Loading

COLUMNSブログ「論語と算盤」

知足常足

2023年5月25日

天下道有ればそうしりぞけてもったつくる。天下道無ければじゅうこうに生ず。罪は欲す可きより大なるはく、わざわいは足るを知らざるより大なるは莫し。とがめは得んと欲するより大なるは莫し。ゆえに足ることを知るの足るは、常に足る。

(天下に道がよく行われておれば、よく走る馬を軍事に使うこともなく、田圃の耕作に使う。これが道のある状態である。

 天下に道が行われない、無道の世の中になれば、軍馬が、戦場となった郊外で子供を産むという、そういう結果になる。

 悪は、何かの物を欲しがる、ひたすら物を欲しがるというこれより大きな罪はない。

 禍いは、足ることを知らない、満足を知らない、これほど大きな禍いはない。

 不幸は、ひたすらに何かを得たいと思う、これより大きな不幸はない。

 だから、足ることを知ったものの満足、これは永遠に満ち足りていることである。これは恒久的な変わることのない満足である。)

<出典:「老子講義録 本田濟講述」読老會編 致知出版社>

 

 

 

 

道が行われる

 

それは大自然、宇宙と一体化した人間の営み

 

 

道が行われない

 

それは世の流れから外れていく営み

 

 

 

 解説では、戦争は常に支配者の欲望から始まるとのこと

 

いま、まさにそれを感じさせられています。

 

 

独裁者の欲は次々と広がっていき、そしてキリはありません。

 

そのために犠牲になる、自由、愛、心、命、そして道

 

 

 

しかし一方で、戦争とは、私たち人類の心のおりが生み出しているのかもしれません。

 

 

知らず知らずに

一人ひとりが

争いごとを招きよせている

 

なぜ

 

それは

足るを知らないから

 

足るを知らずに

常に欲しがる

 

なぜ欲しがるのか

将来を見据えた上での危険回避のためか

 

しかしその行為こそが結果的に自らを陥れる

 

 

 

「九つまでは満ち足りていて、十のうち一つだけしか不満がない時でさえ、人間はまずその不満を真っ先に口から出し、文句をいいつづけるものなのだ。自分を顧みてつくづくそう思う、なぜわたしたちは不満を後まわしにし、感謝すべきことを先に言わないのだろう。」

(三浦綾子 『明日のあなたへ』より)

 

 

 

 足るを知らずに欲しがる行為は、自分を貶めていくことにつながります。

 

求めるべきは、本当の“心”です。

 

 

 

“道”と一緒に、同化して歩む

 

宇宙と一体化する“心”をもつ

 

そして永遠に満ち足りる