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COLUMNSブログ「論語と算盤」

天空海闊

2022年9月23日

人を籠絡ろうらくして陰にことはかる者は、しその事を成しとも慧眼けいがんよりこれを見れば醜状しゅうじょういちじるしきぞ。人にすに公平こうへいせいもってせよ。公平ならざれば、英雄の心は決してられぬものなり

(人をごまかし丸め込んで、陰でこそこそと策略をめぐらせる者は、たとえそのことを成功させ自分に都合よく運んだとしても、物事をよく見抜く人がこれを見れば、その醜いことがすぐに分かる。

 人に対面しては常に公平で真心をもって接するべきである。公平でなければ、真の英雄の心を手に入れることはできないものだ。)

<出典:「西郷南洲遺訓」桑畑正樹訳 致知出版社>

 

 

 

 

人物として本物

 

 

西郷さんはその覚悟と志で

誠に偉大なる人生を創り出しました。

 

まさに偉人です。

 

 

天空海闊てんくううかいかつの心を持ち、常に真剣に事に当たり、そして人に接する

 

そんな人物になりたいものです。

 

 ※ 天空海闊:大空と海が広々としている様から転じて、度量が大きく、こだわりのないこと

 

 

こそこそとした振る舞い

眼力ある人なら、その策略の醜さを容易に見抜きます。

そんな姑息な生き方では、天、そしてご先祖に申し訳が立ちません。

 

 

最近、偉人について語ることが少なくなっていないでしょうか。

 

 

偉人の生き方

価値観

信念

人生そのもの

 

 

偉人の在り方、生き様は、私たちの生き方の見本であり指針となります。

 

 

指針がないと、人は人生に迷います。

 

また、燃えるような感動を覚えることがなければ

覇気のない人間になってしまいます。

 

 

西郷さんも、多くの東洋古典から道理、摂理、知恵を学びとり、それを指針とし、血肉とすることで、自分の生き様、その在り方に組み込みました。

 

だからこそ偉大なる人生を創り上げられたのです。

 

 

 

先人の生き方を、私たちが参考にしないというのは愚かです。

 

何度も引用していますが、

「賢者は歴史から学び、愚者は経験から学ぶ」

わけですから。

(ドイツ帝国初代宰相ビスマルクの格言)

 

 

 

 

先日、京セラの創業者である稲盛和夫さんが他界されました。

 

稲盛さんも薩摩のご出身

 

西郷さんと同じ志、価値観をお持ちであったことは明らかです。

 

 

 

動機善なりや

      私心なかりしか

 

 

 

やがてお二人が邂逅かいこうされ

 

酒を酌み交わされることを想いながら

 

生き方のお手本であるお二人に感謝する次第です。

 

 

 

謹んで、稲盛和夫さんのたまのご平安をお祈りします。