人を籠絡して陰に事を謀る者は、好しその事を成し得る共、慧眼より之を見れば醜状著るしきぞ。人に推すに公平至誠を以てせよ。公平ならざれば、英雄の心は決して攬られぬもの也。
(人をごまかし丸め込んで、陰でこそこそと策略をめぐらせる者は、たとえそのことを成功させ自分に都合よく運んだとしても、物事をよく見抜く人がこれを見れば、その醜いことがすぐに分かる。
人に対面しては常に公平で真心をもって接するべきである。公平でなければ、真の英雄の心を手に入れることはできないものだ。)
<出典:「西郷南洲遺訓」桑畑正樹訳 致知出版社>
人物として本物
西郷さんはその覚悟と志で
誠に偉大なる人生を創り出しました。
当に偉人です。
天空海闊の心を持ち、常に真剣に事に当たり、そして人に接する
そんな人物になりたいものです。
※ 天空海闊:大空と海が広々としている様から転じて、度量が大きく、こだわりのないこと
こそこそとした振る舞い
眼力ある人なら、その策略の醜さを容易に見抜きます。
そんな姑息な生き方では、天、そしてご先祖に申し訳が立ちません。
最近、偉人について語ることが少なくなっていないでしょうか。
偉人の生き方
価値観
信念
志
人生そのもの
偉人の在り方、生き様は、私たちの生き方の見本であり指針となります。
指針がないと、人は人生に迷います。
また、燃えるような感動を覚えることがなければ
覇気のない人間になってしまいます。
西郷さんも、多くの東洋古典から道理、摂理、知恵を学びとり、それを指針とし、血肉とすることで、自分の生き様、その在り方に組み込みました。
だからこそ偉大なる人生を創り上げられたのです。
先人の生き方を、私たちが参考にしないというのは愚かです。
何度も引用していますが、
「賢者は歴史から学び、愚者は経験から学ぶ」
わけですから。
(ドイツ帝国初代宰相ビスマルクの格言)
先日、京セラの創業者である稲盛和夫さんが他界されました。
稲盛さんも薩摩のご出身
西郷さんと同じ志、価値観をお持ちであったことは明らかです。
動機善なりや
私心なかりしか
やがてお二人が邂逅され
酒を酌み交わされることを想いながら
生き方のお手本であるお二人に感謝する次第です。
謹んで、稲盛和夫さんの御霊のご平安をお祈りします。