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COLUMNSブログ「論語と算盤」

老いと意志

2024年3月1日

少にして老人のたいを為すは不可なり。老いて少年の態を為すはもっとも不可なり。〔晩二五九〕

(若者が老人ぶるのはよくない。年老いて若者のように振る舞うのは最もよくない。)

<出典:『言志四録 佐藤一斎』渡邉五郎三郎監修 致知出版社>

 

 

 

 

若者が老人ぶる

 

 

大人ぶることは決して悪いことではありません。

 

大人としての完成を求めている姿であり、社会への貢献という思いがあってこその行動と感じます。

 

 

しかし、老人ぶるのはよくありません。

 

 

少量の経験をもとに、世を達観したかのようなふり

人生を悟ったかのようなふり

活力さえ萎えたようなふり

 

 

 

しかし、若者なので体力は旺盛です。

 

そのため、妙な思想に取り付かれると厄介です。

 

 

 

 

老人が若者ぶる

 

 

 

これはあくまで “ ぶる ” ことの戒めと捉えた方が良いでしょう。

 

人の寿命は延びてきており、そして人には生存への欲求があります。

 

末永く生きようと、体力・知力の向上を求めるのは決して悪いことではないはずです。

 

 

しかし、この先は二つに分岐します。

 

 

 

一つは

 自分の意志が明確で

  その意思に基づく行動を行う人

 

言い換えれば

 自分を修めようと考える人

 

 

自分の人生を意義あるものにしようと

 健康で元気で

  人間関係をうまく処し

   可能なら仕事も続ける

 

そのような生き方を意識する人です。

 

 

 

もう一つは、感情に支配される人です。

 

たぶんに “ ぶる ” の範疇の人であり、あまり期待できません。

 

 

一人で慎むことができず

仲間を求め

懐古に浸る

 

 

 

なお、派手な格好をする老人、見た目が若者ぶっている人もいるでしょう。

感性が豊かになってきている時代、当然そういう人も増えるでしょう。

しかし現段階ではまだ、そういう派手な格好の人の周りに、他の人があまり寄ってこないのも事実です。

ここは気を付けた方が良いでしょう。

 

 

 

 

意志に基づいた人生

 

そのときの感情に従う人生

 

どちらを望むか

 

 

 

人にとって、“ ぶる ” 行為はよくありません。

 

自らの身体一つで、真っすぐ堂々と、人生の終着駅まで歩んで生きましょう

 

 

 

 

自分は自分の主人公

世界でただひとりの

自分を創っていく責任者

(東井義雄 教育者)