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COLUMNSブログ「論語と算盤」

理想の地

2023年12月8日

せいもっくにおさめ、を以て兵をもちう。こときを以て天下を取る。われ何を以てしかるを知るや、れを以てなり。れ天下忌諱きき多くして、民いよいよまずし。人利器りき多くして、國家こっかますますくらし。民こう多くして、ぶつおこる。法令滋あきらかにして、盗賊多く有り。故に聖人う、われ無爲むいにして民自たみおのずからし、我せいを好んで民自ずから正し。我ことくして民自ずから富む。我無欲にして民自ずからぼくなり。

(国を治めるにはまっとうな政策でなければならない。戦争をするには、詐術を用いなければならない。しかし、これはすべて心あっての行為である。天下を取ろうと思えば、何もしない、無心でなければならない。

 わたしは、どうしてそういうことを知るのか。なぜ、有心はいけなくて、無心でなければいけないというのか。それは道というものの本質が、無為であるからである。だからそういうことがいえる。

 そもそも天下にいろいろの禁令、禁止事項が多くなればなるほど、ああしてはいけない、こうしてはいけないということで、民の生活はいよいよ貧しくなる。

 人々の間に文明の利器が多くなればなるほど、国家全体がますます混乱するであろう。人民の中に巧みな職人わざといったものが多くなれば、よけいな機械がいよいよ盛んになるであろう。

 法律が明らかになり、こまかくなるにつれて、泥棒もいよいよたくさんになるであろう。

 だから、昔の聖人はいった。

 わたしが何もしないでおれば、民はおのずから感化される。私が静かであることを好めば、民はおのずから行いが正しくなるであろう。わたしがよけいなことを何もしない、ほったらかしにしておく、そのことによって民はおのずから富むであろう。わたしが文明の利器とかなんとかそういったものを欲しがらず、無欲であれば、民はおのずから粗けずりのまま、素朴なままでおるであろう。)

<出典:『老子講義録 本田濟講述』読老會編 致知出版社>

 

 

 

 

これが理想の情景

 

心の楽園

 

 

 

ところが人類の欲や好奇心は、技術、策略、仕組みなど、時務じむがくの分野に向かいます。

 

機械化を進め、天然資源を使えるだけ使い、仮想空間まで生み出してきました。

 

これから、さらに文明は変化・展開をしていくのでしょうか。

 

 

しかし、人を不幸にするのは、自らの怠惰、金銭や名誉の争いごと、財物の奪い合い、そして他国への侵略や宗教対立、戦争。

 

 

謙虚に、控え目に日々を過ごし、いまある物を大切に使い、自分および他者、そして他国を尊重することができれば、対立や争いを招くことはなく、平穏無事な日々が続くはずです。

 

 

 

人類は

果たして

本当の意味で

進化しているのか

 

 

 

 

リーマン・ショックの後

 あるプロのディーラーは

  漁業に職を転換しました

 

人の、本当の生きる姿を求めて

 

 

わが国でも

 就農や

  先人の文化的活動に

   回帰しようとする人が増えています

 

人の、本当の生きる姿を求めて

 

 

 

 

 

何の取り決め

規則・法律のない社会

 

策略

文明の利器

機械のない社会

 

 

それは理想郷で

実現できないよと

考える人も多いでしょう

 

 

 

しかし

 そのような社会状態を実現することこそ

  人類に求められている

   真の意味での “ 進化 ” では

 

 

 

~ 欲を捨て    

賢を求む ~

 

 

 

いまの文明、これからも変化していく文明、いったいどこへ行くのでしょう。

 

誰もわかりません。

 

それもそのはず。

 

人間が持つ欲の正体がわかっていないのですから。

 

 

欲の行く末

その終着点で待つのは

悪魔か天使か

 

欲が争いごとを招き

不幸を生む働きがある以上

決して良い状況ではないでしょう

 

 

 

人の、本当の生きる姿を求める

 

一人ひとりが理想の地を求める

 

 

 

 

 

さて、年末です。

 

色んな会合が多くなるでしょう。

 

よい頃合いに、こういう科白せりふで切り上げてはどうでしょう。

 

 

「日の出とともに目覚めたい。

     そろそろ失礼しますね。」