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COLUMNSブログ「論語と算盤」

大まかに、繊細に

2024年2月23日

のたまわく、よう南面なんめんをせしむべし。仲弓ちゅうきゅう桑伯そうはくう。子曰わく、なり、かんなり。仲弓わく、けいて簡をおこない、もっの民にのぞまば、またならずや。簡に居て簡を行うは、すなわ大簡たいかんなること無からんや。子曰わく、雍の言然げんしかり。〔雍也第六〕

(先師が言われた。

 「雍は人物が立派で、諸侯として政治を執らせることができる」

 仲弓が子桑伯子の人物について尋ねた。

 先師が答えられた。

 「まあよい人物だねえ、大まかでこせこせしないところがある」

 仲弓が更に尋ねた。

 「身をつつしみ心を引きしめて、大まかな態度で民に臨んだならば、更によいのではないでしょうか。大ざっぱな性格で大まかに振舞うのは、大まか過ぎはしませんか」

 先師が言われた。

 「雍の言葉はもっともだ」)

※雍、孔子の門人。姓は冉、名は雍、字は仲弓。

<出典:『仮名論語』伊與田覺著 致知出版社>

 

 

 

 

優れた潜水艦の艦長は、自分の艦の隅々まで状況を把握しています。

 

潜水艦は、人が生存不可能な領域の海中で仕事を行います。

 

乗組員全員を守ることができる艦の状態か、耐久力は充分か

 

それがわかっていないと、最善の意志決定はできません。

 

 

 

大きな成功を生み出す土壌は

繊細な意識と行動で培われます

 

 

 

 

人や国を治めることも同じなのでしょう。

 

 

希望と不安、信頼と疑念、揺れ動き不安定な人の心

 

そのような人の心をしっかりと把握、受け止め、大きく抱擁する

 

そんな人物がまつりごとの長であれば、人々の協力や賛同も得られるはずです。

 

 

ただし

人の心を汲み取ることができても

対応が細々したものなら

逆に人々の心に懸念が生じます

 

 

 

隅から隅まで把握した上で

 大きな展望

  広い視野

   高い視点から状況に対処する

 

 

それで初めて

運営という取り組みが

安定するのです

 

 

 

こせこせすることなく

身を慎み

心を引き締めて

大まかに対処すること

 

 

 

外れそうなチェーン

空気圧の低いタイヤ

利きの悪いブレーキ

 

こんな自転車に乗っていれば

間違いなくやがて故障します

 

 

潜水艦であれば即大惨事

一国の政なら大混乱

 

 

 

 

ひとりの人との接し方も同じ

 

 

心を広くして

話にしっかり耳を傾け

穏やかに包み込む態度であれば

 

相手の考え方

希望

本心

不安

困りごとなど

心情を捉えられます

 

 

 

小さな言葉一つひとつを拾いあげ、大きく全体を感じ取ること

 

 

 

隅々まで検証した上で

大きな観点から

歩みを始める

 

 

情と理という

両面に対する緻密さ

そして大局観

 

これこそが成功の秘訣