牛の子でも、赤毛でよい角があれば、犠牲として神にお供えすまいと思っても、神はすててはおかないだろう」)
※これは仲弓の父は如何にあろうとも、お前が立派であれば、気にすることはないよと励まされているのである。
<出典:『仮名論語』伊與田覺著 致知出版社>
生まれがどうであれ
人は自分自身を磨くことで
自らの人生を切り開くことができるはずです
古くから世界中に差別や偏見が存在していました。
そのような差別や偏見が、近年取り払われてきつつあります。
いまこそ、自分自身の人生を実りあるものにすべく、堂々と、臆することなく、自らの天命を見出し、生き抜いていくことが可能です。
ところがどうでしょう。
差別や偏見の排除など
周囲の環境が良くなるにつれて
堂々とは反対に
人々は自分を隠し始めていませんか
自信も無くしている様子
もしかすると、もっと良い家柄に生まれたかったと思っているのでしょうか。
しかし、そういう家柄などに恵まれた人の人生は、決してそれだけで素晴らしいものにはなっておらず、逆に窮屈になってしまっている場面をよく目にします。
人生をしっかり生き抜いている人
往々にして家柄など無関係のようです
彼は片田舎の丸太小屋で生まれました。
貧しさのために学業は断念、正規の教育を受けられたのは生涯で1年足らず。
二十代で創業するも失敗、そして恋人の死、神経衰弱を患います。
しかし彼は、二十七歳にして独学で弁護士資格を取ります。
苦難な労働と弁護士活動の経験は、やがて彼を政治の世界に誘います。
三十代で下院選挙で二度、四十代で上院選挙でも二度落選、四十七歳の副大統領選でも落選。
しかし彼は、逃げることなくあきらめることなく挑戦し続けます。
五十一歳、ついにアメリカ合衆国第十六代大統領の座を射止めます。
そして南北戦争を戦い抜き、奴隷解放という新しい歴史を切り開いたのです。
彼の名は、エイブラハム・リンカーン
(出所:『人生の法則』藤尾秀昭著 致知出版社)
松下幸之助翁は
家庭の貧しさから
9歳で丁稚奉公に出ました
小学校中退です
安岡正篤師の言
“ 人物学に伴う実践、即ち人物習練の根本的条件は、怯めず臆せず、勇敢にそして己を空しうしてあらゆる人生の経験を嘗め尽くすことであります。
人生の艱難辛苦、喜怒哀楽、利害得失、栄枯盛衰、そういう人生の事実、生活を勇敢に体験することです。
その体験の中に、その信念を生かしていって、初めてわれわれに知行合一的に自己人物を練ることができるのであります。 ”
(出所:『人間学入門 人間力を高める』 致知出版社)
私たち一人ひとりの人生
遠慮せず
怯えず
変化を恐れず
自分の天命に従って
進むべきです
悪口が陰口が怖い
仲間はずれが独りぼっちが怖いなど
人生という大海において
些末で相対的な感情は蹴散らすこと
道のない原野であろうが
先の見えない大海原であろうが
自分を信じて
強く一歩を踏み出しましょう